アメリカの政治事情

オバマ大統領による広島訪問への米国内反発

いつものように、オバマ大統領の意図した『和解』や『癒し』、『友好』の案は、結果的に全く別の感情を米国内で招いています。 保守派のメディアであるナショナル・レビューやウォール・ストリート・ジャーナル紙は、こぞってオバマ大統領の広島訪問に懸念を…

ドナルド・トランプの『災害的経済政策』5月9日、zakzak記事への反論

日本でドナルド・トランプ氏がどのように報道されているかはあまり存じませんでしたが、どうやら誤解があるように感じます。 5月9日のこのzakzakの記事は、トランプ氏が過去4回破産をした事と、又それから立ち直った事に注目し、「不死鳥のように復活するの…

カルト信者と化すトランプ支持者

トランプ氏が掲げる「外国からの輸入製品への関税を高く設定する政策」によれば、平均的アメリカ人家庭では、年間約$6,000(約66万円)多い支出をすることになります。 Study: Trump-style tariffs on all imports would cost the average U.S. household $6…

アメリカから見た第二次世界大戦 (3)

アメリカが日本に警戒心を持ち、正規の戦争以外の外交、制裁などを以て牽制しようとした理由は、①、当時民主主義国家へ変わると考えられていた中国に対する同情と、②、イギリスに敵対し、ヨーロッパを手中に収めようとしていたナチス・ドイツとの友好関係が…

アメリカから見た第二次世界大戦 (2)

「アメリカが中国やアジアにおける列強の利権を守る為に、日本に対して戦争を仕掛けた」という説がありますが、実はアメリカは、ヨーロッパ列強の植民地支配や帝国主義を支援していた事はありません。 例えば、戦後オランダがインドネシアを去ったのは、アメ…

クレムリンの影が見え隠れする、トランプ氏の外交アドバヴァイザー達

ドナルド・トランプ氏の軍事戦略の知識をどこから得ているかについて、昨年トランプ氏は『ミート・ザ・プレス』での質問に答える形で、「テレビです」と答えています。 先月、『モーニング・ジョー』に出演した際の「外交政策について誰に相談をしているか」…

アメリカから見た第二次世界大戦 (1)

最近は、第二次世界大戦を昭和天皇、226事件、陸軍穏健派から見て参りました。 再び日本から見た視点に戻る前に、視点を変えてアメリカから見てみたいと思います。 「アメリカがなぜ日本となったのか」という視点は、考えられているようで見落とされている視…

トランプ氏の掲げる、あまりにも荒唐無稽な『移民政策』

本日、手元に届いた、「トランプ氏を真剣に受け止めた場合」という特集記事を掲載したコメンタリー誌が届きましたので、それを参考にして、「トランプ氏の掲げる公約を真剣に受け取る場合、何が期待されるか」という視点で、『メキシコとの国境沿いの壁建設…

オバマの謝罪がもたらすもの

日本側の意見として、「70年前の原爆投下に関して、何とか米国大統領からの謝罪を受けたい」、「日本こそ被害者である」という感情論がありますが、オバマ大統領の広島訪問の予定を受けて、保守派メディアや世論は、「広島や長崎の被害者に対して哀悼の意を…

フーバー回想録---『Freedom Betrayed』とマッカーサーの「歴史観」

第二次世界大戦当時のアメリカの政策に対する批判の声が、アメリカ側にも無いわけではありません。特に有名なのは、歴史家のチャールズ・ビヤードやハーバート・フーバー元大統領ら「Isolationist (一国平和主義)」などによる反ルーズベルト大統領を掲げる方…

オバマ広島訪問に期待する、非現実的な『核の無い世界』

ケリー国務長官の広島訪問を受けて、オバマ大統領の広島訪問が取り沙汰され、70年前の原爆投下への謝罪を期待する声が、多くあるようです。 オバマ大統領の広島訪問、及び、謝罪をもって、『核の無い世界』への第一歩だとする考えには、私は強く反対致します…

国破れて頑迷あり 中西氏への反論 ②

『今回の日韓合意に際しては、北朝鮮の核実験とミサイル発射が迫っているというタイミングでアメリカから日韓双方に対し合意への圧力があった以上、安倍首相は安全保障を優先して慰安婦問題で大幅譲歩したのはやむを得ない、正しい選択だった、とする保守派…

「さらば理性、もはやこれまで」 中西氏への反論 ①

中西輝政氏の「さらば安倍晋三、もはやこれまで」の記事を、いくつかに分けて引用させて頂いた上で、見解の違いを述べたいと思います。 --- 『実際、「安倍談話」と「日韓慰安婦合意」は、歴史観をめぐるこの数十年にわたる日本の保守陣営の戦いにおいて、ま…

日米同盟の見直しを語るドナルド・トランプ

共和党指名選挙のトップ候補者であるドナルド・トランプ氏の「外交政策の概要」らしきものが、ニューヨーク・タイムズの電話インタビューで明らかになりました。 http://www.nytimes.com/2016/03/27/us/politics/donald-trump-transcript.html?_r=0 ------ …

『貿易戦争』を掲げるドナルド・トランプの無知  Washington Post 紙記事より

左翼の『リベラル・メディア』として知られたワシントン・ポスト紙が、トランプ氏の掲げる日本との『貿易戦争』などは、「現実を反映させていない」と、逆に日本の立場の弁護をしています。 以下、ワシントン・ポストの記事より、 ドナルド・トランプが2016…

