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「日本 死ね」は、テロではない

日本の歴史、政治 プーチン・ロシア 国際政治事情 イスラム教 アメリカの政治事情

先日、「なぜ日本は海外メディアに誤解されて報道されるのか」といった趣旨の記事を見かけた。この記事は、海外の日本に関する報道の基本に、日本に対する人種差別があると示唆していたが、全て単純に人種差別、戦前から今に続く日本に対する敵視などに原因を見出そうとする単純な論理こそ、勿論、更なる「日本への誤解」を生じさせる一因となっている。

 
例えば、左派によって、意図的に日本の負の部分が強調されているとしよう。しかしながら、それに対する右派メディアや主にインターネットで活躍する日本のジャーナリストや言論人、学者らの「反論」は、日本人の私が聞いても、日本を『非論理的な狂信者の集まる、世界から孤立した島国』として疑わせる。日本人の大多数が、礼儀正しく、知的水準が高く、法の秩序を重んじる人々であると充分に知っていてもだ。
 
一例を挙げよう。「日本、死ね」という題目のブログが注目を浴びたようだ。これは国会でも野党議員によって取り挙げられ、今年の流行語大賞を受賞した。その賛否について、私個人の意見だが、ブログの題目には当然ながら好感を持たない。私だったら、例え怒りや失望の最中にあっても、責任ある大人として別の題目をつける。これを国会で取り上げた議員については、例え待機児童問題を取り上げたい熱意による事であっても、このような題目のブログを取り上げれば、議員としての常識や知性が疑われて当然だ。但し「流行語大賞」というものは、知性や良識を問うものでなく、どのような言葉が今年一年で流行したかを問う大衆賞であるから、下劣な言葉が話題を呼べば、それが選ばれる事は今までにもあった。繰り返すが、常識的な大人が、こうした一連の流れに反感を覚えるところまでは理解できる。     
 
さて、この流れに便乗した形で、彦根市の寺院や神社等に「日本死ね」の落書きがなされた。良識ある大人なら、落書きはしない。おそらく愉快犯による、悪質ないたずらだろう。
 
断言するが、これはテロではない。この落書きによって、怒りに震える人は出てきても、この政治的メッセージによってテロライズされた(恐怖に怯えた)人はいない。
 
どんなに悪質であり、「反日本」的であっても、落書きは落書きである。神社や仏閣などの建築物を破損する事に対し、日本の世論が怒りを覚えても、この落書きはテロではなく、自身の行なったいたずらに対して注目を浴びたい愉快犯による「犯行」である。
 
ところが、こうした愉快犯によるいたずらを、ISISによるテロや民族浄化と比較させる言論が右派にある。西村幸裕氏は「これは毎日放送でしか報道されず、東京にいると新聞記事でも知ることができなかった凶悪なヘイトクライム(民族憎悪犯罪)だ。ISの教会破壊、自爆テロなどによる異教徒虐殺と何も変わらない恐ろしいテロだ。韓国人の入国制限も可能な限り実施すべきだ。由国民社、ユーキャン、審査員、そして何よりもこのヘイトスピーチを捏造した山尾議員に責任はないのか?」と自身のフェイスブックに書かれているが、「日本死ね!」の落書きが、本当に「ISISによる教会破壊や自爆テロによる異教徒虐殺と何も変わらない恐ろしいテロ」なのか。
 
西村氏の論理は、言葉を変えるなら、ISISによる教会破壊や自爆テロ、異教徒虐殺は、「落書き」と同等だと言うことになる。西村氏はISISによる教会破壊を器物破損程度にしか受け取られていないのかもしれないが、ISISらは、中に信者が入っているままの教会を爆破し、全焼させているのだ。異教徒や不信者、背教徒や同性愛者らを、できるだけ痛みの多い残酷な方法で拷問し、子供であっても虐殺しているのだ。一連の「日本死ね」事件にどれほどの重大性を見出しても、ISISによる深刻な民族浄化の犯罪を過小評価する事は、許されない。
 
日本国内に発生する軽犯罪をISISと比較する論理は、西村氏に限った事ではない。「ねずさんのひとりごと」を書かれた小名木善行氏は、「世界ではISのテロが話題になっていますが、実は、日本国内における支那、韓国のテロ活動のほうが、実はもっと深刻といえます。」と書かれている。  

ねずさんのひとりごと 慰安婦問題の韓国との決着について

 

日本の右派は、世界のさまざまな地で何が行なわれているのか、よほど知らないのだろうか。日本に関する事、もっと端的に言えば「日本が何と言われているか」以外には、全く興味が無いのだろう。ISISを「ひどい」や「意見が合わない」程度の代名詞に使われているとしか思えないが、こうした言論人によって煽動されたネットユーザーが、ソーシャルメディアやインターネットの書き込みをしたり、反在日韓国人デモ、反韓国デモを起こせば、勿論海外メディアの目に届く。
 
いくら知日派や親日派のと言われる欧米人でも、このような極端な愚論には当然反感を抱く。これらの意見が、日本の右派のごく一部の意見であり、大多数の良識的な保守派とは別である事を言い聞かせる為にも、一部右派を指して「極右」「狂信的ナショナリスト」と呼ぶ場合があるが、それはその他の大多数日本人を庇ってのことだ。
 
