2016-01-01から1年間の記事一覧

ナショナル・レビュー誌の書く『ファシズムに逆戻りする日本』

ナショナル・レビュー誌が『ファシズムに逆戻りする日本』という記事を掲載しましたので、これについて、意見を述べたいと思います。 なお、私はこのナショナル・レビュー誌の記事の全てに同意をしているわけではありませんが、大筋、このような『ひどい誤解…

ニース・テロとバタクラン劇場での拷問

バスティーユ牢獄襲撃を発端として始まったフランス革命を記念するパリ祭の当日、パリに次ぐ観光地であるニースで、花火を見物する市民を、チュニジア出身のイスラム教徒が「アラーフー・アクバール!(アラーは偉大なり)」を叫びつつ、次々に84名を轢殺すテ…

にわか『犠牲者』を気取るブラック・ライブズ・マター運動とトランプ支持者

ポーランド・ワルシャワで行なわれた土曜日の会見で、ダラスで起きた警察官への襲撃事件に関して、なぜかオバマ大統領は「犯行動機の解明は明らかにされてはいない」としています。 ダラス警察の発表によれば、5人の警察官を殺害した犯人のミカー・X・ジョン…

オバマ大統領の演説と『ブラック・ライブズ・マター』による警察へのテロ

木曜日、テキサス州ダラスで起きた反警察を掲げた『ブラック・ライブズ・マター(黒人の命には価値がある)』運動のデモ隊が警察官を襲撃し、5人の警察官がスナイパーによって射殺され、12人の警察官が負傷しました。 実はこの事件が起こる数時間前、オバマ大…

ヒラリー・クリントン、e-mail疑惑不起訴決定

FBIのジェームズ・コーミィ長官は、ヒラリー・クリントン候補のe-mail私的サーバー使用の問題に関して、クリントン候補が国務長官時代に、国の機密情報を私的サーバーで扱った事について、「極めて軽率であり、別の場合、解雇や機密事項取扱い不許可になると…

あまりにも無残なイスラエル人少女の死と、テロリストに給与を支払うパレスチナ政府

6月30日、イスラエルの西岸地区に住むアメリカとの二重国籍を持つ13歳のイスラエル人女の子、ハレル・ヤファ・アリエルが就寝中、自宅に忍び込んだ17歳のパレスチナ人に刺殺されました。これに伴い、イスラエルのネタヤフ首相は緊急閣僚会議を開き、「国全体…

バグダッドでのテロ...ダル•アル•ハルブ(戦いの家)

44名が犠牲となった、トルコの首都イスタンブールのアタトゥルク国際空港でのテロ、イエメンでの4名人が犠牲となった自爆テロ、バングラディシュのカフェ・ベーカリーでの20名が犠牲となったテロに続き、土曜日の夕刻イラクの首都バグダッドで、爆弾を積んだ…

バングラディシュのカフェ・ベーカリーを狙ったテロ

バングラディシュのカフェ・ベーカリーで、金曜夜に起きたテロは土曜日未明にバングラディシュ軍と地元警察の襲撃で、11時間にわたる籠城の後に20名の犠牲者を人質から出し、終局しました。 バングラディシュ当局の発表によれば、犯人は全員バングラディシュ…

米軍のISIS空爆に心を痛め「ヤディジ人の悲劇」を直視できない左派

アメリカ・オバマ政権は、ISIS制圧の為に最も効果的な「地上軍派遣」をせず、ISISの物資を運ぶトラックの列を断定的に空爆しているだけですが、それでもリベラル左派にとっては「環境に悪影響を与える」「市民に犠牲が出るかもしれない」という懸念が先立つ…

英国の民意を批判し、『過激イスラム』と『ドイツ独裁』を擁護する愚

イギリスを代表する株価指数FTSE100の発表によれば、イギリスのEU離脱を問う国民投票の結果を受けて一時落ち込んだポンドや売りが目立った株価は、国民投票の行なわれた先週木曜日の水準以上に回復をしたようです。 www.theguardian.com EU離脱によって株価…

イギリス保守派によるEU撤退の理

EUに対する反発は、故マーガレット・サッチャーの時代からイギリスの抱えるジレンマとしてありました。 BBC ON THIS DAY | 21 | 1984: EEC summit collapses over rebate row 実際に、故サッチャー首相が離脱を主張していたことは、サッチャー首相の伝記を記…

イギリスのEU撤退

イギリスのEUからの離脱を問う国民投票がなされ、キャメロン首相の期待に反して、離脱を願う国民が過半数を超えましたが、この問題はしばし比較される「トランプ旋風」とは異なり、単なる『EUに対する反動的ナショナリズム』では説明され尽せません。 「なぜ…

9・11後最大規模のイスラム教テロ

Orlando shooting: 50 killed, shooter pledged ISIS allegiance - CNN.com 日曜日未明、フロリダ州オーランド市の人気ゲイ・バーで、イスラム教ジハーディストによる銃乱射テロが発生し、少なくとも50人以上が死亡し、50人以上の負傷者が出ています。ジハー…

トランプ陣営による、対抗馬「デイビッド・フレンチ氏」への脅迫

共和党からの候補者がトランプ氏に決定する事を受けて、第三の新党を立て挙げようとした動きがあり、中でも、ナショナル・レビュー誌のスタッフ記者であり、弁護士、また退役軍人の肩書を持つデイビッド・フレンチ氏の出馬が取り沙汰されていました。 これに…

