プーチン・ロシア

アサド政権による自国民への化学兵器使用と『アメリカ・ファースト』

4月4日火曜日、シリアのアサド政権が、反政府派の拠点の一つとなっているイドリブ地方を化学兵器を用いた爆弾攻撃により、子供や、まだオシメを履いている赤ん坊を含む市民少なくとも70人を殺害した。 Chemical Attack in Syria Puts Focus on Trump Policy …

ロシア: 民主活動家アレクセイ・ナヴァルニィー逮捕に見る、独裁者プーチンの焦り

ロシア政府内の腐敗を暴露し、『プーチンが最も恐れる男』と呼ばれ、ロシア民主化運動の指導的立場である弁護士のアレクセイ・ナヴァルニィが逮捕された。彼が主催した「反腐敗デモ」はロシア連邦内の90カ所以上の都市に広まり、各地では何千人もの人々が集…

ボリス・ネムツォフ故ロシア副首相の死を悼むロシア国民の無言の抵抗

ロシアの副首相ボリス・ネムツォフが、深夜12時近く、モスクワのボリショイ・モスクワレツキー橋を渡っている最中、背後からの銃撃による4弾発を頭や胴体に受けその場で即死したのは2年前の2015年2月27日の事である。プーチンによる恐怖政治や同僚への迫害を…

ロシア工作員が笛を吹き、保守派が躍る---スタニスラフ・レフチェンコの証言(2)

昨今の一部保守派に見られるプーチン・ロシアへの期待感や親近感は、ヴラジミール・プーチンという独裁者の醸し出すイメージに操作されているだけで、ロシアの実態を無視した非論理的な感情論である。 ロシアは、近代化された中国の軍に対して立ち向かえるよ…

スタニスラフ・レフチェンコの証言---KGB・日本活動の実情

1979年米国に亡命した後、1982年には米国議会で日本におけるKGBのスパイ活動を暴露したスタニスラフ・レフチェンコの書いた「On The Wrong Side」を読んでいる。 レフチェンコはアメリカに亡命した後、ロシア国内での死刑判決を受けているが、KGBが彼の米国…

日本の右派が抱える危機(2) 各国の極右ナショナリストに近づくプーチン・ロシア

さて、『日本の保守派が抱える危機(1)』の冒頭にあげたジョシュア・ブレイクニー氏は、ホロコーストを否定しているだけではなく、9・11テロをアメリカによる自作自演と主張されている。典型的な『陰謀論者』である。それだけではない。彼は、旧ゾヴィエト時…

日本の右派が抱える危機(1) ホロコースト否定論者と南京否定論者

二年前、私は独自のラジオ番組を持つジョシュア・ブレイクニーというジャーナリストから、フェイスブックの機能を通してメッセージを頂いた。 「こんにちは。私はカナダ在住のイギリス人ジャーナリストです。私は自分のラジオ番組を持っていて、あなたをゲス…

アレッポに聞く、ロシアは約束を守るか

プーチン大統領の訪日を機に、ロシアが果たして信頼に値するか、交渉での取り決めを守るかの議論がなされているようだ。今日も北方領土問題が解決しないのは、アメリカの責任であるという声も何故かある。 「ロシア国民の多くが北方領土返還に反対している中…

ヒラリーよりもプーチンへの好感度を増す共和党支持者---WSJ

ウクライナ不法占拠から始まって、シリアへのロシア軍派遣、アメリカ大統領選挙に影響を与える事を目的とした、民主党と共和党への大胆なハッキング、シリア・アレッポにおける連日連夜に渡った大規模な空爆による一般市民への虐殺などを考えれば、2012年、…

東アレッポの陥落

アサド大統領の下、シリア政府軍による反政府軍拠点『東アレッポ』への包囲戦は、アレッポの陥落と、今も続く市民への虐殺で終局を迎えたようだ。 以下はナショナル・レビュー誌の報道である。 Russia Wins Again -- Aleppo Falls | National Review -------…

「日本 死ね」は、テロではない

先日、「なぜ日本は海外メディアに誤解されて報道されるのか」といった趣旨の記事を見かけた。この記事は、海外の日本に関する報道の基本に、日本に対する人種差別があると示唆していたが、全て単純に人種差別、戦前から今に続く日本に対する敵視などに原因…

