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東アレッポの陥落

国際政治事情 プーチン・ロシア アメリカの政治事情
アサド大統領の下、シリア政府軍による反政府軍拠点『東アレッポ』への包囲戦は、アレッポの陥落と、今も続く市民への虐殺で終局を迎えたようだ。
以下はナショナル・レビュー誌の報道である。

Russia Wins Again -- Aleppo Falls | National Review

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ついに、シリア政府は東アレッポを陥落させたようだ。火曜日、ロシアのヴィタリー・チュルキン国連大使が国連安全保障理事会で発表した。国連の同時通訳は、チュルキン国連大使による「つい先ほど、我々は東アレッポにおける軍事作戦が終了した報告をうけた」という声明を訳している。
         
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ロシアとロシアの同盟国は、シリアの内戦に於いて欠かせない勝利を得たようだ。彼らは反政府軍をその拠点に於いて破り、シリアの人口密集地域を政府軍の支配下に固めたのだ。
 
これで、自国民を化学兵器を使用して虐殺したシリア大統領バシャール・アル・アサドを排除する事は、不可能に近くなった。ロシア、イラン、シリアの枢軸国は強大となり、彼らに反対する勢力は、有名なISISを含めるジハーディスト集団しかない。我々は、クルド人勢力が支配する北部を除き、シリア政府への代替え案が過激派ジハーディスト集団しかない現実に近づいたのだ。
 
まずこれは、人道に対する言い難い悲劇である。現在、シリア政府軍はアレッポ市民の銃殺に取り掛かったと報道されている。アレッポにおける無差別空爆作戦は、悪夢のようだ。フォックス・ニュースは市民の犠牲者と、その責任の所在を票にまとめたが、市民の犠牲の殆どはシリア政府とロシア軍の空爆による。

 

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ロシアは自らの意思をシリアに於いて示した。ロシアがまさか、キリスト教徒への擁護者であるかのように誤解をしている人々は、ロシアの同盟相手を知る事だ。ロシアの同盟相手は、民族浄化を行なうアラウィ派イスラム主義国であり、イスラム教テロへの世界最大のスポンサーであるイランである。オバマの外交政策が成功的であったとか、賢明であったと信じる人々は、中東の真ん中で大虐殺が横行している最中、同地域におけるアメリカのプレゼンスを撤廃させた外交であった事を肝に銘じるべきだ。これは成功ではない。これは、代価の高い、致命的な失敗である。
 
オバマ大統領の失政の後始末は、ドナルド・トランプ次期大統領に任されるだろう。
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デイビッド・フレンチ記者が書かれた通り、アレッポは陥落した。それでも政府軍による一般市民への虐殺が止まった訳ではない。「降伏するか、死ぬか」ではなく、「降伏して、死ね」であったのだ。

 

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             瓦礫の中を逃げる市民
 
多くの市民は空爆によって生きたまま焼かれ、その恐怖に堪え兼ねて降伏した市民は、バリケードを守る政府軍により、次々と銃殺されている。政府軍に捕まえられ、拷問される市民も多い。女性たちは強姦される事を恐れ、自殺を図っているという報告もある。何人かの年を取った男性が凍死している。親を亡くした子供たちが一つの建物に集まっているが、彼らを守る大人はいない。

Women in Aleppo Choose Suicide Over Rape, Rebels Report - The Daily Beast

 
これは、世界が見ている前で起きているのだ。
 
我々はホロコーストについて、「二度と繰り返してはならない」と誓った。
コソヴォの虐殺についても、「二度と繰り返してはならない」と誓った。
ルワンダで起きた民族浄化についても、「二度と繰り返してはならない」と誓った。
 
いつか、アレッポの虐殺についても、「二度と繰り返してはならない」と誓う日が来るだろう。