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日本だけが誤解をされているのか (稲田朋美防衛大臣による靖国神社参拝)

日本の歴史、政治 国際政治事情 アメリカの政治事情

複数の方から、稲田朋美防衛大臣による靖国神社参拝へのアメリカ・メディアの報道について聞かれた。

 
稲田大臣の参拝については、アジア問題専門家であり、日本の安倍首相についても肯定的に書かれるマイケル・オースリン氏が「稲田大臣の靖国参拝は、安倍首相の真珠湾訪問を相殺してしまった」というツイートを目にしただけで、殆どメディアに注目されていない。深追いをしたら、リベラル・メディアが批判をしているかもしれないが、リベラル派のメディアにせよ、保守派メディアにせよ、主だった国際ニュースとして扱っていない。

 

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主要なメディアは、靖国参拝よりも、ロシアによるハッキングや、トランプ新大統領について、また特に保守派メディアは、日本も賛成票を投じた国連安保理決議2334号の愚かさについて書いている。
 
因みに、安倍首相の真珠湾訪問も、大きなニュースとはなっていない。くり返すが、アメリカのメディアのもっぱらの関心は、ロシアによるハッキング、トランプ新大統領の話題と、国連安保決議についてである。
 
質問を下さった方々は、「どうして理解されないのでしょう。国の為に殉じた英霊を祀るのは国として当然のことなのに、いつも外国から批判ばかり受けるのは何故でしょう」「何とかしてに日本の主張を広める事ができるでしょうか」といった懸念を示されていた。
 
ここでは閣僚による靖国参拝への是非について書くことはしないが、確かに「誤解」が存在すると仮定して、「誤解を受けているのは、日本だけだろうか。」
言葉を換えれば、「日本も、他国に対する誤解をしていないだろうか。」
 
ハッキリと言えば、日本も他国に対する誤解をしているし、日本のメディアやジャーナリストの多くは、欧米リベラル・メディアの偏った『反欧米』の主張を、無責任にも繰り返しているだけだ。他国、特に欧米やイスラエルに関する日本の『保守派』の考えは、欧米や日本の左翼と同じ主張であるし、自分たちが欧米やイスラエルに対して誤解をしていると考えてもないだろう。
 
その証拠に、日本も英国と同じくして、先週末の国連安保理における対イスラエル入植への非難決議に賛成票を投じた。但し、いつもの通り米国が拒否権を行使しなかった為に決議が可決されたことで英国のテレサ・メイ首相は、慌てて何とかイスラエルとの仲を修復しようと、決議と同じ内容の演説を行なったジョン・ケリー米国務長官を猛烈に批判してみせたが、日本はイスラエルを不法な占領者としてしか見ていないし、イスラエルへの理解を示す従来の米国の姿勢を「イスラエル・ロビー」や「ユダヤ資金」によって動かされているとしか考えていない。

Theresa May's criticism of John Kerry Israel speech sparks blunt US reply | Politics | The Guardian

 

日本は、自らの誤解に気が付いていないのだ。因みに韓国は、イスラエルに対する国連総会の非難決議では投票を棄権してきた。
 
プロパガンダや誤解が存在しない国際社会ではない。但し、日本だけが誤解されているかのような被害者意識は、捨てたほうが賢明だ。欧米やイスラエルからの報復がない事を幸いに、彼らに対する誤解や不当な批判が日本には横行しているし、欧米やイスラエルを悪と見る事が何かの正義であるかのような誤解に、日本は閉じ籠ったままだ。
 
これらを考えれば、日本が国際社会の場で孤立するのは、自ら招いている事であって、何ら不思議な点は無い。