オバマ大統領による広島訪問への米国内反発
いつものように、オバマ大統領の意図した『和解』や『癒し』、『友好』の案は、結果的に全く別の感情を米国内で招いています。
保守派のメディアであるナショナル・レビューやウォール・ストリート・ジャーナル紙は、こぞってオバマ大統領の広島訪問に懸念を表明し、「原爆は大いなる邪悪を制圧するのに必要だった」という記事を掲載しています。勿論コメント欄には、保守派アメリカ人やアジア系アメリカ人による反日感情の溢れるコメントが多く見られます。
また、オバマ大統領が広島を訪問したのなら、当然ながら安倍首相もパール・ハーバーを訪問するべきだという意見が多数聞かれる一方、それに対して安倍首相が「パール・ハーバーを訪問する計画はない」と表明したことに対して、厳しい非難がなされています。
Japanese PM Shinzo Abe: No plans to go to Pearl Harbor - POLITICO
故レーガン大統領による、「戦時中の事を持ち出して、双方が感じていた憎しみを新たにするようなことはしたくはないのです」と、昔の傷や憎しみへの癒しに触れなかった英知が、懐かしく思い出されます。
歴史問題をぶり返す事は、両国の関係にとって決して良い結果はもたらしません。アメリカ側の反発は、戦時中の日本の行ないを厳しく批判し、原爆投下を正当化するものですが、オバマ大統領の歴史観を正す意図があります。
何よりも日本が懸念するべきアメリカ世論の流れは、こうしたオバマ大統領の姿勢が反発を招き、却って、トランプ氏の排他的ナショナリズム支持に繋がっている点です。