全面的核戦争の危機を示唆し、トランプ支持を訴えるロシア

トランプ氏は、来月に控えた大統領選挙歴史的大敗を目の前に、自身への票離れに歯止めをかける為か、「ヒラリー・クリントンが大統領となれば、アメリカはほぼ完全に破壊される」と宣言をしています。

Donald Trump: Hillary Clinton's election would mean 'almost total destruction' of U.S. - Washington Times


人々の恐怖心を煽り、自分への支持を訴える心理作戦なのかもしれませんが、支持者の中には、選挙ラリー中、ペンス副大統領候補に対して「トランプ氏が負ければ、革命を起こす準備が出来ている」と訴える支持者も出ています。

‘Don’t say that’: Mike Pence rejects supporter’s ‘revolution’ suggestion if Trump loses

このような恐怖心の煽動は、トランプ陣営に限った事ではないようです。

デイリー・メイル誌等による報道では、ロシアのプーチン大統領は政府役人に対して、「地球規模の戦争勃発の恐れがある」として、海外在住の親族への帰国を命じました。

Russia orders all officials to fly home any relatives living abroad | Daily Mail Online

またWSJによる5日前の報道では、ロシアはポーランドとの国境に向けて核弾頭掲載可能なミサイル・システムを配備し、軍事力の誇示を行なっています。

http://www.wsj.com/articles/russia-moves-nuclear-capable-missile-system-toward-polish-border-1475868395

 

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しかもロイターの取材には、プーチンの意を汲む協力者と言われるヴラジミール・ジリノヴスキー議員が、アメリカの有権者に向けて、「ロシアとの核戦争を避ける為に、トランプ氏に投票をするべきだ」と答え、以下のように述べています。(以下、ロイター記事)

http://www.reuters.com/article/us-usa-election-russian-trump-idUSKCN12C28Q?il=0

 

[挑発的な発言で有名なヴラジミール・ジリノヴスキー議員は、ロイターの取材に対して、「モスクワとワシントンとの間にエスカレートする危険な緊張を抑えられるのは、トランプしかいない」と答えた。

先月ロシア議会で三大政党としての議席を獲得し、プーチンから栄誉賞を受賞した親クレムリンのロシア自由民主党のジリノヴスキーは、対照的に、トランプ氏の対抗者である民主党のヒラリー・クリントンは第三次世界大戦を勃発させるだろうと語っている。

多くのロシア人はジリノヴスキーについて、注目を得る為に過激な発言をする道化師だと考えているが、同時にクレムリンの政策に忠実に従う事で知られ、時として挑発的発言によって世論の反応を伺う為の道具とも見做されている。

「ロシアとアメリカの関係はこれ以上悪くなるとは考えられないほど悪化している。これ以上悪くなるとすれば、戦争だろう」ジリノヴスキーは、ロシア議会の10階にある自身の巨大なオフィスで語った。
「11月8日に投票するアメリカ人は、トランプに投票するならば、地球の平和の為に投票している事に気付くべきだ。しかしヒラリーに投票をするならば、戦争だ。短編映画のようになる。あちこちがヒロシマとナガサキとなる」

ジリノヴスキーのコメントは、シリアとウクライナ、又ホワイト・ハウスが先週民主党組織へのサイバー攻撃の非をロシアに課したことなど、一連のワシントンとモスクワの間に広がる深い確執と一致しているかのようだ。

ウィキリークスが水曜、クリントン選挙本部の内部情報を流出した際にも、プーチンはロシアによるアメリカ大統領選挙への介入を否定している。

ジリノヴスキーは、リベラルな世論を驚かすことを好み、彼とロシアのナショナリストが「退廃した、偽善的でポリティカル・コレクトネスによって腐敗した」と位置付ける西側への侮蔑を頻繁に大量放出させている。

 

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                    プーチンの意を汲む協力者と呼ばれるヴラジミール・ジリノヴスキー