ロシアによるハッキングと、レックス・ティラーソン(エクソン会長)国務長官登用への懸念

2012年の大統領討論に於いて、当時二期目の当選を狙うオバマ大統領は、共和党からの対候補者であるミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事の「ロシアはアメリカの安全保障に対する一番の脅威である」と主張した事に対し、「80年代の政策だ」とあざ嗤った…

シリア、アレッポ市民を襲う連日の空爆と化学兵器

化学兵器ウォッチドッグの加盟国は、シリア政府による、自国民に対する化学兵器の使用とその実態への説明をシリアが滞っている事を批判した。 オランダに駐在しているオーストラリアのブレット・メイソン大使は、ハーグでの会議で、シリアによる化学兵器を使…

ロシア、アメリカ、日本のナショナリストの抱える危険

現在のロシアにあるのは、共産主義というイデオロギーではなく、プーチン大統領を筆頭にしたマフィア集団に政権を牛耳られたロシア・ナショナリズムです。これを要約すれば「すべて周りの国々は我々に対抗している。我々は敵によって周りを囲まれている。我…

日曜未明、あるジャーナリストの不審死と、先を行く205人のジャーナリストの死

日曜未明、ウクライナ首都キエフで、反プーチンを掲げるジャーナリストのアレクサンドル・シュチェティニンが自宅アパートのバルコニーで、頭に銃弾を受け椅子に座って死亡しているのを、シュチェティニンの誕生日祝いに駆け付けた従兄弟によって発見されま…

プーチン大統領は北方領土を返還する意思があるか

プーチン政権下のロシアとの間に、北方領土返還に向けた交渉が進められ、平和条約の締結が実現するでしょうか。 まず、以下は北方領土問題の日露の主張の違いや平行線について書かれた「フォート・ロス」の英語版記事の訳です。 Putin on Kuril Islands: "We…

プーチン政権下、暗殺されるジャーナリスト達

アンナ・ポリトコフスカヤは、チェチェンにおけるロシアの人権侵害について暴露する多くの本を書き、その中でプーチン大統領を独裁者であると批判しています。彼女はモスクワの自宅アパートメントのエレベーターで何者かに銃で撃たれ、殺されました。 The Pu…

プーチンを権力の座につけた未解決犯罪 ③ 

トレパシキンは、2000年9月にFSBの長であるヴィクトル・ザカロフが表明した、「我々は彼ら一味を把握している。このテロ行為を企て、実行したのはチェチェンではフォックスというニックネームで呼ばれているゴチャエフだ。彼こそがテロ実行犯らを指導したの…

プーチンを権力の座につけた未解決犯罪 ②

2002年には、委員会のメンバーは無関心の波に直面するようになった。第二次チェチェン戦争は成功を収め、経済は成長し始めたのだ。プーチンの人気は今まで以上に増した。それでも委員会が本格的調査を始めた直後、アパートメント爆破テロの不信さを思い起こ…

プーチンを権力の座につけた未解決犯罪 ①

米国民主党のシステムへのハッキングや、ウィキリークスを利用しての情報流出、ドナルド・トランプ氏へのあからさまな支持から、プーチン大統領について更に学ぶ機会を得ました。その中で、プーチン大統領に関して得た一部知識を語る事は、私に与えられた道…

プーチンのプロパガンダ組織『ウィキリークス』と米大統領選工作

ジョン・シンドラー氏は、安全保障の専門家、また国家安全保障局のアナリストであり、反諜報活動、スパイ、テロリズムの専門家です。また海軍将校、軍事大学の教授でもあり、4つの著書を書いています。 彼が数日前、ウィキリークスによる民主党のe-mail流出…

ロシアによる米大統領選挙工作とトランプ支援

米国民主党全国委員会のコンピューター・サーバーがハッキングされ、民主党本部によるバーニー・サンダース議員への意図的なサボタージュを示す2万通のe-mailがウィキリークスによって報じられました。この事件の責任を取り、民主党全国委員会の委員長である…