日本の歴史、政治

アメリカから見た第二次世界大戦 (2)

「アメリカが中国やアジアにおける列強の利権を守る為に、日本に対して戦争を仕掛けた」という説がありますが、実はアメリカは、ヨーロッパ列強の植民地支配や帝国主義を支援していた事はありません。 例えば、戦後オランダがインドネシアを去ったのは、アメ…

昭和天皇と第二次世界大戦 (4)穏健派•宇崎一成

秦郁彦氏の『昭和天皇五つの決断』によれば、 『本庄日記(*¹)、原田日記(*²)など天皇の生野声を記録した文献で見ると、天皇は、(1)軍縮賛成、(2)満州事変反対、(3)軍司令の権限強化反対、(4)国際連盟脱退に不賛成、(5)日ソ不可侵条約賛成、(6…

昭和天皇と第二次世界大戦 (3)軍の暴走を支えたもの

昭和天皇が支持した「天皇機関説」は、天皇の地位を議会と等しくするものです。 明治憲法は「天皇は国の元首にして統治権を総攬し」としながら「この憲法の条規によりこれを行なう」と運用上の制約を課していました。具体的には、法律、勅令、詔勅などが効力…

昭和天皇と第二次世界大戦 (2)2・26事件(下)

皇道派にとって、天皇の親政政治を目指した「昭和維新」が、昭和天皇その人の強い反発と怒りを買ったことは全くの計算外だったようです。昭和天皇は伏見宮を通した「昭和維新の大詔渙発」などの上伸にも、「自分の意見は宮内大臣に話し置いてある」「宮中に…

昭和天皇と第二次世界大戦 (1)2・26事件(上)

昭和天皇の「戦争責任」が追及されなかったのは、GHQの占領にとって都合が良かったからという見方が、左翼・右翼両側からなされています。そういった一面があった事は否定しませんが、終戦当時のアメリカの世論は、昭和天皇の戦争責任を追及する声が強く、GH…

狂信的ナショナリストたちが、いかに日本を傷つけているか

2013年、ディプロマット誌は、過去に対する日本の謝罪が忘れられてしまう原因を、歴史論争が中国や韓国によって政治問題へ発展してしまった点を挙げて書きましたが、同時に、日本側の問題点として、歴史修正主義者・ナショナリストの言動があるとし、靖国参…

オバマの謝罪がもたらすもの

日本側の意見として、「70年前の原爆投下に関して、何とか米国大統領からの謝罪を受けたい」、「日本こそ被害者である」という感情論がありますが、オバマ大統領の広島訪問の予定を受けて、保守派メディアや世論は、「広島や長崎の被害者に対して哀悼の意を…

フーバー回想録---『Freedom Betrayed』とマッカーサーの「歴史観」

第二次世界大戦当時のアメリカの政策に対する批判の声が、アメリカ側にも無いわけではありません。特に有名なのは、歴史家のチャールズ・ビヤードやハーバート・フーバー元大統領ら「Isolationist (一国平和主義)」などによる反ルーズベルト大統領を掲げる方…

ディプロマット誌も認める「政治論争」としての「歴史論争」

2013年に書かれたディプロマット誌の記事を再読する機会に恵まれました。 以下はその和訳(部分)です。 thediplomat.com ------------ 『歴史の議論』は、日本が近隣諸国に対する過去の侵略戦争を一度も誤ったことが無いという前提で常になされている。(とこ…

「国家権力」による弾圧を主張する田母神氏の往生際

田母神元幕僚長の逮捕に際して、ご自身は「国家権力にはかないません」とツイートをされました。 戦後生まれの田母神氏にとって殆どご自身ではご存じでない筈の、戦前の日本については良い国だと弁護をされていますが、田母神氏に言わせれば、現在の日本は国…

オバマ広島訪問に期待する、非現実的な『核の無い世界』

ケリー国務長官の広島訪問を受けて、オバマ大統領の広島訪問が取り沙汰され、70年前の原爆投下への謝罪を期待する声が、多くあるようです。 オバマ大統領の広島訪問、及び、謝罪をもって、『核の無い世界』への第一歩だとする考えには、私は強く反対致します…

安倍談話「事変 •侵略•戦争」 中西氏への反論 ⑥ (最終)

「日本は侵略戦争を起こさなかったのか」 中西氏への反論 ⑥ (最終) --- 『日本が絶対に「侵略」と認めてはならないのは、次の四つの理由があるからである。 第一は、何と言ってもそれは歴史の事実ではないからである。このことを実証的、歴史学的に論じる…

「安倍晋三は果たして保守なのか」 中西氏への反論 ④

中西氏の「日韓合意」に対するご不満や不支持はともかく、中西氏は安倍首相が「保守かリベラルか」という問いかけをされていますので、中西氏の記事を引用して、保守派とは何か考えたいと思います。 ④、 --- 『ネット空間では、「安倍晋三は果たして保守なの…

慰安婦非難決議121号とトルコ反発に関する誤解、中西氏への反論 ③

中西輝政氏の「さらば安倍晋三、もはやこれまで」の記事を、いくつかに分けて引用させて頂いた上で、事実誤認と思われる点を指摘したいと思います。 ③ --- 『巷間、「アメリカの圧力」を云々する声がある。そこには「アメリカの声は天の声。だから仕方がない…

国破れて頑迷あり 中西氏への反論 ②

『今回の日韓合意に際しては、北朝鮮の核実験とミサイル発射が迫っているというタイミングでアメリカから日韓双方に対し合意への圧力があった以上、安倍首相は安全保障を優先して慰安婦問題で大幅譲歩したのはやむを得ない、正しい選択だった、とする保守派…

