ジョージ•フロイド氏殺害と、警察による人種差別の有無

ミネアポリス市警察官によってジョージ・ フロイド氏が殺害されたのは、5月25日の事だ。 彼が逮捕をされたきっかけは20ドルのニセ札を使ってタバコを購 入し、店員から20ドル札が偽物である旨を指摘され、 購入したタバコの返還を求められたが、 それを断り続けた事による。フロイド氏が、自分の使用した20ド ル札が偽であった事を認識していたかはわからない。 巧妙に作られた偽札などは素人には判断がつかないだろうし、 店員の記憶によれば、 当時かなりの泥酔状態であったフロイド氏が、 状況判断を正しく出来ていたかは定かではない。

こうして警察が呼ばれ、フロイド氏は店の真向かいの駐車場に、 自分のSUVの運転席に座っているところを発見され、 少しの抵抗の後、逮捕される。検察によれば、 警察の指示に従い車の外に出たフロイド氏は警察の車に誘導される が、「閉所恐怖症」を理由にパトカーに乗る事を拒む。 一旦パトカーの後部座席に別の警察官と座るが、 閉所恐怖症の為に「息ができない」ともみ合いになる。 フロイド氏の殺害に至った警察官が氏を車から引き出し、 フロイド氏は手錠をかけられたまま舗道に倒れこみ、 意識はあるものの、動かなくなる。

ここから幾人かの目撃者がその様子を撮影し始める。 事件の後に第三級殺人(更にその後第二級殺人)を犯したとして逮 捕されたデレック・ショウヴァンはフロイド氏の首に跪き、 別の二人の警察官はそれぞれフロイド氏の胴体と脚を押さえつけて いた。この間にフロイド氏は「息ができない」「死にそうだ」「 お願いだから、息ができない」「首の膝で息ができない」 等と繰り返す。「息が出来るように膝を除けてやってくれ。 抵抗をしていないじゃないか」という傍観者の訴えに対し、4人目 の警察官であるトウ・タオは「(フロイド氏は) 喋っているんだから大丈夫だ。 これだからドラッグなんてするべきじゃないんだ。 しっかり見ておくんだぞ」と答えている。

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あらゆる面から考えて、警察官らのミスによる死亡である。 但しこれが意図的な殺意を持っての殺害であるとは思えない。 特に自分の車に乗っている事は平気であったフロイド氏が、 パトカーには閉所恐怖症が原因で乗り込めないと言う主張を警察官 らは鵜呑みにしただろうか。パトカー内で「息ができない」 と騒ぐフロイド氏を、 現場を取り仕切っていたショウヴァンが車から引きずり降ろしたと ころ、フロイド氏は地面に倒れこんでいる。恐らく、 逃亡を防ぐ為か、 日本の警察でも使う絞め技を使ってフロイド氏を失神させた後パト カーに乗せる為か、 ショウヴァンは膝で以てフロイド氏の首を圧迫する。

フロイド氏の殺害を映したビデオがTwitterなどのソーシャ ルメディアに流れる。 多くの人々がフロイド氏が警察によって首を絞められ、 死亡していく様子に大きな怒りと衝撃を受け、 司法解剖を待たずして、死亡した翌日5月26日にはミネアポリス を始め、全米各地で抗議のデモンストレーションが行なわれる。

因みに、ヘネピン郡監察医による解剖結果は、 警察官による首への圧迫を死因としておらず、 却ってフロイド氏が虚血性心疾患と高血圧性心疾患を患っており、 それらが泥酔状態であった事と併せ、 警察による拘束下の状態で悪化した事を死因としている。 これには大きな反発が起こる。 またフロイド氏の遺族の要望によって為された別の解剖結果には、 フロイド氏が警察による首部や胴体への圧迫が原因となり殺害され たとし、全く別の結果を出している。

