ヒラリー・クリントン、e-mail疑惑不起訴決定

FBIのジェームズ・コーミィ長官は、ヒラリー・クリントン候補のe-mail私的サーバー使用の問題に関して、クリントン候補が国務長官時代に、国の機密情報を私的サーバーで扱った事について、「極めて軽率であり、別の場合、解雇や機密事項取扱い不許可になると考えられるが、国の安全保障を意図的に危機に陥れようとしたとは考えられず、犯罪行為として起訴の対象となるとは思われない」として不起訴の見方を強めました。

 

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これを受けてロレッタ・リンチ司法長官は、クリントン候補の不起訴を決定しました。

Hillary Clinton Email Investigation Closed by Attorney General - WSJ

 

コーミィ長官の発言した『解雇』と言っても、クリントン候補が既にその地位にとどまってはいない限り、『解雇』は出来ません。疑問となるのは、国務長官としての彼女の怠慢や軽率さ、愚かさが、違法行為、或いは犯罪行為として起訴の対象となるかでしょう。

ここで、長官は『意図』という新たな基準を設けましたが、『意図的かどうか』が基準となるとすれば、「飲酒運転で死亡事故を起こしても、歩行者を殺害する意図さえなければ、飲酒運転は許されるか」などの新たな議論が、どの場合でも生じます。

いずれにせよ、アメリカには、現在二人の候補者が与えられています。

 

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一人は、国の安全保障を著しく貶める『意図は無かった』候補者であり、もう一人は、身体に障害を負ったジャーナリストを嘲ったり、詐欺大学を設立して学生から資金を騙し取る、他候補者の父親がJFK暗殺に関与したと示唆する、経済状況が悪化すれば大統領として債権者に債務を負けさせる、反ユダヤ主義のメッセージをツイートする、捕虜となった退役軍人を侮る、サダム・フセインの指導力を称賛する、或いは、実の娘を指して、幸せな結婚をしていなく、実の父親でもなければ、彼女と性的関係を持っていたかもしれないと語る『意図は無かった』候補者です。

トランプ支持者は、「トランプ氏に投票しないならば、ヒラリー・クリントンの不正を何とも思わないという表明になる」と主張しますが、彼らのうちの多くは、他に15人の候補者が共和党から立候補していた頃からトランプ支持を打ち出していました。

彼らの主張通り「限りなく腐敗にまみれたヒラリー・クリントン」以外の『選択肢』が消滅した原因は、彼らにあります。