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トランプ氏と米民主党 囁かれる『舞台裏での協力』

以下は、BBCによる去年12月の記事です。

Is Donald Trump a Democratic secret agent? - BBC News

 

この記事にもある通り、本来ならば、現在はヒラリー・クリントンのe-mailサーバーの疑惑がメディアの注目を浴びるべき時ですが、実際にメディアの話題をさらっているのは、まず、トランプ氏が最近自分でワシントン・ポスト紙に持ち込んだ、偽名による25年前の電話インタビューのテープ問題と、トランプ陣営による第三の新党を立て挙げようとしているユダヤ系アメリカ人の保守派言論人を「ユダヤ人への裏切者」と批判したニュースです。

 

実は、トランプ氏は「民主党のヒラリー候補の大統領当選を助ける為に、敢えて立候補したのでは?」という憶測は、保守派大手メディアだけでなく、リベラル派のメディアの多くも報道しています。

 

私自身としても、『なぜジョン・ミラーという偽名を使って、自らの女性関係を暴露し、自慢した25年前のテープを「今更」ワシントン・ポスト紙に持ち込んだのか』という疑念と、ヒラリー・クリントン候補のe-mail疑惑が注目を殆ど浴びず、浴びたとしても、「それでも政策的にはトランプ氏よりは、ヒラリー候補の方がマシ」と落ち着くしかない保守派」のジレンマがあります。

 

また、トランプ氏の元政策アドバイザーが、「トランプ氏は共和党からの指名を受けるとは考えておらず、支持率が二ケタになった時に選挙から降りるつもりだと言っていました。その為に外交政策チームも決められていませんでした。」と発言したことも、トランプ氏の『本気度』に疑念を感じるキッカケとなっています。

 

「ヒラリー・クリントン候補よりも、災害的な政策を掲げているトランプ氏を当選させれば、内政も外交も悲劇的な結果を生む」のは本当です。

 

「その恐怖感や警戒感を利用して、長年の友人であるヒラリー・クリントン候補を当選させようとしているのでは?」という憶測は、それほど真実から遠いのでしょうか。

 

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「ドナルド・トランプが民主党によって、共和党を内部から崩壊させるように使わされたダブル・エージェントということはないだろうか?」

 

ジェブ・ブッシュ前フロリダ州知事は、この可能性を否定していない。

 

「ドナルドは、彼の友人であるヒラリー・クリントンとの何らかの約束をしたのかもしれない。」 ブッシュ氏は、トランプ氏が共和党から独立した場合、殆どの彼の支持者は彼に従っていくという調査結果をひけらかした際に、「このままでは、ヒラリー・クリントンがホワイト・ハウスを勝ち得るだろう」とツイートをしている。

 

彼は共和党からの同労者を馬鹿にし、2013年に考えられた、異文化共存を鑑みた党戦略とは全く逆方向の、右翼排他主義に引っ張っている。また政治的な酸素(メディアの露出)を独り占めしているため、他の候補者のメッセージがなかなか伝わってこない。全ての専門家は、トランプ氏によって大統領選挙の際に、共和党が苦戦を強いられることで一致している。これらは意図的に行なわれているのではないだろうか。

 

これらは、ジェブ・ブッシュ氏のツイート以前から囁かれていた仮説だ。
「もしドナルド・トランプ氏が、民主党からの錯乱要員だとしたら、彼の振る舞いは、今とどう違っていると考えますか?」保守派の政治評論家ジョージ・ウィルが7月、問いかけをした。「何ら違いはないでしょう。」

 

その一週間後、フロリダ州選出のカルロス・クーベロ共和党議員は、トランプ氏を「このすべての政治サーカスを作り出すように左翼によって送り込まれた怪人候補者」を呼び、この『トランプ陰謀説』の土台となっているものを説明した。

 

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「トランプ氏とビル、ヒラリー・クリントン夫妻は近い友人関係にあります。クリントン夫妻はトランプ氏の三番目の結婚式に出席しています。彼はクリントン基金に多額の献金をしています。彼はヒラリー夫人の議員選挙を応援しています。これらは全て懸念の基となっています。

 

勿論、トランプ氏は多くの共和党員にも献金をしている。全ての派の政治家を「買収」したことは、彼の自慢の種でもある。またトランプ氏の結婚式についても、彼はニューヨークの全てのエリート達を招待し、クリントン夫妻もその中に入っていただけだ。

 

しかしそれだけではない。

 

疑念の念を抱かせるのは、5月にトランプ氏とビル・クリントン氏の間に交わされた電話だ。この後一か月もたたないうちに、この不動産王は選挙戦に立候補する事を表明している。

 

その電話の内容は、秘密とされているが、保守派の間では、ここでマキャベリの種が撒かれたという憶測がなされている。

 

ワシントン・ポストは当時「クリントンは、トランプが共和党内での影響力を増す努力を称えました。そして、クリントン自身の政治視点を教授しました。」と報道している。

 

Donald Trump talked politics with Bill Clinton weeks before launching 2016 bid - The Washington Post

 

保守派のコメンテーターである、ブライアン・ケイツは、もっと思い切って書いている。

 

「トランプは、アメリカへの深い愛に絆されて、或いは「共和党員だから」、「保守派だから」という理由で選挙選に立候補したのではない。トランプが選挙に参戦した理由は、ビル・クリントンの勧めによる。」

 

そして自社の金のエスカレーターを降りながら自らの立候補を宣言した6月の半ば以来、彼はメキシコ系移民に対してや、イスラム教徒、その他の共和党候補者、メディアやその他もろもろ、目につくものに対する暴言を乱射して、話題をさらっている。

 

コメンタリー誌のノア・ロスマン記者は、トランプ氏の『痛烈な罵倒、暴言』が、常に「タイミング的に、民主党政治家の失政などを暴露され、批判されるべき時と一致します」と語る。

 

例えば、トランプ氏は、オバマ大統領によるISISに関する幼稚な演説の翌日、全てのイスラム教徒に対して入国を禁止するようにコメントをしている。

 

2012年のベンガジ事件後のヒラリー・クリントンの行動やe-mailサーバー疑惑が注目を浴びる度にも、もっと顰蹙を買うような「トランプ発言」によって、話題がさらわれている。

 

「これらは、はっきりとした証拠に基づいた仮説ではありませんが、ドナルド・トランプがいかにメディアの批判から民主党議員を助けてきたかを考えれば、驚くほどの(民主党の汚点と、トランプ氏の騒動に、タイミング的な)一致が見られます。」

 

何度トランプ氏が焼夷弾のようなコメントで、メディアの見出しを飾ってきたか、また保守派が何度、民主党議員の不正を暴露するメディアの見出しを飾れた筈かを考えれば、ロスマン氏の疑念も驚くべきことではない。

 

格言にもあるように、被害者意識の持ち主にも敵はいる。とりあえず、共和党員の中には、トランプ氏を同志として見るよりも、敵として見る人々が多い事は事実だ。