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アメリカ地方都市と慰安婦像設置運動 (4)

アメリカにおける慰安婦像設置運動が、韓国系市民と日系市民との間に諍いをもたらしている事は否めない。ただ、民族間の争いをアメリカにまで持ち込むことに対する反感は、アメリカ人の中にある普遍的価値観である。

そうでなければ、インド系とパキスタン系、北アイルランドと英国系、中東の様々な民族の集まるアメリカで、どうやってアメリカ人として共存できるだろうか。

 

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もともとの故郷では敵対していたとしても、アメリカに移住するからには、そうした政治的な対立を超えて一致団結していくのがアメリカの伝統である。

 

こういった運動に加担するアメリカ人に保守派は殆どいない。保守派のアメリカ人は、イデオロギー的な争いや過去の『可哀想な人権問題』に囚われるよりも、現実の問題に対して声をあげる。

 

前述したように、全米で一番初めに慰安婦像が設置されたグレンデール市の当時の市長ディブ・ウィーバーは、市長として最後まで慰安婦像設置に反対していた。彼は退役軍人で、共和党議員であるが、イデオロギーの思想があって市議員になったのではない。多くの保守派政治家と同じく、地元に対する愛着から市政にかかわって来たのだ。まさに家庭と国を愛する典型的アメリカ人と言えよう。

 

    

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ところが彼は最近まで、セクシャルハラスメント防止トレーニングに通う事を命じられており、事の次第をLAタイムズのブリタニー・ラヴィン記者にスキャンダラスに書き立てられた。

 

Glendale councilman to pay $2,000, write apology in alleged groping - LA Times

 

ウィーバー市長が慰安婦像設置に反対票を投じた後、フィリピン系の友人、ロリッタ・ゴンザルヴェズから一本の電話を受けた。ウィーバー市長夫人がフィリピン系女性であるためか、以前、ガンザルヴェズから事業に関する相談を以前受けた事のあるウィーバー市長は、一年ぶりにメキシカンレストランで日中会う事を承諾する。

 

彼が待ち合わせのレストランに行ってみると、電話でのフレンドリーな態度とは打って変わって、ゴンザルヴェズは傲慢な態度を取り、ウィーバーの友人を悪く言い立てた。嫌気がさした彼は「もう話はいいから帰ってくれ」と顔を背けて彼女を片手で押した。ウィーバーの記憶によれば、彼はゴンザルヴェズの肩に触っただけだが、ゴンザルヴェズは胸に触れられたと主張して、警察に被害届を出した。

 

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警察は、事が起こったのが人気の多いレストラン内である事、実際にウィーバーが顔を背けていた事などを考慮して、その訴えの受理をしなかったが、ゴンザルヴェズは彼を民事裁判に訴えた。両者の間に和解が成立し、ウィーバーは彼女に和解金2千ドルを支払い謝罪をした。

 

ところがその後ゴンザルヴェズは、和解が成立したにもかかわらず、彼を郡の裁判所に再度100万ドルの慰謝料を求める訴えを起こした。「お金の問題ではなく、女性の尊厳の問題」であるらしい。これを受けてこの一件はグレンデール市議会にかけられ、ウィーバーは市議たち一人ひとりから詰問を受けることになった。

Courthouse News Service

 

ゴンザルヴェズが郡の裁判所に訴えを提出した後に、LAタイムズのブリタニー・ラヴィン記者は、ウィーバーの道徳観を疑問視する記事を書いた。ラヴィン記者は、慰安婦問題で日本批判の記事を書き続けてきた記者である。記事だけを読めば、「セクシャル=ハラスメントを平気で行うような人物だから、女性の人権の大切さを訴える慰安婦像設置に反対をしたのだ」と考えてしまうだろう。

 

だがラヴィン記者は、もともとゴンザルヴェズには詐欺歴があったこと、100万ドルの負債を抱えている事は書かなかった。

 

勿論、ウィーバー元市長を襲った災難と慰安婦像設置反対との関わりがあるとは一概に言えないが、内部関係者によれば、タイミング的に考えて、その可能性を疑う声が上がっていた。

 

この慰安婦像設置運動が、女性の権利向上運動や人権運動などではない事は、メトロ=デトロイトの韓国人グループが、自らのウエブサイトで「これは政治問題である」と認めている。どのような「政治問題」なのか。

Dedication of the Comfort Women Monument in Southfield, MI - Metro Detroit Korean Meetup Group (Oak Park, MI) - Meetup

 

目的達成のためには、歴史の真実や国家の同盟など関係ないのだろうか。

 

 

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米国内で反日運動がここまで広まってしまった背景には何があるだろう。

勿論、これが一般のアメリカ人の知らないところで起こっている事は否めない。グレンデールに慰安婦像が建ち、式典が行われても、参加をするのは殆ど韓国系市民か関係者である。これは一般のアメリカ人の関心を呼ぶものではない。

 

沖縄の宮古島の慰安婦碑設置の非を私達一般の日本人が負うべきでないように、アメリカの地方都市に慰安婦像が設置をされたからと言って、一般のアメリカ人やその設置に反対をしたアメリカ人を責める事は間違っている。

 

たとえ、一般のアメリカ人の慰安婦問題に対する知識がなく、或いは韓国や中国の主張する通りの説を受け入れているように見えてもだ。彼らは積極的にこの問題を煽動しようとしている勢力ではない。

 

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それよりも、この問題を利用し、対立を煽動しようとしている勢力が何であるか知り、彼らの目的が何であるかを見極める事が何であるかが必要だろう。これらの勢力の目的は、「日本の名誉(をけがす)」云々ではなく、その先があるに違いないからだ。

 

先にも述べたが、アメリカに於ける世界抗日連合の反日活動の目的は「日本に対する中国と米国の同盟の歴史を人々に思い出させる事だという。日本がアメリカと中国の共通の敵であると主張し、アメリカの世論を日本に冷淡になるように仕向けたいらしい。

 

そしてこのような勢力は、アメリカの地方都市でも、政治腐敗の進んだ左翼都市を狙って活動しているように思える。

 

慰安婦問題に関する日韓の政府間で同意が結ばれた事を、軍事費の支出を抑えたいアメリカのオバマ政権は歓迎した。これからのアメリカの地方都市で慰安婦像設置の運動が起こっても、もはや自治体からの熱心な支援は得られそうにない。少なくとも今だ解決をしていない問題として、一般から同情を集める事はないと思われる。

 

慰安婦像設置運動の熱狂が覚めた時には、米国を挟んだ反日運動の目的を冷静に見据え、その対策に取り組むべきだろう。

 

 

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