中国との距離を広げる韓国

英訳された聯合ニュースを、更に和訳しました。 http://m.yna.co.kr/mob2/en/contents_en.jsp?cid=AEN20160605001851315&input=www.twitter.com%3F2e70e980&site=0300000000&mobile 韓国が、中国、北朝鮮との溝を深め、距離を広げている事には間違いがなさそ…

ヒラリー・クリントンによるトランプ外交批判

ドナルド・トランプ氏の外交政策を痛烈に批判したヒラリー・クリントンの演説は、オバマ外交支持や自身の成果の強調さえなければ、中道路線に近く、「まるで、マルコ・ルビオの演説のようだ」と評価されています。 特にトランプ氏が、日本や韓国からの米軍撤…

オバマ大統領広島訪問---私が保守派アメリカ人に同意する理由

米国の保守派メディアが、こぞってオバマ大統領の広島訪問と、そのメッセージを批判する記事を掲載した事は、以前書いた通りです。 この広島訪問に対する日米の温度差があることは、多くの指摘にあるようですが、私は米国保守派の批判や懸念は、理に適ってい…

オバマ大統領による広島訪問への米国内反発

いつものように、オバマ大統領の意図した『和解』や『癒し』、『友好』の案は、結果的に全く別の感情を米国内で招いています。 保守派のメディアであるナショナル・レビューやウォール・ストリート・ジャーナル紙は、こぞってオバマ大統領の広島訪問に懸念を…

昭和天皇と靖国神社 ---『A級戦犯合祀』

「私たちはこれを政治問題化したくないんです」 靖国神社権宮司にお会いし、お話をお伺いした時に、そうおっしゃった事を覚えています。国を守る為に戦地に赴かれて亡くなられたこと、『英霊』の方々にもご家族がいらっしゃったこと、人としての人生があった…

米保守系メディアによる「トランプ支持者の分析」

保守派メディアであるナショナル・レヴユー誌の編集長、ジョナ・ゴールドバーグ氏が、トランプ氏の支持者の分析を行ない、自分にどのグループに問題を感じるか記事にしました。 Donald Trump & Republican Nomination -- I Still Won't Vote for Him | Natio…

ドナルド・トランプの『災害的経済政策』5月9日、zakzak記事への反論

日本でドナルド・トランプ氏がどのように報道されているかはあまり存じませんでしたが、どうやら誤解があるように感じます。 5月9日のこのzakzakの記事は、トランプ氏が過去4回破産をした事と、又それから立ち直った事に注目し、「不死鳥のように復活するの…

カルト信者と化すトランプ支持者

トランプ氏が掲げる「外国からの輸入製品への関税を高く設定する政策」によれば、平均的アメリカ人家庭では、年間約$6,000(約66万円)多い支出をすることになります。 Study: Trump-style tariffs on all imports would cost the average U.S. household $6…

アメリカから見た第二次世界大戦 (4)

さまざまな視点から第二次世界大戦を考えていく試みは、これからも続けて書きたいと考えております。「東京裁判」は、日本の行動を裁くものでしたが、決してアメリカの視点を説明するものではありませんでした。ですから、どんな「自虐史観」の教科書でも、…

アメリカから見た第二次世界大戦 (3)

アメリカが日本に警戒心を持ち、正規の戦争以外の外交、制裁などを以て牽制しようとした理由は、①、当時民主主義国家へ変わると考えられていた中国に対する同情と、②、イギリスに敵対し、ヨーロッパを手中に収めようとしていたナチス・ドイツとの友好関係が…

アメリカから見た第二次世界大戦 (2)

「アメリカが中国やアジアにおける列強の利権を守る為に、日本に対して戦争を仕掛けた」という説がありますが、実はアメリカは、ヨーロッパ列強の植民地支配や帝国主義を支援していた事はありません。 例えば、戦後オランダがインドネシアを去ったのは、アメ…

クレムリンの影が見え隠れする、トランプ氏の外交アドバヴァイザー達

ドナルド・トランプ氏の軍事戦略の知識をどこから得ているかについて、昨年トランプ氏は『ミート・ザ・プレス』での質問に答える形で、「テレビです」と答えています。 先月、『モーニング・ジョー』に出演した際の「外交政策について誰に相談をしているか」…

アメリカから見た第二次世界大戦 (1)

最近は、第二次世界大戦を昭和天皇、226事件、陸軍穏健派から見て参りました。 再び日本から見た視点に戻る前に、視点を変えてアメリカから見てみたいと思います。 「アメリカがなぜ日本となったのか」という視点は、考えられているようで見落とされている視…

昭和天皇と第二次世界大戦 (4)穏健派•宇崎一成

秦郁彦氏の『昭和天皇五つの決断』によれば、 『本庄日記(*¹)、原田日記(*²)など天皇の生野声を記録した文献で見ると、天皇は、(1)軍縮賛成、(2)満州事変反対、(3)軍司令の権限強化反対、(4)国際連盟脱退に不賛成、(5)日ソ不可侵条約賛成、(6…

昭和天皇と第二次世界大戦 (3)軍の暴走を支えたもの

昭和天皇が支持した「天皇機関説」は、天皇の地位を議会と等しくするものです。 明治憲法は「天皇は国の元首にして統治権を総攬し」としながら「この憲法の条規によりこれを行なう」と運用上の制約を課していました。具体的には、法律、勅令、詔勅などが効力…

昭和天皇と第二次世界大戦 (2)2・26事件(下)

皇道派にとって、天皇の親政政治を目指した「昭和維新」が、昭和天皇その人の強い反発と怒りを買ったことは全くの計算外だったようです。昭和天皇は伏見宮を通した「昭和維新の大詔渙発」などの上伸にも、「自分の意見は宮内大臣に話し置いてある」「宮中に…