フロイド氏の死因が何であったか、 相違する二つの解剖結果がありながら、 これについてどちらがより正しいのか判断する以前に、 全米にデモが発生している。 これはソーシャルメディアによってビデオが流出した事が大きいだ ろう。フロイド氏が死亡するまでの何分かの映像を見て、 警察官による首への圧迫に慄き、 怒りや悲しみを感じない事は恐らく無い。実際、 あの映像を見た多くの警察官や警察幹部ですら、 怒りや悲しみを表明している。フロイド氏の死亡には、 共和党支持者であれ、民主党支持者であれ、黒人、 白人の違いは関係なく、 多くの人々が心から衝撃を受けた事は事実である。 追悼の集会だけでなく抗議のデモンストレーションが起こった事も 、ある意味自然な成り行きだったかもしれない。

ところがこの抗議集会が、極左無政府主義の社会転覆を図る、 暴力団体である「アンティファ」や、 急進的左派の政治グループである「ブラック・ライブズ・マター」 によってハイジャックされ、ミネアポリスだけではなく、 全米各地で略奪や放火、窃盗や殺人を犯し始める。 ナイキやアップル、ルイ・ ヴィトンなどの店舗はガラス窓が破られ、 ほんの数分の間に全ての商品が昼間から盗まれるようになる。 こうした略奪を止めようとした黒人の元警官隊長デイヴィッド・ ドーン(77)は暴徒によって射殺される。

https://en.wikipedia.org/wiki/ Death_of_David_Dorn

アンティファやブラック・ライブズ・マター、 また暴徒らが襲ったのは、高級品店だけではない。 ダウンタウンにある小さな個人商店なども略奪され、盗まれ、 放火された。この被害は何千件にも上る。暴徒らは、 年を取っていようが、女性だろうが、黒人だろうが誰であれ、 自分たちの略奪から店を守ろうとするオーナーらは誰であれ、 建築材木を使ってうち叩いたり、 頭を足蹴りしたりして襲っている。 全くの他人が住む建物に放火し、 消防車が駆け付ける事ができないよう、 数ブロック先の道路を車で塞いで救助活動さえ困難にしている。 この事件については、 警察署長は怒りと悲しみのあまり声を詰まらせ、 記者会見に臨んでいる。 また車に乗ったまま全くの他人に向けて発砲する方式で、5歳の子 供が頭部を撃たれ殺されている。 これについて警察署長は怒りを隠していない。 暴徒による略奪を受けて自分たちが築いてきた店を空にされた黒人 の老女は「何がブラック・ライブズ・マターって言うんだい。 私だって黒人だよ。私の命はどうだって良いって言うのかい? 首でも絞められない限り、私の命はどうでも良いっていうのかい。 ブラック・ライブズ・マターのやつらなんて、 盗んでばっかりいないで、私のように働けば良いんだよ」 と怒りを率直に表している。デトロイトに住む若い黒人の父親は、 今まで無駄にせずに貯めたお金で建て初め、 完成に近かった家を放火されてしまい、涙声で取材に応じている。 別の若い黒人の男性は、 暴動によって地区がすっかり破壊されてしまい、「 これからどこに食料や薬を買い物に行けば良いのか、 何も無くなってしまった」と途方にくれている。 年を取った黒人の女性は「いつも行く薬局が破壊されてしまって、 これからどうしたら良いのかわからない。 バスで買い物に行くにも、バスも止まってしまったのに」 と泣いて訴えている。

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こうした個人の訴えはどうでも良いとでも言うかのように、 デモ隊はフロイド氏の殺害のみに集中し、 大勢の白人が黒人に赦しを乞うたり、白人のグループが、 白人であるという特権を棄てると宣言したり、 群衆がフロイド氏のように手を後ろに組んだまま腹ばいになったり 、 警察による暴行を責める意味で跪いたりする光景があちこちで見ら れるようになる。

 

