米保守系メディアによる「トランプ支持者の分析」

保守派メディアであるナショナル・レヴユー誌の編集長、ジョナ・ゴールドバーグ氏が、トランプ氏の支持者の分析を行ない、自分にどのグループに問題を感じるか記事にしました。
 

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『無知文盲』:これらの人々は早い時期からドナルド・トランプ氏が大統領として相応しいと信じてきた人々である。彼らを一般化するならば、これらの人々は邪悪なわけでも、差別主義者でもない。これらの人々は、基本的に詐欺師に騙されているような人々だ。
 
『白人至上主義者たち』:この「生物」について語られなければ、語られない方が良い。これらはツイッターやコメントのセクションにコメントするトロールたちが殆どだ。この食糞科の生物は、トランプが共和党と国家を支配する新たな白人ナショナリストの槍の先であると確信している。彼らはトランプ批判者たちをKKK名残の人種差別主義やナチのような反ユダヤ主義で罵倒するのを楽しいことだと考えている。私が『無知文盲』に分類される人々に対して、最も不満に感じるのは、これら差別主義者たちについての批判の度合いや、差別主義者が彼らを代表して語っても放って置いている点だろう。
 
『偽祭司たち』:友人の行動が最も落胆を招くように、このグループに最も大きな失望を感じている。長年,「汝より清し」とでも言いたいように保守派の道徳を掲げてきた知識人、専門家、政治家らが、突然彼らの『原則』を窓から投げ捨てて、トランプ列車に乗り込んでいるのだ。
 
『偽穏健派』:これらの人々は長年ナショナル・レビューやテッド・クルーズ、ラッシュ・リンバウ、マーク・レヴィンに代表される保守主義が厳し過ぎ、イジワル過ぎ、また耳障りな言葉だと不満をたらしていた人々だ。彼らは共和党がもっと幅の広い層に対して門戸を開くべきだとし、保守派の主義主張に許容や優しさを加えようとしてして来た。それが彼らは今では身体障害者を嘲り、移民を罵り、イスラム教徒の入国を禁止すると主張する男を熱心に支持するようになってしまった。
 
『娼婦の指導者』:偽保守派に近い存在であるが、際立った違いがある。彼らは自分の利益となること以上の何も考えない売国奴、成功の機会を狙っているもの、ロビイスト、コバンザメ、また職業活動家らだ。自分の利益に叶う時には、彼らは反トランプだった。そして全く同じ理由で、今はトランプ支持にまわっているのだ。
 
『隠れ反トランプ』:ワシントンやニューヨークには、専門家やジャーナリスト、テレビ戦略家や政治家で、私の友人や私に、反トランプには100%同意すると言うが、マイクを向けられると、突然オレンジ色の国家の救世主を尊敬していると発言する。今までもそうだったように、私はこういった所業にはいつも胸が悪くなるのを感じる。
 
『諦めてしまった人々』:トランプが指名を獲得するならば、支持しよう」というこれらの人々に対しての想いは複雑で、気の毒に想うこともある。名指しは避けたかったのだが、名前を出さないと伝わらないと思うので、敢えて名前を出すが、テッド・クルーズは「党候補者」を支持するといった。トランプの名前は出さなかったが。個人的に私がクルーズ議員の立場で、自分の妻や父親に対してああいった事を発言するような男は決して支持出来ない。その他に何の失言をしていなくてもだ。しかし私は政治家ではない。クルーズは指名獲得者を支持する約束をしている。ここで、その為にクルーズを悪く言っても仕方がない。同じことは、マルコ・ルビオ、ボビー・ジンダール、カーリー・フィオリナなどにも言える。勿論、心からの支持ではないだろう。ただ支持欄にチェックをする事と、魂を売ってしまう事には違いがあるのだ。
 
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私は、トランプ氏がについて「人種差別主義者」だとは思っておりませんが、トランプ氏が本物の人種差別主義者、ナチス信望者、ファシストなどを惹きつけている事は事実です。
 
デイリー・ワイヤー誌のベン・シャピーロ編集長は、トランプ氏批判の為に、二番目の子供が生まれた時にも彼のemailアカウントには、妻子を含め、「ガス室に送り込んでやりたい」というメッセージがトランプ支持者から殺到した事を記しています。

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反ユダヤ主義と、トランプ氏のレトリックの共通点は、ユダヤ人や日本人などを含める「外国人」が、(時には共和党指導者やメディアなどが)アメリカを利用し、搾取したという『陰謀説』』によって、被害者意識に訴えている点が挙げられるように思います。
 
この『陰謀説』や『被害者意識』は、左翼の場合には「金持ちのの搾取によって一般のアメリカ人がいつまでたっても貧しいままである」という論理となりますが、国粋主義、排他主義と重なる『右翼ナショナリスト』の場合、搾取をしているのは外国人となるようです。
 
実際に『トランプ大学』の詐欺で、一般のアメリカ人から搾取をした筈のトランプ氏のような人物が、その『ビジネスの才能』を持て囃され、まるで外国による搾取からアメリカ人を救う救世主のように考えられている点は、いくつもの矛盾を抱えていますが、知性よりも感情を重んじる支持者には、説得力があるようです。