ドナルド・トランプの『災害的アジア政策』 The Diplomatの記事より

ドナルド・トランプ氏のアジア政策を批判したディプロマット誌の記事をご紹介します。 Donald Trump’s Asia Policy Would be a Disaster | The Diplomat 勿論、細部に渡る点まで、完全に同意できる訳ではありません。例えば、米軍基地の日本からの撤退後、す…

『ヒラリー・クリントン大統領』と『ドナルド・トランプ大統領』...どちらが日本にとってより悪い結果をもたらすか (2)

ヒラリー・クリントンは、恐らくアメリカの政治史上最も腐敗している政治家です。 ベンガジ事件やe-mailのプライベート・サーバー使用などを考えれば、有能からは程遠く、その他の限りない不正や腐敗のスキャンダルのリストを鑑みて、法を重んじる保守派のア…

混乱を極める共和党指名選挙-----マルコ・ルビオ議員の撤退

元外科医で今月はじめ、選挙戦から撤退したベン・カーソン氏のトランプ氏支持表明は、カーソン氏の元支持者の信頼を裏切ったようで、トランプ氏支持の決断を批判するコメントが多数書かれています。 カーソン氏がニュース・マックス誌のスティーブ・マルツバ…

米国内テロ組織『ブラック・ライブズ・マター』と黒人の貧困

今日のアメリカは、『ブラック・ライブズ・マター』や、その支持者たちが、警察や白人への襲撃、虐殺を公言できる社会に変わってしまったようです。 9月2日、フロリダ州アベリーンの警察官ドン・アレン巡査が自宅で遺体となっているところを家族によって発見…

アフガニスタンの幼児性的虐待と米兵のジレンマ

以下、ニューヨーク・タイムズ記事抜粋 ---------- カブール、アフガニスタン...... グレゴリー・バックリーが家にかけた最後の電話で、彼は父親に彼を悩ませている件について話しを始めた。南アフガニスタンに駐屯している彼の部隊から、彼はアフガニスタン…

モガディシュの戦い

いくつかに分けて書いた、1994年のルワンダの虐殺・民族浄化ですが、たった100日間の内に約80万人から120万人とも言われるツチ 族と穏健派フツ族が虐殺された理由には、虐殺を止める勢力が存在しなかった事が挙げられます。具体的にはアメリカが軍事介入をせ…

ルワンダの虐殺・民族浄化-----アメリカの無い世界にようこそ (3)

ルワンダに残ったアメリカ人活動家、カール・ウィルキンソンは、アメリカ政府の全員よりも多くのルワンダ人を救ったでしょう。彼は、虐殺を行なっている50人程の過激派武装集団が、働いている孤児院を取り囲んでいるのに気付きました。 「彼ら武装集団は、…

『ヒラリー・クリントン大統領』と『ドナルド・トランプ大統領』...どちらが日本にとってより悪い結果をもたらすか

『ヒラリー・クリントン大統領』と『ドナルド・トランプ大統領』の比較をワルシャワ大学教授のアンジェイ•コズロウスキー博士が分析されています。 以下は、コズロウスキー博士の書かれたものの和訳です。 ....... ヒラリー・クリントン元国務長官が大統領と…

ルワンダの虐殺・民族浄化-----アメリカの無い世界にようこそ (2)

1994年に起きたルワンダの虐殺・民族浄化の被害の大きさが、国連という組織の無能ぶりを露わにしている事を既に書きました。 カ ナダに帰国後、PTSDを患い、自殺を図ったところ、公園のベンチにこん睡状態で発見された国連PKOのダレール将軍は、虐殺が行なわ…

アメリカ地方都市と慰安婦像設置運動 (4)

アメリカにおける慰安婦像設置運動が、韓国系市民と日系市民との間に諍いをもたらしている事は否めない。ただ、民族間の争いをアメリカにまで持ち込むことに対する反感は、アメリカ人の中にある普遍的価値観である。 そうでなければ、インド系とパキスタン系…

アメリカ地方都市と慰安婦像設置運動 (3)

クリス・クリスティーは、2016年の大統領予備選に共和党から立候補をしていたが、支持が集まらず、選挙から降りて、不動産王のドナルド・トランプ氏への支持へと乗り換えた。彼がトランプ氏支持へと乗り換えた背景には、同じ票田から支持を集めている、自分…

アメリカ地方都市と慰安婦像設置運動 (2)

さて、グレンデール市に慰安婦像が設置された当時の市議のうちの二人、ザレア・シニャイナンとローラ・フリードマンを見てみよう。 ザレア・シナイニャンはアルメニア系アメリカ人である。この慰安婦像設置運動が韓国人団体の言う「女性の権利」や「人権」の…

日米の政治事情  保守派が保守派でなくなる時

私はアメリカの政治事情や日本の諸事情に関して、日米両国の人々と、議論をする事がしばしばあります。 最近は、大統領選、また党の指名選において、トランプキンやトランボットと揶揄される、ドナルド・トランプ氏のサポーターの方々と議論を交わしています…

オバマ大統領、グアンタナモ収容所閉鎖についての記者会見

オバマ大統領は火曜日、テロリストが収容されているキューバの米海軍基地内のグアンタナモ収容所を閉鎖する計画を、4つのプランを説明しながら記者会見しました。この計画は2008年のオバマ大統領当選翌日から主張されていたオバマ大統領の政策です。 4つのプ…

アメリカ犯罪事情

元、ニューヨークの警察官で、“Blue Blood” (2004)と、小説 “Red on Red” (2012)の著者であるエドワード・コンロン氏がウォール・ストリート・ジャーナル紙に書いた記事です。 The Racial Reality of Policing - WSJ www.wsj.com 私は警察とは無関係な立場で…