日本の右派は、ISISによって頭部を切り落とされた2歳くらいの首のない幼女を抱き上げる男性の悲痛な写真や、檻に閉じ込めた捕虜を溺死させるビデオを見た事がないのだろうか。過激派テロリストらが、子供を含めた異教徒を、生きたまま焼き殺したり、切り落とした首でサッカーを楽しむ様子を知らないのだろうか。これらの野蛮な行為が、どのように憎しみを込めたものであっても単なる「落書き」と同一視されるところに、日本の知性に対する懐疑論が誕生するのだ。

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「日本死ね」のブログは、日本人女性(母親)が書いたものである。それから発して書かれた落書きは、誰が書いたのかハッキリしないものだ。この責任は韓国人には無い。たとえ韓国人が書いた落書きであっても、それは個人による軽犯罪であって、その為に韓国からの入国制限を実施すれば、日本はそれこそ世界中からの笑いものになるだけだ。
 
西村氏は、このニュースが「毎日放送でしか報道されず…」と嘆いておられたが、こうした落書きの殆どが愉快犯による犯行である事を鑑みれば、メディアからの注目を浴びる形で犯人のエゴに褒美を与えるよりも、全国メディアはもっと重要なニュースに紙面を割き、これは無視する方が理に叶っている。もっと重要なニュースが日本にはある筈だ。
 
少なくとも日露関係に於いては、もっと重大なニュースがある。ウクライナ政府は今日、日本が約2,000億円分の武器をウクライナに対して供出していた事を発表した。日本政府がこれを行なった時期は明らかにされていないが、明らかに日本とロシアとの接近に対して世論を牽制する目的があるだろう。

Japan gives $1.85B to Ukraine's Army: Ukraine's Army receives $1.85B in aid from Japan, - Poltorak - army, Defense Ministry, Japan, Poltorak, Aid to Ukraine, Japan gives $1.85B to Ukraine's Army, Aid to Ukrainian army (13.12.16 16:02) « News | EN.Censor.net

Полторак рассказал о военной поддержке от Японии в размере $1,85 млрд. - Полторак, Япония, Украина

(その後、ロシアのタフ通信が、日本によるウクライナ政府への武器供給ンについて報道している。ウクライナ政府と親ロシア派武装組織の間には、現在も軍事衝突が続いている。)

 
ドナルド・トランプ次期大統領は、国務長官に親露派のレックス・ティラーソンを指名したが、ハッキリとした新政権の外交政策は明らかにされていない。トランプ氏と台湾総督の電話会談へのメッセージとして、中国は核搭載可能の戦闘機を南シナ海上に飛行させたが、トランプ政権のアジア外交は見通しが立っていない。中国の出方も分かっていない。韓国の朴大統領が弾劾され、韓国の新政権についても不明である。半年前に比較し、日本の安全保障における不安定要因は多すぎる。
 
安倍首相が、ロシアとの領土問題解決の偉業を遺せると本気で考えているとは思えないし、出来るだけ多くの選択肢が必要なのも事実だ。ロシアは中国が尖閣に侵略すれば、中国を支援する事も安倍首相は知っているだろう。プーチンは「日本との間に領土問題は存在しない。日本側がそう考えているだけだ」と答えている。ロシアは議論には応じるが、議論だけだと念を押している。
 
 
秋田犬を使った日本の友好関係の演出も、「ゆめ」の伴侶となる事を期待されたオス犬をロシアは受け取らず、エルサレム・ポスト紙も、ディプロマット誌も、日本側の甘い期待に警告を鳴らしている。
 
アメリカの出方も、中国の出方もつかめず、中東やヨーロッパにおけるロシアのプレゼンスが高まる今日、我々は近年に見られない不安定な時代に突入しようとしているのだ。日本と韓国は、中国からの脅威を共有し、同盟国となり得るのだが、一部右派は、呑気なことにも反韓感情を煽り、韓国からの入国制限する事で、日本を軍事的に孤立させたいのだろうか。
 
私は以前、日本の主張を世界に発信する事が国益に叶うと考えていた。現在はそう思わない。日本に必要なことは、自分たちの非常識な主張を発信するよりも、世界で何が起きているのかを正確に報道することだ。その務めに対しては、主要メディアの方がさすがに長けている。
 
現在アレッポで何が起きているか知れば、ロシアに対する甘い期待は持てない。アメリカの外交政策が決定するまでは、安倍首相はいつもよりも慎重で多角的な友好関係を強化するしかない。何よりも米中との間に突発的軍事衝突が発生しないことを願うが、息を呑むような緊張の中でやっと守られている平和を享受する国民は、落書きと過激派テロリストらによる真の民族浄化の区別すらつけられなくなったのだろうか。
 
誤解ある書かれ方を避けたいならば、自分たちの主義主張がいかに的外れなものか、自分たちの行動がどのように映るのか、自省すべきだ。一部日本人右派の主張は、『反日欧米左翼メディア』を通さなくても、世界の端に位置する未開の島の住民のような異様さに映る。