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にわか『犠牲者』を気取るブラック・ライブズ・マター運動とトランプ支持者

ポーランド・ワルシャワで行なわれた土曜日の会見で、ダラスで起きた警察官への襲撃事件に関して、なぜかオバマ大統領は「犯行動機の解明は明らかにされてはいない」としています。
 
ダラス警察の発表によれば、5人の警察官を殺害した犯人のミカー・X・ジョンソンが警察に射殺される前に、「白人の警察官を狙っている」、また「『ブラック・ライブズ・マター』の運動に触発された」と語っており、『動機』は明らかだと言えますが、このような警察組織に対する不信感や憎しみを、意図的でないにせよ煽動した人物がオバマ大統領本人である為、「原因不明」としているのでしょう。
 

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オバマ大統領は、ダラス警察のプロとしての職務に関し「彼らの職務は非常に難しく、しかも素晴らしい功績を果たしています」と称賛しつつ、警察官を守る為には、より厳しい銃規制が必要だとの考えを示しました。

Obama says motives of Dallas cop killer Micah Xavier Johnson 'hard to untangle' - Washington Times

 
「もし、警察官らの安全を考えるなら、銃の問題をわきに置いて、それが何の関係もないかのようなフリをする訳にはいきません。銃の問題は、この事件に深く関連をしています。勿論、それだけではありませんが、警察と警察が守る地域社会の間の緊張感に対して、全く関連性が無いとは言えません。大きな問題となっているのは、(銃規制の問題について)語る事さえ、分裂を招いている現実です。」
 
アメリカにとって、つらい一週間であった事を認めつつ、オバマ大統領は、アメリカは「ある人々が示唆する程、分裂している訳ではありません」という気休めで国民を慰めるつもりなのかもしれませんが、「ダラスであっても、どこであっても、警察に対する攻撃は、全ての人種のアメリカ人、全ての境遇のアメリカ人が、当然の怒りを感じています。これはブラック・ライブズ・マターのデモ隊に参加する人々や、警察の行動に対して疑問を感じるBLMの家族の人々も同様で、『(警察に対する攻撃は)受け入れられない』とし、ここに分裂はありません」と主張しています。
 
また、アメリカ初の黒人大統領としての功績について、人種間の「格差」については、「より公正で、より一致し、より平等な国をつくる為に」発言していると語りました。
 
「私が願うのは、アメリカ人として全ての国民が、人種間の困難の歴史を理解し、お互いの声に耳を傾け、奴隷の歴史や(制度的人種差別主義の代名詞である)「ジム・クロウ」や人種差別が、公民権運動や、選挙権付与、或るいはバラク・オバマの大統領就任によって、一夜では消え去らない、ということを理解する事です」
 
オバマ大統領のこの発言だけでなく、イスラム教過激派によるテロに対する発言からも言える事ですが、オバマ大統領は、『ブラック・ライブズ・マター』の運動に啓発されたテロリストを運動そのものと切り離し、イスラム教テロリストをイスラムの教えそのものから切り離しています。
 
また、起こる全てのテロや犯罪を「教え(イデオロギー)」とは切り離して考える為に、「原因は不明」とし、解決だけは「銃規制」で片付けます。(ちなみに、アメリカでは既に多くの銃規制が為されています。)
 
ところが、これらの殺人者たちが『ブラック・ライブズ・マター』の運動やイスラム教の教えによって啓発され、煽動されている事に間違いはありません。
 
これらの危険思想を『人権運動』や『平和の宗教』と呼び、「思想に問題は無い」と容認し続ける限り、これらによって触発され、殺人を犯すテロリストたちは後を絶たないでしょう。
 
オバマ政権の司法長官であるロレッタ・リンチ司法長官は、警察による殺害を批判しつつも、ブラック・ライブズ・マターの運動そのものは「平和的なデモと言論の自由によって我々の国を改善しようとする人々に対しては、あなた方の意見が重要であることを強調したい。あなた方の法的な行動によって、醜い暴力行為をカバーしようとする人々によって気落ちしてはいけません。我々は憲法によって保障されているあなた方の権利をこれからも守り、より良い国と明るい将来をつくる為の困難な使命を、ともに務めていきたい」と語り、ブラック・ライブズ・マターの運動のデモを称賛し、その安全を保障しました。

 

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反警察組織、反白人を掲げるブラック・ライブズ・マターのデモですが、これを警察が保護し、警察官に犠牲を払わせつつ、犯人を運動から切り離すことによって、運動自体は優れたものとして称賛するオバマ政権の主張を、私はこの上もない卑怯であると考えます。
 
このような極論は、別の極論を生み、『にわか白人至上主義者たち』が声高に人種差別発言を繰り返すようになりました。
 
これらの白人至上主義者たちは、反オバマ・反リベラル派を掲げる熱心なトランプ主義者ですが、「トランプは、不法滞在者を強制送還させると言っているんだ。ここはメキシコじゃない。お前みたいなリベラル派がいるから、この国は崩壊しかかっているんだ。もう白人がマジョリティーの国ではなくなってしまった。白人には何の権利もない。手遅れになる前に、少しは賢くなることだ。革命が起こされるだろう」と『革命』を叫んでいます。
 
ブラック・ライブズ・マターは、「黒人の権利が認められず、黒人は差別されている」と主張しますが、トランプ支持者は「白人の権利が認められず、白人は差別されている」と主張します。
 
一枚のコインの表裏のように、オバマ支持者のリベラル派とトランプ支持者の白人至上主義者は、煽動された被害者意識と憎悪を新たに、同じ主張を行なっていますが、オバマ大統領が政権を取り、「組織的な黒人差別がある」主張する前は、ブラック・ライブズ・マターという運動は生まれませんでした。
 
5人の警察官を殺害したミカー・X・ジョンソンの両親が、「息子は白人に対する憎しみは感じていなかった筈です」と答えたのも頷けます。

Dallas shooter Micah Johnson's parents reveal he wanted to be a COP prior to attack | Daily Mail Online

 

同様に、ドナルド・トランプ氏が、候補者として「我々こそ被害者だ」と主張し、ポリティカル・コレクトネスを批判し、KKKの指導者であったディビッド・デュークのような人物を擁護する以前は、白人至上主義などは嫌悪と侮蔑の対象となっており、表立って差別的な主張する事はおろか、誤解を招くいかなる言動も注意深く避けられていました。

 
ブラック・ライブズ・マターの運動家にせよ、白人至上主義者にせよ、これらの人々は、自らの「不遇」、或いは「不満」に対する答えを『他者への憎悪の思想』に見出したと言えますが、実は自分たちが「平等」以上の「特権」を求め始めている事に気づいてはいないようです。