彼の挑発的なスタイルは、マスコミの注目によりテレビで多く取り上げられ、アメリカのトランプがブルー・カラー層からの支持を得たように、ロシア選挙で何百もの得票を齎した。

ジリノヴスキーは、多くがイスラム教徒である南部ロシアを鉄線で張り巡らすことを提案した事があり、トランプによるメキシコとの間の壁と発想が酷似している。

トランプと2002年にニューヨークで会った事があるというジリノヴスキーは、トランプとの共通点を明らかにしている。同じ年であり、ぶっきらぼうで、しばし女性差別的な言葉を使い、自らの国を第一とすることを自慢する。ジリノヴスキーはDNAテストによって、実はトランプと繋がりがあるか試したいとも言う。

しかし政治経験がなく、アンチ・エスタブリッシュメントの不動産王として自分を売り込むトランプとは違い、ジリノヴスキーはロシア議会に20年以上議席を保つ政治インサイダーである。

プーチンはトランプについて「才能豊家である」と称賛し、かわりに共和党候補者としてのトランプはプーチンについて、クレムリンの指導者はアメリカのバラク・オバマ大統領よりも優れた指導者であると語っている。ヒラリー・クリントンは、トランプのプーチンに対する親密さを批判し、ロシアとのトランプ・ビジネスの関係に疑問を投げ掛けている。

モスクワを歓喜させたトランプのその他のコメントには、アメリカの国益に対するNATOの価値に対して疑問を投げ掛けたものや、2014年のロシアによるクリミア不法占領に対して言葉を曖昧にし、彼の政権に於いてアメリカはより一国主義に近い外交政策をとると示唆したものがある。

「トランプはシリアやリビア、イラクなどについて関心はない。しかも一体なぜ、アメリカがこれらの国々に介入する必要があるだろう。ウクライナについても、ウクライナなど、誰が介入したがるのか」かつて自らをサダム・フセインとリビアの独裁者ムアンマー・ガダフィの友と呼び、彼らの死を未だに嘆くジリノヴスキーは語る。

自身を米国共和党からの候補者と比較する、ロシアの極右ナショナリストでヴラジミール・プーチンの側近であるジリノヴスキーによれば、アメリカ人は来月、核戦争に巻き込まれる事を防ぐ為に、来月の大統領選挙ではドナルド・トランプに投票するべきのようだ。

「トランプは関係をより平和的に変える素晴らしい機会に恵まれている。これが出来るのは彼しかいない」ジリノヴスキーは、ノーベル平和賞受賞も可能だろうと付け加えている。対象的に、ジリノヴスキーはクリントンについて、「邪悪な義母」と呼び、彼女のオバマ政権内での2009年から2013年までの国務長官としての経歴を、国を指導するのに相応しくないと一蹴している。

「彼女が欲しいのは権力だ。彼女の視点は、ヒラリーが地球で一番重要な人物だ、バラク・オバマの言ったように、アメリカは特別な国だ、というものだ。これは危険である。彼女は核戦争を勃発させるかもしれない。」

典型的な排他優越主義を反映させるかのように、ジリノヴスキーはクリントンの性別も大統領として相応しくない一因として挙げている。

「男性が何百年も指導してきたのだから、大多数のアメリカ人はトランプを選択するべきだ。最も豊かで強い国が女性の大統領によって支配される危険は避けられるべきだ」

女性に対してトランプが2005年に語った女性蔑視的なコメントについて聞かれると、ジリノヴスキーは「世界どこでも男は時としてそう言ったことを同輩に語る。重要なのはトランプのビジネスと政治への適正だ」とトランプを弁護した。

プーチンとトランプは会ったことが無いようだが、ジリノヴスキーに言わせれば、彼らは近しい協力関係が結べるらしい。「トランプ勝利は人道に対する贈り物だ。しかしヒラリー・クリントンが勝てば、アメリカ最後の大統領となるだろう」]

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このようなロシアによる挑発を受け、その意を汲む投票を行なうなら、誰に投票するにせよ、アメリカの民主主義は崩壊するでしょう。