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トランプ氏のメルトダウン

ドナルド・トランプ陣営は、どうしてもオバマ大統領がISISの創設者であり、MVPであり、ISISの共同創設者として、ISIS台頭の3か月前に国務長官を退任したヒラリー・クリントン候補を名指し批判したいようです。

 
これにはトランプ支持を掲げるヒュー・ヒューイットやシャーン・ハニティーなどのメディアが「真意は、オバマ大統領のイラク撤退政策によって力の空白が生じ、過激派の台頭を許した、という事ですね」と助け船を出しても、「私が意味したのはその発言の通りです。オバマ大統領はISISの創設者です」を繰り返すばかりでした。
 
さすがに金曜日の朝には「あれは皮肉だったことがわからないのか?」とツイートをしましたが、数時間後の午後のラリーでは「完全な皮肉ではない」とツイートの撤回をしています。
 
これらの誇張、歪曲の表現には、オバマ大統領のイラク撤退などの政策を批判していた保守派からも「事実とは違う」という反発を招いています。
 
オバマ大統領が自らの政策の失敗を認めず、ISISの脅威を過小評価してきた事への非難自体は当然なのですが、トランプ陣営は、正当的な批判の範疇を超えて、「オバマ大統領の嘘に対抗する為には、より極端な嘘を」という極論に走っているようです。保守派からの批判の大合唱は、そうした論理が全く受け入れられないことを強く示すだけでなく、「トランプ氏の極論によって、正統的なオバマ大統領批判、ヒラリー・クリントン元国務長官批判への信頼性が台無しになってしまうだろう」という反発もあるようです。
 
自身の発言がメディアの批判を浴びている事や、共和党として歴史的な支持率の低迷に、ついには「正直に言えば、私は、歪んだヒラリーに対抗しているのではなく、歪んだメディアに対抗している」と述べ、政策の具体化やヒラリー・クリントン元国務長官のe-mailや国務省と『クリントン基金』との間の不正を批判する事よりも、メディアや反対者への批判に関心の矛先を向けています。

Donald Trump sidesteps Hillary Clinton, says he's running against 'the crooked media' - Business Insider

 
「(コネチカット州の人々が彼に投票しないならば)私はコネチカットの人々を一生赦さない」と述べ、続けて「フロリダ州、ペンシルヴェニア州、オハイオ州の人々を赦しはしない」と語ったかと思えば、「これらの人々を愛しているけれど」と付け加えています。
 
昨日は「敗北は私のせいではない」、「敗北すれば、馬鹿らしく感じる」「負けても別に構わない」「家に帰りたい」などと語り、数週間前にタイムズ誌がトランプ氏の「メルトダウン」のイラストを掲載した通り、その狼狽ぶりがいよいよ明らかになってきています。

 

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トランプ氏が歴史的にも共和党が強かった州でもクリントン候補に大きくリードを許している為、支持者はその怒りをメディアや『ネバー・トランプ(反トランプを掲げる共和党支持者・保守派)』の人々に向けられています。
 
昨日のニューズウィークの記事によれば、トランプ氏は宣誓供述に於いても嘘や矛盾する内容を繰り返し述べており、「何が真実なのかを把握できない症状から鑑みて、精神障害を負っている」と分析されています。

Donald Trump’s History of Lying Under Oath

 
但し、同ニューズウィークの記事によれば、
 
最も狂ったトランプ支持者でさえ、トランプ氏の招き得る危険を承知しています。先週、C-SPANテレビ局の電話インタビューに応えた支持者は、トランプ氏が核戦争を始めるかもしれない可能性を承知していました。「それでも少なくともアメリカが勝つだろう」と語っていたのです。』
 
と支持者の言葉が記されており、トランプ支持者にとっては、ドナルド・トランプ氏が大統領となり、その「精神障害」「癇癪」「ナルシシズム」「外交・経済・軍事知識の欠如」の為に核戦争がはじめられたとしても、「アメリカは勝つだろうから…」とそれ以上深く考え事をしない心境が伺えます。