中国との距離を広げる韓国

英訳された聯合ニュースを、更に和訳しました。

http://m.yna.co.kr/mob2/en/contents_en.jsp?cid=AEN20160605001851315&input=www.twitter.com%3F2e70e980&site=0300000000&mobile

韓国が、中国、北朝鮮との溝を深め、距離を広げている事には間違いがなさそうです。

日韓の軍事情報交換に向けた条約の締結は、韓国世論を鑑みた時間の経過が必要となると思われますが、一時は中国寄りの姿勢を見せた韓国が日米の側に協調する姿勢を示し、日米韓が同じ脅威を共有していると認識するに至った事は、高く評価されるべきだと思います。

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中国は、韓国と米国が計画する高高度防衛ミサイルの朝鮮半島への配置に改めて反対を表明し、防衛を巡る中韓の溝が深まっている事を際立たせています。

日曜日、シンガポールで開かれた毎年恒例となっているシャングリ₌ラ、アジア安全保障会議において、中国軍のナンバー2である孫建国統合参謀部副参謀長は、「中国はアメリカが高高度防衛ミサイルを韓国に配置する動きに強く反対する」と発言しています。

「この米韓の取り組みは、アジア太平洋地域の安全保障を蝕んでいます。兵士の一人として、この配置の意味が何であるか私にはわかります。朝鮮半島に高高度防衛ミサイルを配置する事は、過度の措置であり、現状の米国による防衛能力を超えるものです。アジア太平洋地域は冷戦時代の考え方を拒絶し、安全保障の協力関係を強め、深める方向に進めるべきです。紛争や対立を招いたり、第三か国を仮想的国としてみなすような方法が求められるべきです。」

これは明らかに、中国に照準を合わせた米国への牽制と思われます。

 

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3日間続いた会議での孫参謀部副参謀長の発言は、高高度防衛ミサイルシステムを巡って韓国と中国の間に交わされた、緊張感あるぎこちない瞬間の一幕でした。

韓国と中国の防衛の参謀部長の会話は、会議の前にも持たれましたが、両国の溝の深みを改めて再確認させています。
韓国国防部の韓民求長官との30分における会合で、中国の孫建国副参謀長は、高高度防衛ミサイル配置は、中国の戦略的国益に叶わない点を指摘し、これに対して韓長官は、高高度防衛ミサイルは北朝鮮の核とミサイルの脅威に向けた対応であることを主張しています。

会議二日目の土曜日には、韓長官は、演説の中で韓国が高高度防衛ミサイルを配置する事に疑いが無い事を宣言し、国の方針であることを強調しました。


また演説の中で韓長官は制裁と圧力により北朝鮮の非核化を狙う韓国の主導への国際社会の一致したサポートを求めました。また最近北朝鮮が提案した両軍の事務レベルで会談を拒否したことに触れ、「韓国はそのような意味のない会談を行なう意思はない」と発言しています。また会議の後、記者団に対して韓長官は「北朝鮮の非核化を実現する為に、国際社会は北朝鮮に対する徹底的な制裁と圧力で一致する必要があることを強調したい」と語りました。

 

また、韓長官、米国のアシュ・カーター国防長官、日本の中谷防衛相との間で持たれた日米韓の三カ国会談は北朝鮮の核とミサイルの脅威に一致して対応する事を確認しています。

韓長官、カーター長官、中谷大臣による会談で、三国は、お互いが北朝鮮の核やミサイル攻撃を含めた共通の脅威に直面している事を理解し、特に北朝鮮からの安全保障脅威に関する情報交換を含めた三カ国での軍事協力の取り組みを強めていく方針を誓い合いました。


また同日持たれた別の会合では、中谷長官が軍事情報共有の条約を設ける事を提案しましたが、これについて韓長官は、日米軍事情報包括保護協定への基礎を固めていくことの方がより重要であると述べ、韓国内に未だ根強い旧宗主国との軍事協力への抵抗感情に配慮をした模様です。