日本の歴史、政治

保守派アメリカ人と観た『主戦場』

ミシガン州アンナーバー市ダウンタウンにあるミシガンシアターにおいて、ドキュメンタリー映画『主戦場』が上映される事を、当日にミキ・デザキ監督から知らされた。ミシガンシアターは、私の自宅から10分とかからない距離にある。せっかくなので、主人や義…

言論人による言論弾圧

東スポの報道のよれば、[出演者である保守系論客8人のうち、すでに7人が上智大学教授でデザキ氏の指導教員であった教授に対し、上智大学が規定する書式に基づいて「研究参加同意撤回書」を送付。残る1人も撤回書を独自に送る予定で8人全員となる。上智大…

異論を超えて

朴裕河氏の『和解のために』を読んでいるが、さまざまな言い分に耳を傾ける朴氏の姿勢には、改めて感銘を受ける。ドキュメンタリー映画『主戦場』が、両サイドから主張を公平に聞くとしながら、実際には、右派の主張の根底には差別意識や政治的陰謀が原因と…

平和のために

『帝国の慰安婦』を書かれ、日本人の間でも知られている世宗大学教授、朴裕河氏の『和解のために』を読んでいる。「歴史教科書」、「従軍慰安婦」、「靖国神社」、「竹島(独島)」などのテーマ別に、事実関係を挙げた上で、さまざまな意見に対し丁寧に耳を…

旭日旗持ち込み禁止を求めるアレクシス・ダデン氏記事への反論

以下は、オリンピックの競技場への旭日旗持ち込み禁止を訴える米国人学者、アレクシス・ダデン氏が、英紙ガーディアンに書かれた意見記事への反論である。英語で書かれたものが、ダデン氏の書かれた文章である。リンク先は元となったガ―ディアン紙の記事であ…

旭日旗と表現の不自由

共同通信のニュースを以下に引用する。 「【ソウル共同】韓国国会の文化体育観光委員会は29日、来年の東京五輪・パラリンピックの際、旭日旗や、旭日旗をあしらったユニホームなどの競技場への持ち込みを禁止する措置を国際オリンピック委員会(IOC)や大会…

度を越した文政権の要求と、ドイツの戦後補償

日韓の関係が拗れに拗れ、それが日韓の貿易関係や GSOMIA破棄によって 日米韓の安全保障同盟関係にまで影響を及ぼしている。 https://www.reuters.com/article/us-southkorea-japan-usa/scrapped-intelligence-pact-draws-united-states-into-deepening-sout…

Feelings Don’t Care About Facts, But Neither Do Facts Care About Feelings

Anyone who claims that I have said “As I learned about Nanking, I came to believe the Comfort Women were sex slaves…” or anything similar in the essence in the documentary film, Shusenjo, or in the interview is wrong. I have never thought …

My Thoughts On Comfort Women Issue, 2019 May

My Thoughts on Comfort Women Issues, May 2019 I have read the article called, “The Anatomy of Neo-Nationalist Misogyny” by Nina Trige Andersen. https://www.moderntimes.review/the-anatomy-of-neo-nationalist-misogyny/?fbclid=IwAR0MhohkqJ6KO…

『愛国者』らは、北朝鮮軍事危機を直視せよ

何人かの方々から北朝鮮の齎す脅威についてのご質問を受けた。諜報活動の専門家に言わせれば、残念なことにアメリカには北朝鮮に対する諜報網は無く、核戦争に至らなくても、韓国と日本は共に通常兵器での戦火による被害を被る距離にある。 Why North Korea …

日韓の和解を妨げる両国のナショナリストたちに反対する

世界の悲劇と言われている過去の出来事の、その壮絶さを図る測りに、被害者の数の大きさが取り沙汰される。一概に『虐殺』と言われても、被害者の数は複数(最小は二人)から何百万人にまで登り、その悲劇がやはり数の多さで測られるのも、ある意味当然だろう。…

ヘイトスピーチと「日本らしさ」の限界

最近私は、知日派のアメリカ人と議論を交わすことが多い。 勿論、アメリカ人と言っても様々な考えがあり、ナショナリストや保守派から始まって、左翼、リベラル派まであるのだが、一致しているのは、「日本の評判は、中韓の流すヘイトスピーチやプロパガンダ…

日本政府によるグレンデール慰安婦像撤去裁判への意見書提出の問題

カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像撤去を巡る裁判が、グレンデール近郊に住む日本人によって起こされたのは記憶に久しい。この裁判は現地の裁判所で一審、二審とも原告側の訴えが退けられているが、この判決を受け、原告側は先月、連邦最…

歴史問題と心の癒し

最近の事だが、ホロコースト否認者として有名な英国の歴史家、デイビッド・アーヴィングの起こした裁判を扱った『The Denial』という映画を鑑賞した。これはアーヴィングが、自分自身を「反ユダヤ主義であり、歴史の事実を歪曲している嘘つき」と呼んだアメ…

韓国の『反日ナショナリズム』を理解する

以前も書いたが、ナショナリズムとは、自国を美化する神話を含んだ国家意識と共に、国民を別の集団に反対してまとめる主義を指す。ナショナリズムは、米国、日本、ロシア、韓国など、多くの国に存在し、その主張には、他国のナショナリストには共感し得ない…

