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核戦争の専門家、トム・ニコールズ氏による「ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプよりマシな理由を一言で纏めれば」

米海軍大学教授、ハーバード大学コースの教授でソヴィエト学の専門家、保守系メディア「フェデラリスト」の専門寄稿者であり、著者でもあるトム・ニコール氏が、「ヒラリー・クリントンの不正腐敗や無能ぶりを考え、決してヒラリー・クリントンが大統領となることを願ってはこなかった」としながらも、「それでも、ドナルド・トランプ氏よりはましである」という記事を書かれていますので、以下に抜粋して訳します。

 

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Tom Nichols: Clinton beats Trump to a deserved pulp - NY Daily News

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トランプ氏の政策は、ヒラリー・クリントン氏が言ったように、政策ですらない。それらはいくつもの不可解な大言壮語であり、個人的な反目、また明らかな嘘である。

 

しかし、これらは、汗だくになった顔でマイクに怒鳴りたてる事と政策を同一するようなトランプ氏の支持者にとっては、どうでも良い事なのだ。しかしヒラリー・クリントン氏は、ある一つのイメージを掲げ、『トランプ教』の外にいる人々に真剣に立ち止まる事をさせた。ホワイトハウスの戦略対策本部にいるトランプ氏が、アメリカ合衆国を代表して生か死の決断を下しているイメージだ。

 

ヒラリー・クリントン氏は、ロシアについて正しい予見をしている。トランプ氏が勝利をすれば、クレムリンの連中はシャンペンのコルクの栓を開けて喜びの乾杯をするだろう。ロシアのインターネット・トロールたちが何か月も、トランプ氏支持のコメントをインターネット上に残しているのはその為だ。しかも、喜ぶのはロシアだけではない。北京も、テヘランも、平壌も、トランプ氏がNATOを踏みにじり、滅ぼすし、クリントン氏が正確に描写したように、経済的災害を招く様子を喜んで鑑賞し、パーティーを開くだろう。

 

そして何よりも、ヒラリー・クリントン氏が強調しなければならない点は、大統領になるには、トランプ氏はあまりにも無知で、幼稚であり、怒りっぽい点だ。彼は大統領執務室に近寄るべき人物ではない。彼は、地球全体を28分間のうちに滅ぼすことができるほどの核のボタンに触れる事を許されるべき人物ではないのだ。

 

ヒラリー・クリントン氏は、大統領にふさわしい人物として、私が支持してきたような人物では決してない。しかしながら、もう一方の選択肢が、怒りに満ちたナルシシストで、衝動のコントロールが出来ない人物である為に、木曜日にサンディエゴで演説を語った女性の方が、米国の最高司令官として相応しいのだ。

 

そして選択肢が限られている現在は、それこそが重要な点である。

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恐らくトム・ニコール氏は、トランプ氏の掲げている政策が、例えそれほど災害的では無かったとしても、核のボタンを任せるには「あまりにも無知で、幼稚であり、怒りっぽい」、「怒りに満ちたナルシシストで、衝動のコントロールが出来ない」人物だという一点で、ヒラリー・クリントンの左翼政策やベンガジ事件の不始末、e-mail疑惑、またクリントン基金の不透明で違法性のある献金などの失点を含めても、ドナルド・トランプ氏よりもヒラリー・クリントンの方が、米軍最高司令官としての大統領に相応しいとしています。

 

勿論、ニコール氏の主張は、「だから政策はどうでも良い」というものでは決してありません。政策については、「トランプ氏の政策は、ヒラリー・クリントン氏が言ったように、政策ですらない。それらはいくつもの不可解な大言壮語であり、個人的な反目、また明らかな嘘である」と書かれています。

 

但し、ニコール氏の書かれている通り、トランプ支持者にとって、政策論争は『どうでも良い事』なのです。これは、私の個人的経験からも言えることですが、彼らは政策について驚くほど全く関心を持ちません。関心を持たないからこそ、トランプ氏の支持ができるのでしょう。

 

『核戦争』の専門家でもあるニコール氏は、一日約50人から100人のトランプ氏の支持者と議論を交わし、彼らの無知を論破されていますが、政策への興味を全く示さないトランプ支持者はともかく、未だ態度を決め兼ねている有権者に対して、「果たしてトランプ氏は、核のボタンを任せられる人物だろうか」という想像をさせる事によって、アメリカだけではなく、地球の生存に関わる決定権をトランプ氏に預ける恐怖を訴えているようです。