大統領選討論会…討論が出来ないドナルド・トランプ氏

討論会後、夜中の2時過ぎのものも含め、いかに自分が勝利をしたか15回に渡ってツイートをしていたトランプ氏の『勝利宣言』とは裏腹に、メディアは「トランプ氏のあまりにも惨めな失敗は、支持者の横面を平手打ちするようなものだった。支持者は彼に怒るべきだろう」と酷評しています。

Trump’s debate incompetence a slap in the face to his supporters | New York Post

 
昨夜の大統領候補者の討論会で、共和党と民主党半数ずつの内部関係者の意見として、そのうちの8割はヒラリー・クリントン元国務長官がドナルド・トランプ氏に勝利したと認めています。 勿論、インターネットで行なわれる調査以外のどの世論調査でも、ヒラリー・クリントンが勝利したと見る割合が大多数を超えています。

Insiders: Hillary won - POLITICO

 
熱心なトランプ支持者であるルディー・ジリアーニ元ニューヨーク市長は、「トランプ氏は残り2回の討論会は欠席するべきだ」と提言をしています。

Giuliani: Trump Should Consider Skipping Next Two Debates | Fox News Insider

 
もしトランプ氏が討論を欠席すれば、支持者には「メディアや司会者が公平でない」という『陰謀説』を吹き込めても、まだ立場を決めていない有権者に対しては、敵前逃亡と映り、トランプ氏勝利に必要な、彼らからの票は得られないでしょう。
 
さて、私は一年以上前から、相手を馬鹿にして口汚く罵る事、相手の発言や主張を大声で遮る議論しかしたことのないトランプ氏には、主張の正しさだけではなく、「どのように主張を提示し、どのように映るか」を重視する「討論」というものが出来ないだろうと予測してきました。

 

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             トランプ氏の暴言や豪言を聞く、態度を決め兼ねている有権者
 
大統領選討論会のような討論の場合、特に、相手と一対一で議論を行なう討論と違い、第三者に対してどのように映るか、『次期大統領』として相応しい人物として映るか否かが問われます。ですから、相手を力ずくでやり込める議論や、自分の正しさを躍起になって主張する議論よりも、自分の有利になるように議論の流れを作り出す冷静さが必要となりますが、また同時に、誠実で信頼に足る人物として視聴者に対して映るように、自分を見せる余裕が無ければなりません。
 
この点が、一対一の議論と、討論会での討論との決定的な違いであるとも言えます。
 
昨夜の討論会では私の予測が的中しましたが、トランプ氏のように「約2分半の割合に一つの嘘」など嘘ばかりつく主張はともかく、正しい事を主張していたとしても、その議論の提示の如何によっては、正しい主張を行なっているとは受け取られず、支持が得られない場合が多くあります。どのような伝え方をしていたとしても内容で判断をしてくれるような人々は、もともと意見を同じくする人々を除いて、殆どありません。

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トランプ氏の暴言・豪言を聞く有権者の7割以上がヒラリー・クリントン元国務長官に軍配を挙げている

 Trump achieves new personal best in debate: A lie every 2.65 minutes

 
意見を同じくする支持者に対してだけではなく、未だ態度を決め兼ねている人々に対しての説得力は、ヒラリー・クリントン元国務長官の方が優れている事は間違いありません。
 
トランプ氏は、司会のレスター・ホルト氏やヒラリー・クリントン元国務長官からの税金還付証明の問題や、不動産危機の時期に自身がシステムを利用して営利を得た事を、ビジネスの手腕の一環として自己弁護のつもりで豪語しましたが、普段大金持ちを気取る彼が連邦税を支払わず、システムを悪用してきた事を「賢い事だ」と自慢している姿に、支持者以外の有権者が心から嫌悪感と不信感を抱いたことは、トランプ氏にとって大きな失点でした。

 

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           トランプ氏の暴言に唖然とする態度を決め兼ねている有権者たち
 
トランプ支持者にとっては、トランプ氏がいくら制度を悪用して営利を得ても、彼のビジネスマンとしての手腕と映るようですが、支持者でない人々にとっては、トランプ氏自身こそが法の穴をくぐって不正な儲けを行なう不誠実な悪徳商人であると映っています。
冷静なヒラリー・クリントン元国務長官の差し出したエサにつられてトランプ氏は墓穴を大きくしましたが、彼の足元に跪くでなく冷静で建設的な意見が出来る協力者は、周りにはいないようです。