釜山総領事館前慰安婦像設置を巡る、安倍政権「在韓外交官召還」の大失敗

「日本政府は慰安婦像を合意の精神への違反だと考える。しかし政府の管轄外にある市民団体の行動に対する日本によるハイレベルの応酬は、モグラ塚から山を作るようなものだ。極東地域におけるアメリカの同盟国同士の協力関係が重要である時に、日韓関係を危…

反対者への『国籍による人種差別』---塚本幼稚園問題

学校法人「森友学園」が運営し、教育勅語の唱和や「愛国心と誇りを育て」る教育を幼稚園児に施すことで知られる『塚本幼稚園』が、保護者に宛てて「邪(よこしま)な考えを持った(名前は日本人なのですが)在日韓国人である・支那人であるそれらを先導する…

ガンジーから、「すべての日本人への手紙」

人間には、自分の聞きたい話だけを聞き、自分にとって都合の悪い話は全く無視するか、全く別の解釈を加える傾向があるのかもしれない。あるいは、自分の好むストーリーを語ってくれる語り部だけを集め、好みの証言集だけを聞き、満足する傾向もあるのかもし…

ナショナリズムとパトリオティズムの違いについて

ナショナリストと呼ばれる事に抵抗を感じ、「私はナショナリストではなく、愛国者です」と主張する方が多くいるが、ここでは主観や『自称』ではなく、客観的な定義の上で、違いを述べたいと思う。 ナショナリズムとパトリオティズムの違いについて、多くの人…

反日大統領トランプによる『TPP脱退』と、客観的な分析や証拠に反してトランプに心酔する日本人ナショナリストの奇怪

どこの国でも、ナショナリストたちは、自国を美化する神話には興味を示すが、自国へ深刻に影響を及ぼす現実の安全保障や経済にはあまり関心を持たない。彼らにとって守るべきは『名誉』や、「他者に何と言われるか」であり、国の平和や近代民主主義、自由主…

平成天皇の譲位

83歳になられた今上天皇が、高齢を理由に公務への差し障りがあるとして、譲位の願いを述べられている。憲法に定められ、また、ご自分の義務感から、歴代の天皇に勝る公務の量をこなしてこられた平成の明仁天皇に対する国としての配慮は、天皇ご本人がご自身…

ロシア工作員が笛を吹き、保守派が躍る---スタニスラフ・レフチェンコの証言(2)

昨今の一部保守派に見られるプーチン・ロシアへの期待感や親近感は、ヴラジミール・プーチンという独裁者の醸し出すイメージに操作されているだけで、ロシアの実態を無視した非論理的な感情論である。 ロシアは、近代化された中国の軍に対して立ち向かえるよ…

スタニスラフ・レフチェンコの証言---KGB・日本活動の実情

1979年米国に亡命した後、1982年には米国議会で日本におけるKGBのスパイ活動を暴露したスタニスラフ・レフチェンコの書いた「On The Wrong Side」を読んでいる。 レフチェンコはアメリカに亡命した後、ロシア国内での死刑判決を受けているが、KGBが彼の米国…

日本の右派が抱える危機(2) 各国の極右ナショナリストに近づくプーチン・ロシア

さて、『日本の保守派が抱える危機(1)』の冒頭にあげたジョシュア・ブレイクニー氏は、ホロコーストを否定しているだけではなく、9・11テロをアメリカによる自作自演と主張されている。典型的な『陰謀論者』である。それだけではない。彼は、旧ゾヴィエト時…

日本の右派が抱える危機(1) ホロコースト否定論者と南京否定論者

二年前、私は独自のラジオ番組を持つジョシュア・ブレイクニーというジャーナリストから、フェイスブックの機能を通してメッセージを頂いた。 「こんにちは。私はカナダ在住のイギリス人ジャーナリストです。私は自分のラジオ番組を持っていて、あなたをゲス…

「日本 死ね」は、テロではない

先日、「なぜ日本は海外メディアに誤解されて報道されるのか」といった趣旨の記事を見かけた。この記事は、海外の日本に関する報道の基本に、日本に対する人種差別があると示唆していたが、全て単純に人種差別、戦前から今に続く日本に対する敵視などに原因…

真珠湾から75年、戦後自由主義社会と世界秩序の擁護者となる安倍・日本

以前、マイケル・オースリン氏の書かれた安倍首相に関する記事をご紹介した事がある。 オースリン氏は、元イェール大学助教授であり、現在は保守派シンクタンクである「アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート」の常勤研究員、ウォール・ストリー…

保守派は「偽情報」で騙すな、「偽情報」に騙されるな。

先月始めの11月2日、ヒラリー・クリントン元国務長官が、ワシントンDCのピザ・レストランにおいて「マネー・ローンダリング」から始まり「子供相手の性犯罪」に関与している、というニュースが流れた。これは意図的に捏造された偽ニュースであり、社会的責任…

リベラル極論とナショナリズム極論の狭間で

以前も書いたが、私は、日本軍による『南京30万人大虐殺』や『南京40万人大虐殺』などは、荒唐無稽なプロパガンダであると考える。 ところがこの『30万人説』や『40万人説』に対する反発として、これらを否定する為に、『虐殺は起こらなかった説』や『(虐殺…

国旗掲揚、国歌斉唱と「国民の権利」について

国旗掲揚や国歌斉唱について、私個人は賛成しております。日本の国旗や国歌だけではなく、外国のものに対しても、礼儀として敬意を払います。では国旗掲揚・国家斉唱が『憲法』によって義務付けられるべきか、という点において、これには反対を致します。 法…