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トルコ、クーデター失敗を悲しく思う

先週金曜日に起こったトルコ軍によるクーデターの失敗で、現在までに、1,577人の大学長、2,745人の裁判官、21,000人の教師が罷免され、トルコの刑務所に拘束されている全ての政治犯は弁護士をつける権利、家族への面会、電話を掛ける『権利』をはく奪されています。

トルコはEUへの加盟が取り沙汰される以前は、世俗イスラムの国でしたが、これは軍による『イスラム主義者』への弾圧があったからです。EUからのトルコ軍による政治介入やイスラム主義への弾圧を非難によって、トルコはイスラム主義者への弾圧を廃止した為、イスラム主義が復権しました。

それ以来、「民主主義」によって「イスラム主義者」が政治に関わるようになり、イスラム主義者であるエルドアン大統領の独裁のもと、世俗主義者やクルド人ら少数民族が弾圧され、ISISはシリアとトルコの国境を自由に行き来しています。

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このクーデターに対して、殆どの外国政府は非難の声明を発表していますが、軍のクーデターという『非常措置』によって、トルコは今までイスラム主義と決別してきました。今回のクーデター失敗によって、エルドアン大統領の独裁圧政に反対する、或いは反対していると疑いをかけられた多くのトルコ人らが逮捕、罷免されています。

今回のクーデター失敗ついて、中東専門家のダニエル・パイプ氏が書かれていますので、それを以下に訳します。

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「殆どの主要国家はトルコの国会に代表者を送る4つの政党と等しく、クーデター未遂事件を非難した。エルドアン大統領の座を狙っていると批判される宗教指導者のフェトゥラー・ギュレン師でさえも、これを厳しく非難した。

それでも、金曜日にクーデターのニュースが飛び込んできた直後に「エルドアンはトルコにおける最近の選挙で不正を行ない、独裁政治を行なっている。軍によるクーデターで失脚するべきだ。成功を期待する」とツイートした通り、これが失敗したことに、何とも言えない失望を味わっている。


ツイートのような字数の限られているソーシャルメディアでは充分に説明できないので、自分がなぜ、「民主主義」によって選ばれ、民主主義によって政務についているレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領の失脚を願っているか、3つの点から説明しようと思う。

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エルドアンは、イスタンブールの市長、又トルコの首相として、初期の段階では法による統治を行なっていたイスラム主義者である。しかしながら、権力が強まるにつれ、特に選挙に関して、彼は法の順守から逸脱し始めた。彼は国営メディアを独占し、対立政党の政治家への身体的暴力を奨励し、不正選挙を行なった。特に去年11月1日に行なわれた全国選挙において、多くの不正行為を行なった事が明らかにされている。

またエルドアンは独裁政治を行なっている。彼が大統領に当選して二年のうちに、次々に様々な組織を傘下に置いた。結果は、膨大な数のトルコ国民が、直接的、又間接的に彼の支配の下に働く事となったのだ。首相や、閣僚、裁判官や警察、教育者、銀行家、メディアのオーナーやその他のビジネスのオーナーなどが、エルドアンの傘下で働いている。軍の指導層はエルドアンに不本意ながらも従っているが、クーデターの未遂が確認された通り、エルドアンの直接傘下ではないのは軍隊だけかもしれない。

エルドアンは独裁の権力を、トルコ南東部のクルド人らに対する、内戦とも言える規模の弾圧、ISISが近隣住民への侵略を行なうのをほう助し、スンニ派イスラム主義の普及といった悪の為に使用している。

軍による介入がトルコでは肯定的な成果をあげていた。トルコは軍によるクーデターがもっとも肯定的な効果をもたらしていた国である。1960年、1971年、1980年、1997年に起こった4回にわたるクーデターで、将校らは彼らの役割について、自制のある理解を示していた。国の方向性を改めたかと思うと、軌道に乗った時点で撤退をした。彼らの介入は、それぞれ、ほぼ5年、2年半、3年、また一年未満だった。

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エルドアンによる逸脱した独裁を終わらせる為の軍による再調整は、たとえエルドアンの党からアブダラ―・ギュルやアリ・ババカンのような、もう少しましなイスラム主義者を後釜に迎える事となっても、トルコを利するだろう。

1997年のクーデターでの指導者であるセヴィック・ビルは、「トルコにおいては、イスラム教と民主主義の結婚なされてある。子の結婚の子供は『世俗主義』だ。この子供は、時によって病気になることもある。トルコ軍という医者がこの子を治療し、この子の命を救う」と語った。現在、この子は重い病気を患っており、医者が必要だ。哀しい事に、今回は医者が止められてしまった。この病気がどんなに酷くなるか、想像するしかない。

クーデター失敗の直後、6,000人のトルコ人が逮捕された。3,000人の裁判官と検事が罷免され、アメリカとの関係はエルドアンがギュレンの引き渡しを求めるに従って、危機を迎えている。過去に辿ってきた道も険しいが、未来はもっと険しく見える。

過去にも予想したことだが、エルドアンの失脚の原因は外交上の失敗によるだろう。国内政治から国際関係で使っている挑発的言動によって、彼はいつか限度を超え、反対者によって終わりを迎えるだろう。トルコは大きな代価を払って、エゴの塊りのような狂人を追い払う事となるだろう。