混乱を極める共和党指名選挙-----マルコ・ルビオ議員の撤退

元外科医で今月はじめ、選挙戦から撤退したベン・カーソン氏のトランプ氏支持表明は、カーソン氏の元支持者の信頼を裏切ったようで、トランプ氏支持の決断を批判するコメントが多数書かれています。

カーソン氏がニュース・マックス誌のスティーブ・マルツバーグ記者に語ったインビューによれば、トランプ氏支持はカーソン氏にとっても困難な決断だったようです。

祈りに祈ったあとの決断だったと語っていますが、その決断の決め手となったのは、トランプ氏が大統領に当選した暁に発足する『トランプ政権』内でのカーソン氏のポストの確保であったと答えています。

同時に、トランプ氏支持をしなくても良いなら、それに越したことはないとも述べられていますが、祈りによって導かれた聖なる決断なのか、トランプ政権内のポスト確保という甘言に導かれた腐敗した決断なのか、カーソン氏は曖昧にされました。

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ところが一夜明けた17日になると、カーソン氏は「トランプ政権でのポストについての話は出なかった」と、前日までの発言を撤回しています。カーソン氏に言わせると、「(トランプ氏の翻る発言を指して)二人のドナルド・トランプ氏がいる」そうですので、カーソンご氏自身も二人に増殖されたのかもしれません。

Carson Backtracks: Trump and I ‘Did Not Discuss Any Quid Pro Quo’ for My Endorsement | Mediaite

 

フロリダ州とオハイオ州での選挙が昨日開票されましたが、マルコ・ルビオ議員は、「開票結果によらず選挙戦から降りることはない」と宣言をされていたものの、ドナルド・トランプ氏の勝利を受けて、選挙戦から撤退することを表明しました。

 

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トランプ氏の当選を避けるため、ルビオ議員の地元であるフロリダ州では、ケイシック州知事は選挙活動を控え、かわりにルビオ議員に投票をするように支持者にする芽、ケイシック州知事のオハイオ州では、ルビオ議員は選挙活動を控え、ケイシックに投票をするように薦めてきました。

これは、トランプ氏の選挙人獲得率を50%以下に抑え、ブローカード・コンヴェンションに持ち込み、正式な共和党選挙人による投票の選挙を期待をしているからだと言われています。(*アメリカの選挙の仕組みについては、『アメリカ大統領選挙、これからの流れ3月8日』をご一読ください。)

トランプ支持を掲げる多くの保守派アメリカ人は、このブローカード・コンヴェンションによる選挙のやり直しにアメリカの将来をかけていると言って良いでしょう。

 

ところがブローカード・コンヴェンションとなれば、トランプ氏だけではなく、共和党議員に対して批判の多かったテッド・クルーズ議員も不利になる為、クルーズ議員はフロリダ州とオハイオ州での選挙活動をさらに活性化させ、ルビオ議員とケイシック・オハイオ州知事の撤退を促していた事がわかっています。

 

倫理観と原則を重んじる真の保守派であるマルコ・ルビオ議員の撤退を、ナショナル・レヴュー誌は「最悪のタイミングで現れた、最適の人物」と惜しんでいます。

 

 

一方、フロリダ州でのプライマリーで勝利した民主党のヒラリー・クリントン元国務長官は、今朝、テレビ番組に出演し、「北アフリカでの政策で、一人のアメリカ人の命も失ないませんでした」と、リビアのベンガジで4人のアメリカ人が亡くなったことをすっかり無視した発言を行ない、反発を招いています。

 

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