人種差別が原因なのか

秩序の崩壊に乗じて略奪の限りを尽くす犯罪者である暴徒はともか く、デモに参加する人々はブラック・ライブズ・マター( 黒人の命は大切だ)と主張し、 フロイド氏が人種差別が原因で殺害されたと断定するのだが、 果たしてその通りだろうか。 フロイド氏を殺害したとされる元警官のデレック・ ショウヴィンは、彼が逮捕された後に妻の方が離婚を申請したが、 難民であったラオス出身の女性と結婚していた。 共に現場に駆け付け、 幇助と教唆罪で後に逮捕された三人の警察官のうち、トウ・ タオもラオス出身であり、アレクサンダー・ ケングも姓で判断する限り、マイノリティーだと思われる。(* 6月27日のニューヨーク・タイムズ紙によれば、アレクサンダー・ケングは黒人警察官である。https://www.nytimes.com/2020/06/27/us/minneapolis-police-officer-kueng.html?smid=tw-nytimes&smtyp=cur) ブラック・ライブズ・マターや一部左翼が主張するように、 警察組織の中にある白人至上主義や人種差別がフロイド氏殺害の原 因であるとの見方は証拠が無い。

また首を圧迫して相手を失神させる『絞め技』は、 ミネアポリス警察は事件後に禁止しただけで、 それまでは横行していたと思われる。因みに、 この技については日本の警察を始め、 ミネアポリス警察やその他の米国内市警察が逮捕術として使用して いるが、頚動脈洞を圧迫して血流を止め、 相手を失神させるマーシャルアーツの術である。 誤った気道を防いでしまえば窒息に至る危険があるが、 良い訓練次第では、 銃の発砲による殺害の可能性より安全とも言える。 この殺害を人種差別が原因とするからには、 フロイド氏が白人であった場合には起こらなかったかを考える必要 があるが、白人警察による絞め技で、2016年にはテキサス州ダ ラスで白人青年、トニー・ティンパ氏も殺害されている。「 息が出来ない。死にそうだ」という懇願も虚しく、 警察官が自分の膝でティンパ氏の肺上部を13分間圧迫し、 ティンパ氏を死に至らしめた。https://www. dallasnews.com/news/ investigations/2019/07/31/you- re-gonna-kill-me-dallas- police-body-cam-footage- reveals-the-final-minutes-of- tony-timpa-s-life/ ところがティンパ氏の死亡後にデモが起こる事はなかったし、 ましてや「白人の命も大切だ」 といった抗議運動などは起こらなかった。しかも、 この絞め技が禁止されたのは、 フロイド氏の死亡によって全米にデモが広がった後である。 https://www.dallasnews.com/ news/2020/06/05/dallas-police- department-announces-new- policies-after-seven-days-of- protests/ つまりフロイド氏殺害が人種差別によるものだという証拠が無いま ま、 彼が黒人だったというだけで差別に反対する抗議のデモが広がった 事になる。これは「警察によって黒人が殺された場合、 人種差別が原因にあるに違いない」 という警察に対する偏見が社会にあるからと思われる。

警察と犯罪者

勿論、警察の中に黒人に対する偏見が無い訳ではない。 ところがこの黒人に対する偏見は、黒人警察官の中にも存在する。 ウォール・ストリート・ジャーナルの記事を書いた元警察官は、 自分が以前籍を置いたニューヨーク市警での経験について述べる。 この元警察官はある日、警察官へのトレーニング・ エクササイズに参加した。 インストラクターは白人の警察官二人と黒人の警察官二人を立て、 まず黒人の警察官二人に壁に向かって立ち、 手を壁につけるように言う。 またその後ろに白人警察官二人に銃を構える格好をするよう指示す る。その光景がどう見えるか、参加した多人種の警察官らに聞く。 一様に「犯罪人を尋問、或いは逮捕している場面」と答える。 今度は人種を入れ替え、白人警察官二人に壁に向かい、 手を壁につけるように命じ、 黒人警察官二人には後ろで銃を構える格好をするように指示する。 「さあ、これが何の場面に見える?」 どの警察官も一様に居心地の悪い笑いを漏らす。黒人を含め、 全ての人種の警察官にとって、 この場面は市民が犯罪者に銃で襲われている場面に見えるのだ。