「さらば理性、もはやこれまで」 中西氏への反論 ①

中西輝政氏の「さらば安倍晋三、もはやこれまで」の記事を、いくつかに分けて引用させて頂いた上で、見解の違いを述べたいと思います。 --- 『実際、「安倍談話」と「日韓慰安婦合意」は、歴史観をめぐるこの数十年にわたる日本の保守陣営の戦いにおいて、ま…

ホワイト・ハウスの検閲

オバマ大統領とフランスのオランド大統領が木曜、ワシントンで会合を開き、テロリズムに対する対抗戦略を話し合いました。 しかしながらホワイト・ハウスは、オランド大統領の使った『イスラム教テロリズム』という言葉が気に入らなかったようで、ホワイトハ…

元妻が語る、ISISリーダー、アブ・バクル・アル・バグダディ

ISISのリーダーであるアブ・バクル・アル・バグダディの元妻が語った、彼との結婚生活に関する記事です。 nypost.com 彼女は世界で一番危険なテロリストと結婚していた、しかしながら、彼女の夫がISISのリーダーであった事には気づかなかったと言う。 アブ・…

植民地支配について考える (3) イギリス連邦の場合

ここでまた問題となるのが、民族の自決、或いは民族主義(ナショナリズム)と呼ばれるものです。 何度か以前も書きましたが、実は、ナショナリズムというものは、19世紀のヨーロッパで誕生した概念であって、それまではヨーロッパの国々でさえも、支配者(支配…

植民地支配について考える(2) アステク、インカ、マヤの場合

白人による侵略によって民族浄化され、絶滅した場合があったかどうかを考えてみます。 一般的に、白人によって植民地化された国、帝国、或いは地域は、統治した国と比較した場合、発達していない地域であって、時には未開の非文明国でもあります。 アメリカ…

植民地支配について考える (1) インドの場合、

欧米にも『自虐史観』と呼ばれるものが存在しない訳ではありません。 『白人帝国主義』や欧米による『植民地支配』を謝罪したり、欧米による植民地化の歴史を、アフリカや中東の内戦や内乱、発展途上の責任とする意見は、欧米左翼の側から頻繁に聞こえます。…

3月24日、国連は誰を非難したか

ブリュッセルで起きたテロの直後、ニューヨークの国連人権理事会は、女性の人権侵害の甚だしい国として、イスラエルを唯一名指して批判し、イスラエルに対する非難決議を採決しました。 イスラエルは中東のイスラム教国やテロ組織であるハマスに囲まれた唯一…

トランプの脅す「米軍基地撤退」を「好機」と喜ぶ早計

トランプ氏による「在日米軍基地の負担を大幅増額しなければ、基地を撤退させる」という意見を受け、ニューヨーク•タイムズ紙は、「撤退となれば日本も韓国も核武装するのではないか?」と聞き返しました。このやり取りについては、以前も書きましたが、トラ…

テロを起こす、真の原因

スウェーデンの外務大臣のかかとに従って、オランダ社会党首は、11月、ISISがパリで起こしたテロの原因は、イスラエルにあるとしました。 Dutch party head blames Israel for Paris attack - Europe - News - Arutz Sheva ジャン・マリジニッセン党首によれ…

マイケル・オースリン記者の評価する、『総理大臣・安倍晋三』

マイケル・オースリン記者と言えば、ウォール・ストリート・ジャーナル紙などで、日本に関する記事を書かれる方ですが、今回は、『アメリカン・エンタープライズ・インスチチュート』に、安倍首相に関する記事を書かれていました。 オースリン記者の、安倍首…

ロバート・スティネット『欺瞞の日々』の欺瞞

『真珠湾攻撃』について、『ヨーロッパの戦争に裏口介入するためにルーズベルト大統領が意図的に日本に真珠湾を攻撃させた』というロバート・スティネット著の『欺瞞の日々』は、『ルーズベルト陰謀論信者』によって頻繁に引用されますが、多くの歴史家は、…

愛国心の右・左

左翼やリベラル派には愛国心はあるかという疑問を考えてみました。 結論として、彼らも勿論祖国を愛せますし、実際彼らは「祖国を愛しているからこそ、改革が必要なのだ」と言うでしょう。 まず愛国心の前に『郷土愛』について述べますが、これは故郷を愛す…

北朝鮮の脅威を前に、それでも反米・反安倍がやめられない保守派言論人

拉致問題もさることながら、ミサイル発射、核実験など、情勢の緊迫化が感じられる北朝鮮問題ですが、「対中国・北朝鮮を睨んでの安全保障の問題の為 には韓国との協力関係が重要である」という安倍政権の姿勢に疑問を投げかけ、特にその『日韓合意』に反対を…

『「反日中韓」を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!』……元外交官による陰謀説流布

『「反日中韓」を操るのは、じつは同盟国・アメリカだった!』という馬淵睦夫氏の書かれた本がベストセラーとなっている様です。 本の帯には、『戦後70年の節目、いまこそ、「洗脳史観」を断ち切り、米中韓との歴史戦争に勝つために!』 [わが国がアジアの大国…

BBC慰安婦報道-----証人としての松本正義氏の資質

2015年8月、BBCが、"Japan Revisionists Deny WW2 Sex Slave Atrocity"という記事を書き、日本の歴史修正者が第二次世界大戦中の残虐行為を否定しているという内容で、歴史修正主義者として田母神俊雄氏が挙げられ、元慰安婦の李玉善さんが被害者として紹介…