911テロ首謀者による「新たなテロの波を防いだジョージ・W・ブッシュ」

ローン・ウルフ型のテロが急増する中、911テロ後にアルカイダのトップ首謀者、カハリド・シーク・モハメッドを尋問していたジェームズ・E ・ミッチェル氏の回顧録が出版された。その中で、911テロ後に、更に新たなテロ攻撃を多発させようとしていたアルカイダを止めたのが、ジョージ・W・ブッシュ大統領の政策であったとするカハリド・シーク・モハメッドの言葉が記されている。

ブッシュ前大統領はメディアや反対者によっても非難されるばかりである。ブッシュ前大統領の失政の為に中東問題が混迷し、テロが発生していると言わんばかりの非難が、オバマ大統領ばかりかトランプ次期大統領からも出ている。

 

多くの人々は、イラクから大量破壊兵器は発見されなかった*と信じているし、「ブッシュ・ライド、ピープル・ダイド(ブッシュが嘘をつき、人々が死んだ)」と繰り返されるが、果たしてその批判に理はあるのだろうか。

(*実際にはニューヨーク・タイムズ紙でさえ、2014年『大量破壊兵器による隠された犠牲者』というスクープ記事を発表し、大量破壊兵器が発見されていた事を認めている。遺棄された大量破壊兵器のために処分に当たってた米兵に被害が発生していた事は多くの関係者が証言している。またISIS が使用している化学兵器がイラクの遺棄したものであることは容易に理解できる。)

http://www.nytimes.com/interactive/2014/10/14/world/middleeast/us-casualties-of-iraq-chemical-weapons.html?_r=0

 

http://hkennedy.hatenablog.com/entry/2016/02/18/053536

 

以下に『フェデラリスト』の記事をご紹介する。

Top Terrorist: George W. Bush Stopped Us From Attacking Again After 9/11

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3,000人近くのアメリカ人を殺害した911テロの背後の立案者は、ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)の粘り強さが、当時アルカイダによる新たな攻撃の波を防いだことを語っている。

CIAがブッシュ大統領(当時)の下、採用していた、テロリストたちから情報を収集する尋問のテクニックを高めたジェームズ・E ・ミッチェルが、自身の回顧録の中で、911テロの首謀者カハリド・シーク・モハメッドと交わした会話を記した。

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『強化された尋問:アメリカを滅ぼそうとするイスラム教テロリストの頭の中と動機』という回顧録は、尋問強化テクニック・プログラムへの第一次記録を提供している。ミッチェルは読者を、彼が個人的にEIT(尋問強化テクニック ) を適用した、アメリカ国外にある秘密軍事施設とテロリスト、テロ容疑者の細胞組織へと導いてくれる。

ワシントン・ポストのマーク・シーセンは、ミッチェルの著書に、911テロの責任者を徹底的に探しだそうとするブッシュの決断が、テロ組織を震え上がらせ、新たな大規模な攻撃を仕掛ける事を思いとどまらせた様子が書かれていると書評に述べた。

私たちを引き込むつもりはなく、カハリド・シーク・モハメッドは、アルカイダが、911後のアメリカの反応を、1983年のベイルート米海軍バラックへの爆破事件の時と同様に、尻尾を見せて逃げるだけだと考えていた事を語った。

「すると彼は私の目を見て言った。『カウボーイのジョージ・ブッシュが、我々の生死のいかんに依らず我々を捕まえると宣言するなんて、どうして予測出来ただろう。』 ミッチェルは記している。「カハリド・シーク・モハメッドの説明によれば、もしアメリカが911をただの犯罪の一つとして対応していたならば、第二の攻撃の波を開始する時間があったようだ。アルカイダがそうできなかったのは、ジョージ・W・ブッシュ大統領の頑迷な決意と素早い対応にアルカイダが尻込みした事による。

シーセンの書評によれば、カハリド・シーク・モハメッドは、ジハード同調者がアメリカに移民をし、アメリカ人が疲れ果て、降参をするまで、小さな規模の攻撃を続けるだろうと語ったそうだ。

カハリド・シーク・モハメッドに言わせれば、911のような大規模な攻撃は「良いが、必要ではない。」継続的な単純な技術の攻撃が続けば、いくつかの病気に感染をしているノミによって象が倒されるのと同じ論理で、アメリカを崩壊できるとしている。彼によれば、『ジハードの思いを共有する兄弟たち’がアメリカに移住し、アメリカの法と権利を身に纏いながら充分な力を養い、台頭し、我々を攻撃するらしい。

「彼は、兄弟たちは彼らの攻撃を休む事なく続け、アメリカ人はいずれ、疲労し、恐怖に慄き、戦いに嫌気がさし、戦いを放棄するだろう。いずれアメリカは殺戮される為に我々に首を差し出すだろう。」

ジハード同調者や自称ISIS戦士によるローン・ウルフ型のテロ攻撃の数が急上昇している事からも、カハリド・シーク・モハメッドの言葉は殆ど予言的であるとさえ言える。

カハリド・シーク・モハメッドの言葉は続く、「アメリカは彼らとは宗教戦争を行なってはいないだろうが、真のイスラム教徒はアメリカとの宗教戦争の最中なのだ。全世界の人間がシャリア法の支配下に置かれるまで、われら兄弟たちによる戦いは止むことが無い。」