ISISより酷い中韓のテロ活動?
或る著名な方のフェイスブックのタイムラインが随分シェアをされていて目に付いたのですが、人気のあるブログをなさっている方ですので、良いものをお書きになっていらっしゃるのだとも思いますが、事実誤認が甚だしく思えましたので、いくつかの点だけここで指摘させて頂きたいと思いました。
まず、その方は今回の日韓の合意に於けるアメリカの仲介を指して、アメリカの外交下手を説かれたのですが、アメリカが外交下手かどうかはともかく、「米国が介入すると、必ず地域紛争が激化する」と仰っていますが、これは間違っています。
アメリカは、「地域紛争が激化する」、或いは「テロとして広がる恐れがある」と思われる場合に軍事介入をする場合がありますが、史上最大規模の民族浄化や虐殺にアメリカは介入しておらず、介入していないからこそ、こうした悲劇が止められず、激化してしまった事実があります。
最近のISISのテロの頻発も、アメリカのオバマ政権の『早期撤退』と『不介入』が原因の一つですが、勿論、一番の原因はイスラム教過激派の教えにあります。
またその方は「世界ではISのテロが話題になっていますが、実は、日本国内における支那、韓国のテロ活動のほうが、実はもっと深刻といえます。」と書かれています。
9月のワシントン・ポストの記事によればISISによって殺されたシリア人は1,131人となっています。その後パリでの虐殺によって130人が殺されましたから、この虐殺数と比較して、中国籍や韓国籍の『テロ活動』がどの程度深刻なのでしょう。https://www.washingtonpost.com/world/islamic-state-has-killed-many-syrians-but-assads-forces-have-killed-even-more/2015/09/05/b8150d0c-4d85-11e5-80c2-106ea7fb80d4_story.html (因みにシリアでは、アサド政権の武装民兵によって同時期に7,894人の一般人が殺害されています。)
締めくくりに、「いずれにせよ、今後日本は、世界に冠たる大国として、軍事、経済両面において、世界をリードする国家として育っていかなければなりません。」と書かれていますが、上記のような2つの大きな事実誤解をしたまま、どのように世界をリードできるでしょう?
上記2つのような、特に「ISISのテロよりも日本国内に於ける中国、韓国のテロ活動の方が深刻だ」というような考えは、世界の他のどの国とも共有できない、孤立した認識です。
それでも「反韓国」、「反中国」で、「日本は素晴らしい」と繰り返せば、多くの読者は喜ぶのかと、意地悪くも考えてしまいました。