https://www.wsj.com/articles/ the-racial-reality-of- policing-1441390980

https://www.washingtonpost. com/graphics/national/police- shootings/

警察官によって黒人が射殺された場合、社会の動揺は大きい。 特に白人の警察官による射殺の場合、人種差別が疑われるが、 警察官の人種構成は様々であり、 他の職業よりもマイノリティーの採用が多い。2011年のCDC P(Center of Disease Control Prevention)による統計によれば、人種はともかく、 警察官による黒人の法的殺害(職務遂行の際に起きた殺害、 殺害の動機は記していない)は129件起きている。これは「 犯人」だけではなく、警察官が黒人である場合も含まれる。 ところが同年、黒人同士の争い等によって、黒人への殺害は6, 739件起きている。警察官による黒人殺害の割合は、 黒人が別の黒人に殺される場合の0.02%に満たないのだ。 これを以て警察による黒人殺害は多いと判断するべきだろうか。

しばし警察による黒人への発砲や法的殺害の件数、 また占める割合を以て警察による黒人への人種差別を主張する人が いるが、まず全体の犯罪件数の中で黒人の犯す犯罪の割合や、 銃犯罪や強盗などの凶悪とみられる犯罪に対する黒人の占める割合 を考慮しなければ、 警察による黒人への発砲や法的殺害の割合を論じられない。 警察による発砲は、 銃犯罪や暴力犯罪における容疑者逮捕の際に最も多く発生するから だ。黒人の人口割合は全体の13%であるが、2018年の入手可 能な最新統計によれば、黒人は全体の殺人事件の53%を占めてお り、強盗事件では60%を占めている。しかも、 警察によって殺害された黒人の被害(?)件数は、 警察による銃犯罪、 凶悪犯罪における法的殺害の全体の件数から考えても、 決して多くない。2019年には、警察官によって1,004人が 殺害された。このほとんどは銃を使用しているか、 または危険と見做された人々だ。1,004件のうちで黒人が占め る割合は235件であり、全体の約四分の一である。この割合は2 015年からほぼ変わっていないのだ。

人口の13%を占める黒人が、全体の殺人事件の53%、 また強盗などの凶悪犯罪の60%を占めている。 しかしながら警察による法的殺害の23,4%でしかない。 ここから見える傾向は、 少数派である黒人が凶悪犯罪を犯す割合は多い。 ここに警察官による、黒人に対する偏見や緊張の理由がわかる。 ところが警察は、 凶悪犯罪を犯す黒人に対する法的殺人が少ない事を考えれば、 実際には自制をしている事が伺える。

ワシントン・ポストのデータによれば、2019年には9人の銃を 携帯していない黒人が警察によって射殺された。 同年警察が銃を携帯していない白人を射殺した件数は19件である 。2015年には、 警察によって銃を携帯していない黒人が射殺された件数は38件で あり、白人は32件である。ここで「銃を携帯していない」とは、 車の中に弾を込めた銃を所持しながら、 警察とのカーチェイスをした容疑者の例も含む。2018年には7 ,407人の黒人が殺害されたが、2019年もその数に大差が無 いとすれば、ここに警察によって射殺された9人の黒人の割合を見 れば、警察によって射殺された黒人の割合は、 その他によって殺害された黒人の割合の0.1%に過ぎないのだ。 しかし対照的に、警察官が黒人に殺される件数は、 黒人が警察官に殺される件数の18,5倍に上る。 黒人が殺害される割合は、 白人とヒスパニック系が殺害される割合を足すよりも多いが、 それは警察による殺害ではない。 暴力犯罪による殺害が原因であるのだ。

https://www.wsj.com/articles/the-myth-of-systemic-police-racism-11591119883

『プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・ サイエンス』によれば、警察官は、 凶悪犯罪を犯すのがどの人種であっても、 凶悪犯罪に遭遇すればするほど、 その容疑者と同じ人種に属する人物に対して発砲する可能性が高ま るという事だ。人種の例を挙げてみれば、 警察官自身の人種が何であれ、 例えばヒスパニック系の犯人が犯す凶悪犯罪に遭遇すればするほど 、ヒスパニック系を射殺する可能性が高くなるのだ。https: //www.pnas.org/content/116/32/ 15877

