バグダッドでのテロ...ダル•アル•ハルブ(戦いの家)

44名が犠牲となった、トルコの首都イスタンブールのアタトゥルク国際空港でのテロ、イエメンでの4名人が犠牲となった自爆テロ、バングラディシュのカフェ・ベーカリーでの20名が犠牲となったテロに続き、土曜日の夕刻イラクの首都バグダッドで、爆弾を積んだトラックによる自爆テロが起こり、少なくとも140名が犠牲となっています。

 

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これらは全てISISによって犯行声明が出されています。
 
バグダッドでのテロで犠牲となったのは、イラクやイランで多数派を占めるシーア派のイスラム教徒が殆どで、今回のテロはシーア派とISISの属するスンニ派の勢力争い的な要素も含まれているようです。
 
但し、シーア派とスンニ派の勢力争いを以て、そもそも国境線に問題があるという考えは真実から程遠いと言えます。『世界の宗教戦争、貧困、紛争の裏には全て欧米の非がある」という『陰謀説』に没頭しているのでない限り、現在の中東の国境線には関わりのないサイクス・ピコ合意や、日本が条約締結国として署名したローザンヌ条約に関わらず、これらの宗派の間では勢力争いが続き、宗教戦争が続き、侵略や拡張、テロが繰り返されているのが明らかです。
 
interest.com/2016/05/16/the-bullshistory-of-sykes-picot/
 
何派であっても、世界をアラーのものにしようとしているイスラム教徒にとって、世界の半分を分与されても、更に侵略に侵略を重ね、紛争に紛争を重ね、拡張やテロを繰り返すでしょう。実際に彼らには、世界を自分達の信じるセクトの「イスラム世界」にするまでは休む事が無いと言えます。
 
アルカイダであって、ISIS であっても、ボコハラムやムスリム兄弟団、タリバンやハマスであっても、これらの過激派イスラム教徒がテロを繰り返す理由は、欧米やアフリカ、アジアのキリスト教徒にはなく、仏教徒やヒンズー教徒、ユダヤ教徒にもありません。
 
「不自然な国境線が原因」という主張も、「ISIS とイスラム教とは関係がない」という主張も、共に偽りであると言えます。
 
全てのイスラム教徒がテロリストの筈がありません。殆どはテロとの関わりが無いでしょう。
 
しかしながら、殆ど全てのテロはイスラム教徒によって起こされています。
 
これらテロの背景にはイスラム教という宗教の教えがあることを直視せず、何か他に原因があるかのように誤魔化し続ける限り、これらの卑劣なテロは決して収まらないでしょう。