シリア、アレッポ市民を襲う連日の空爆と化学兵器
化学兵器ウォッチドッグの加盟国は、シリア政府による、
オランダに駐在しているオーストラリアのブレット・
国連と化学兵器使用禁止委員会の共同捜査は、今年、
政府軍による塩素ガスの攻撃の後、治療を受ける人々
一方シリア側は、月曜日に行なわれた毎年恒例の、『
Syria Attacks Chemical Weapons Allegations as 'Campaign of Lies'
100歩譲って、これらの化学兵器による一般市民への攻撃を政府軍が行なっていないとしても、連日連夜の空爆で、アレッポに残ったすべての病院を破壊し、治療無くしては生存できない人々への医療サービスの供給の道を絶った責任は、シリア政府と、共に空爆をしているロシアが負うべきだ。
East Aleppo’s last hospital destroyed by airstrikes | World news | The Guardian
オバマ大統領が、内戦の続いているシリア・アサド政権に対し、「
ところがアサド政権は、同年12月には、
Timeline of Syrian Chemical Weapons Activity, 2012-2016 | Arms Control Association
しかしながら、「イラク戦争を終結させたこと」
この時アメリカは、
以来ロシアは、同盟国としてのアサド政権を支持し、
ロシアに次いで空爆を行なっているのはトルコであるが、
アメリカが主導となる連合軍による251回の空爆では、そのうち249回、99.2%がISISを攻撃対象としている。残りの3回、0.8%はJFS(アル・ヌスラ)が対象となった。
実に、シリアで行なわれた空爆4286回の内、ロシアによる空爆が78.3%を占め、トルコは15.7%、連合によるものは6%しかない。これらの空爆の77.4%は、反政府派が標的であり、ISISが標的となっている者は全体の約二割、19.8%でしかない。
ロシアがISISを制圧する為にシリアの内戦に介入をしているというのは事実に基づかないし、シリア、アサド政権との緊密な同盟関係を考えれば、ISISを制圧して反政府派の攻撃対象がアサド政権に集中する事をロシアが援助する筈がない。ロシアはシリアに対空ミサイルのシステムを設置したが、ISISはミサイルなど所持していない。これは明らかに(トルコや)米国などの西側連合側を狙ったものである。
US: Russia ships new anti-missile system into Syria - CNNPolitics.com
またロシアは、シリアの空域に他国機の飛行を禁止する『ノー・フライ・ゾーン(
There Is a No-Fly Zone in Syria—One Russia Created | | Observer
ロシア戦闘機はシリア戦闘機と共に、
恐らく、短期的な目標とすれば、ウクライナ不法占拠によって発動された制裁の解除を望んでいるのではないだろうか。メルケル・ドイツ首相の主導した政策によって大量のイスラム教徒の難民を受け入れたヨーロッパでは、反動的な排他的ナショナリズムが高まり、リベラル政治に対峙するナショナリストとしてプーチンを慕うヨーロッパ人が増えている。フランスなどでも、力を増している政党は全て親プーチン派であって、「どの政党が勝利してもプーチンが勝ったのと同じだ」と言われるほどだ。
Vladimir Putin Is Winning the French Election - Bloomberg View
シリアの反政府派活動家によれば、
ロシアの防衛相は、月曜、シリア政府軍が今回の空爆で、
アレッポに住む或る男性は、「私達は4年間、生き続けてきた。私たちは、誰かが助けに来てくれることを、ずっと待っていた。昨晩、娘が死んでしまった。もう助けはいらない」と語っていた。
母親と共にツイッターによってアレッポの様子を伝えてきたバナ・アラベッドという7歳の少女は、昨晩の政府軍による空爆で、ついに家を失なってしまったようだ。勿論食料もない。
政府軍による空爆後のバナ・アラベッドちゃん
抵抗を続ける反政府軍による籠城がなくても、これら市民は自由にはなれない。一般市民がアレッポから逃れようとしても、政府軍が全ての道路を封鎖しているからだ。アレッポから逃れようとする人々は、一般市民であっても拘束され、投獄される可能性が高い。
オバマ大統領は、全ての失政から手を洗い、トランプ次期大統領は、「ISISの問題は、ロシアのプーチン大統領に任せれば良い」と発言している。またある時は、アレッポの状況の酷さを語りつつも、アメリカのスラム街の方が治安が悪いと自説を唱えている。
アメリカが「自国の利益の為」、「軍事産業に利潤を齎し」、「世界の警察官を気取る為」、そのような動機でも良いから、なんとか軍事介入をして欲しい。メディアや国民の半数は反対するだろう。議会も反対するだろう。それでも何とか、この悲劇を終わらせる正義感、使命感を奮い立たせて欲しい。
日本の素晴らしさを世界に知らしめようと活動している方々は、是非、遠いシリアの地、アレッポに住む人々を忘れないでほしい。彼らの悲劇は、アメリカが起こしたものではなく、シリア政権、ロシア政権によって起こされ、アメリカが介入しない為に深刻化しているのだ。
私は、一国の偉大さを図るものは、全く何もしない傍観者によって痛くない腹を探られるような思いをしても、これらの地で苦しむ人々を救い出そうとする使命感であると信じている。