2015年に発表された司法庁によるフィラデルフィア警察への分 析によっては、 白人の警察官が銃を携帯していない黒人の容疑者に対して発砲する 傾向は、 黒人やヒスパニック系警察官が銃を携帯していない黒人容疑者に対 して発砲する傾向より少ない。アメリカン・アソシエーション・ フォー・アドヴァンスメント・オブ・サイエンスの分析によれば、 黒人の警察官が発砲する件数は、白人を含め、 その他の警察官が発砲する件数の3,3倍多いのだ。https: //www.phillypolice.com/assets/ directives/cops-w0753-pub.pdf

https://www.npr.org/2019/07/ 26/745731839/new-study-says- white-police-officers-are-not- more-likely-to-shoot-minority- suspe 

https://www.sciencemag.org/ news/2017/02/which-police- officers-are-quick-shoot- statistician-wants-know

この傾向は、『プロシーディングス・オブ・ナショナル・ アカデミー・オブ・サイエンス』に併せて考えれば、 黒人やヒスパニック系の警察官の方が、 黒人の犯す凶悪犯罪に遭遇する機会が多いからではないだろうか。 統計の中には、その人種の犯す凶悪犯罪件数や、容疑者の態度、 行動を考慮していないものが見られるが、こういった要素は、 容疑者の属する人種が何であるかよりも、 警察の行動に対してもっと大きな影響を与えると考えられる。

「黒人の警察官が発砲する件数は、白人を含め、 その他の警察官が発砲する件数の3,3倍多い」 と分析結果を出したアメリカン・アソシエーション・フォー・ アドヴァンスメント・オブ・サイエンスだが、 記者会見の場の発表において、 警察官側の人種については述べていない。 全て警察による発砲としての纏めに止めてある。 その理由について、この分析をまとめたグレッグ・ リッジウェイ氏は以下のように説明している。

「その理由(黒人の警察官の方が、その他の人種の警察官よりも3 ,3倍発砲する傾向があるという事)については、 記者会見の場では省きました。 その話題がニュースを独占してしまうと思ったからです。実際に、 この分析の要の研究者であったジム・ファイフが30年前に、 ニューヨーク市警の黒人警察官が発砲する傾向は( 他の警察官よりも)2倍、3倍高いと述べた時に、 相当な批判を浴びました。勿論ファイフは、 ニューヨーク市警の黒人警察官が、 その他の警察官とは違った環境で働いているという説明もしたので すが。これについて私は、 反発を受けることなく説明しきれるとはとうてい思えなかったので す。」

黒人の命が大切なのは当たり前だ。 人種差別はあってはならないし、 警察による行き過ぎた暴行にも歯止めがかかる事は必要だろう。 但しジョージ・フロイド氏の殺害に関しては、 警察官による黒人差別の証拠は見られない。 また警察組織による黒人への差別という偏見も疑わしい。ところが、この件が人種差別を根底にしたものであるとは思えない旨を述べられる空気が、今のアメリカには無い。リッジウェイ氏が黒人警察官による発砲傾向を述べられなかったのと同様である。黒人への差別を事件の原因と考えない人々は、警察による行き過ぎた暴力への危惧を代わりに主張する。それがせめてもの意思表示であるかのようだ。

ところが警察による不必要な暴力を防ぐ為には、『ブラック・ライブズ・ マター』や左派が叫ぶような警察への予算削減どころか、 予算を大幅に増やし、良い訓練と、 良い人材を確保する事が必要となる。 黒人の命を本当に大切に思うならば、 彼らが犯罪の被害者となる事が無いように、 彼らの安全を確保する必要がある。

ところが、抗議デモが広がる今日、 アメリカ社会は左派に圧倒され、引きずられる形で、 掲げた目標よりも更に遠のく道を辿ろうとしている。 

(これについては続く)