ドナルド•トランプの引き際

一連のトランプ氏の言動や、トランプ氏の資質を鑑みて、トランプ氏が果たして本心から大統領となりたいと考えているのかを疑問に思う声が、メディアから出ています。


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この疑問は、私も感じていたことですが、ナショナル・レビュー誌が、過去のトランプ氏の自伝をまとめたジャーナリストや、トランプ氏の元選挙政策アドヴァイザーの言葉から、「トランプ氏は、共和党の指名選のトップであり続けることを期待したものではなく、二位のまま、「もう少しで大統領のなるところだったのに、政治の世界の汚さに嫌気がさした』という引き際を狙っているのではないか」という見解を発表しました。


トランプ氏の元選挙政策アドバイザーのインタビューによれば、トランプ陣営は指名選に勝利する事を見込んではいなかった事が語られています。トランプ氏の政策がハッキリとしていない原因は、政策について、ハッキリとした考えをそもそも持っていなかった事が考えられます。

トランプ氏の人物伝によれば、トランプ氏には、注目を浴びる為にどんな過激な内容の発言もする傾向があると記されていますが、大統領選の出馬も、元々は自身の「トランプというブランドに箔をつける目的があった」と言われています。

ビジネスの世界では既に頂点に立っているトランプ氏にとって、大統領になる魅力は、実質的にはあまりありません。大統領となれば、収入は却って減少し、ホワイト•ハウスへの転居も、自宅よりは手狭となります。

何よりも、トランプ氏には、絶えずマスコミや反対派に批判され、行動が一々規制され、疑問視されるであろう大統領になってまで遂行したい、具体的政策があるとは思われません。それよりは、「大統領選挙に立候補し、ある程度の票を獲得したあと選挙から撤退し、発言権だけを確保する方が自身のブランドにとって有益だと計算した」と考える方が自然です。

自身に対する少しの批判も、過度に、しかも執拗に反応する性質では、大統領という務めは、向かない職と言えます。彼は以前もテレビ•インタビューで、「大統領選への出馬は自分にとって不利益であり、自分は一体何をしているのだろうと考えることがある」と答えていましたが、これは恐らく本音でしょう。

ところが、普通であれば、ずっと以前に彼から支持を奪っていた筈の、支持者や女性、身体障害者をばかにする発言も、元々トランプ氏には道徳や政策を求めていなかった支持者にとっては、気にならないようです。彼らはそれよりも、トランプというブランドの下のヒラリー•クリントンに対する勝利だけを求めていると答えています。

まさにトランプ氏側は、大衆の愚かさを甘く見ていたのでしょう。ここでトランプ氏に精神の健全さが残っていた場合、ブランドに傷が付く前に選挙戦から撤退するでしょう。

トップ候補者であることと、彼の巨大なエゴイズムが邪魔をして、引き際を見逃す場合には、彼自身も国家も、ひどく苦しむ結果となるでしょう。