トランプ陣営による、対抗馬「デイビッド・フレンチ氏」への脅迫

共和党からの候補者がトランプ氏に決定する事を受けて、第三の新党を立て挙げようとした動きがあり、中でも、ナショナル・レビュー誌のスタッフ記者であり、弁護士、また退役軍人の肩書を持つデイビッド・フレンチ氏の出馬が取り沙汰されていました。
 
これについて2、3日前、フレンチ氏自身が、出馬をしないことを明らかにしましたが、フレンチ氏夫人の親族に対して、トランプ支持者から人種差別的な嫌がらせ、脅しがなされていたことを、フレンチ氏が明らかにしました。

http://gawker.com/david-french-donald-trumps-campaign-threatened-my-wife-1781022021

 
フレンチ氏によれば、嫌がらせをしていたのは複数の支持者らですが、「トランプ氏の選挙対策本部からのメッセージだが、フレンチ氏がトランプ氏に対抗して出馬をするなら、ひどい目に遭うことを、充分認識する必要がある」と述べていたそうです。

 

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勿論、誰でも「トランプ氏の選挙対策本部に頼まれて…」と嘘を語り、嫌がらせをすることは可能です。
 
但し、実際に、トランプ教のカルト信者と化した『手段を選ばない、不特定多数の支持者』がトランプ氏の意向に従って、レポーターやジャーナリスト、ライバルに対して脅迫や嫌がらせを繰り返している事は、今までにも頻繁にニュースに取り上げられてきました。
 
また、トランプ大学訴訟を扱う連邦裁判所判事に対しては、トランプ氏の選挙対策本部は、「この件に関しては、誰も何の行動をとらないように」という要請を支援者に対して流しましたが、これを知らなかったトランプ氏が、「誰がそんな要請を流したのか。そんな命令は出していない。この件について支持者は一致して、裁判官やレポーターらへの非難を強化するべきだ」と電話インタビューで述べています。

Trump Orders Surrogates to Intensify Criticism of Judge and Journalists - Bloomberg Politics

 
しかも、共和党のブローカード・コンベンションが囁かれていた頃は、全国共和党大会で投票をする共和党選挙人の名前や個人情報が、トランプ陣営から支持者に情報として流され、トランプ氏自身は、ブローカード・コンベンションが開かれ、トランプ氏が選出されない場合は、「私の支持者たちは暴動を起こすだろう」と『暴動の容認』とみられる発言をしています。
 
その他、フォックス・テレビの女性ジャーナリストである、メーガン・ケリーや、テッド・クルーズ議員のハイジ・クルーズ夫人、クルーズ議員の実父であるラファエル・クルーズ氏への誹謗などは、トランプ氏本人からなされ、また、トランプ氏の妻であるメラニア・トランプ夫人に関する記事を書いたユダヤ系女性レポーターへの人種差別的嫌がらせや脅しなどは、トランプ夫妻の意向を受けたと思われる不特定多数の支持者からなされています。
 
これらの事を踏まえれば、フレンチ氏や彼の親族に対してなされてきた嫌がらせを、「トランプ氏が指示や容認をせず、知らない」とは、考えられません。