読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

トランプ氏によってもたらされた共和党分裂の危機 4月5日ウィスコンシン州選挙

アメリカの政治事情 日本の歴史、政治

火曜日夜開票されたウィスコンシン州での共和党オープン・プライマリー選挙で、テッド・クルーズ議員が52.9%の得票率で勝利を収めています。

ウィンスコンシン州での結果をもって、クルーズ議員の選挙人獲得の合計は505人となりました。

首位を走るトランプ氏の737人に追いつくことは難しいと思われますが、トランプ氏が党の指名選を勝ち取る為に必要な、1,237人の選挙人獲得には、歯止めがかかると見られています。(ただし、これから行われるニューヨーク州の選挙や西海岸の選挙で、れっきとした保守派のクルーズ議員の支持が伸びるとは見られていません。)

 

f:id:HKennedy:20160406124755j:plain

 

これをもってトランプ陣営は、一般投票の結果によらない「『ブローカード・コンヴェンション』となれば、支持者が怒りのあまり暴動を起こすだろう」と法治国家の大統領選に立候補している者らしからぬ警告を発しています。

 

ウィスコンシン州の結果は、トランプ氏によるスコット・ウォーカー、ウィスコンシン州知事へのバッシングが一因とあります。ウォーカー州知事は支持率の80%を誇る共和党州知事ですが、2016年の大統領指名選に立候補をしたものの、去年の秋に選挙戦から撤退し、反トランプ支持を宣言し、ウィスコンシン州の選挙前には、テッド・クルーズ議員支持を表明しています。

Trump vs. Scott Walker - WSJ

 

対戦相手やライバル支持を表明する共和党員を激しく個人攻撃するのはトランプ氏の常套手段ですが、ウォーカー州知事の『税金を上げない政策』や『失業対策』『公共事業を抑える』政策などを批判しましたが、これらは州の住民に支持されて効果を上げている政策であり、ウィスコンシン州は、ウォーカー知事の政策で生活のレベルが全米の標準を上回っています。住民が「良くなった」と実感している政策を、言葉の上で批判をしても、説得力がありません。

また、ウィスコンシン州は、共和党員として登録している有権者だけではなく、無党派層や民主党支持者も共和党の候補者に投票できる『オープン・プライマリー』であったのにもかかわらず、クルーズ議員の飛躍があった理由には、ヒラリー・クリントン候補とバーニー・サンダース議員の間の選挙が緊迫しているため、民主党員による共和党候補者への投票率が伸びなかったことも一因と考えられています。

Ted Cruz Wins Wisconsin GOP Primary - WSJ

 

勿論、トランプ氏自身によるクルーズ夫人や、ブレイトバートの女性ジャーナリストらへの暴言や、『中絶政策』に関する立場の転換などがあったことも、少なからず一因としてあるかもしれませんが、これらの暴言や無策が、多くのトランプ支持者の考えを変えることはないという見方もあります。

1,237人の選挙人の獲得が出来なければ、トップを走るのが誰であっても、共和党はブローカード・コンヴェンション選挙に持ち込まれます。トランプ氏はこれを不服としていますが、民主党から立候補をしていれば、一般投票の結果に左右されない選挙人の数はもっと多く、さらに「不公平な扱いを受けた」と泣き喚く事になったでしょう。

 

勿論、ブローカード・コンヴェンションとなっても、トランプ氏が選出され、共和党のルールに従わない『トランプ大統領』が誕生する可能性はあります。共和党からの指名をトランプ氏以外が受ければ、その時点で共和党が分裂する危機が囁かれています。

いずれにせよ、トランプ氏が党の指名を受けても、受けなくても、共和党の存続そのものが危ぶまれています。