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日米同盟の見直しを語るドナルド・トランプ

共和党指名選挙のトップ候補者であるドナルド・トランプ氏の「外交政策の概要」らしきものが、ニューヨーク・タイムズの電話インタビューで明らかになりました。

http://www.nytimes.com/2016/03/27/us/politics/donald-trump-transcript.html?_r=0

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以下がニューヨーク・タイムズからの記事(抜粋)です。

http://www.nytimes.com/2016/03/27/us/politics/donald-trump-foreign-policy.html?_r=1

 

「もし大統領に当選すれば、サウジ・アラビアやその他のアラブ諸国からの原油の購入は、彼らがISISに対する戦いに地上軍の派遣をするか、アメリカの対ISIS戦闘にかなりの見返りを与えない限り、停止をさせます。」

 

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ドナルド・トランプ氏は、二回にわたって行なわれたニューヨーク・タイムズとの電話インタビューで、「もしアメリカの保護がなければ、サウジアラビアは存在すらしません」と語っている。

 

同時に、北朝鮮と中国からの脅威に対して、アメリカの核の傘に頼るよりも、日本と韓国には、自国の核を開発させることも視野に入れると答えている。「もしアメリカが、今のまま弱体化の道を真直ぐに進んでいくなら、彼らはどの道、私との議論があってもなくても、そうするでしょうから…」

 

また彼は、日本と韓国が在日、在韓米軍の住宅費と食費負担を劇的に増加させない場合は、基地を撤退させるかと聞かれ、「喜んでではありませんが、そうします」と答えている。

 

トランプ氏は、彼が「一方的だ」と評する56年間続いた日米安全保障条約を含む、同盟国との基本的な条約についても、見直していくと語ってもいる。

 

トランプ氏の世界観は、アメリカが貧弱な指導者となっており、世界の舞台での地位をもう一度立て直す為には、経済交渉によると考えられているようだ。 世界の殆どの問題に対して彼がとるアプローチは、すべて『交渉』である。戦略的な結果が不明瞭であった時でさえ、掲げていたのは「交渉」だった。彼はオバマ政権のイランとの核開発合意について、「我々は何度か合意を中断させ、(不満を表明するために)その場から立ち去れば良かったのです」と批判しているが、ではその合意内容の改善点については、「北朝鮮との貿易を止めさせるべきです」という新しい考えしか提供していない。

 

トランプ氏は、NATOの将来についても、同じような「アメリカにとって、経済的に不公平です」という批判を繰り返し、「反テロの戦いを専門とする、別の組織を視野にいれています」と答えている。また彼は、中国の南シナ海での人工島の軍用飛行場と対空部隊の活用を中止させるための最良の方法は、中国のアメリカ市場への介入を禁止することにあると主張している。

 

「我々は、中国に対して非常に大きな力を持っています。それは、貿易の力です。」 彼は中国がなし得る経済的反撃については述べなかった。

 

トランプ氏の世界観は、トランプ氏自身認めている通り、近年の共和党のものとは全く別のものである。彼は国際社会との協調を掲げたブッシュ元大統領とも、その息子のジョージ・W・ブッシュ元大統領の掲げた「民主主義社会を世界に広げる」というものとも違う。彼のアイディを要約すれば、「アメリカを第一とする」というものだ。

 

「私は一国平和主義ではありませんが、『アメリカ第一主義』です。そういう表現が好きです。彼は、もし同盟国が、世界中のアメリカ軍の存在のために、現金で支払ったり、あるいは軍の派遣で協力をしないならば、伝統的なアメリカとの同盟を喜んで見直すと発言している。「我々はもはや誰からもむしり取られる事はありません。」

 

先週のブリュッセルでの爆発とエスカレートするISISに対する戦いを受けて、候補者たちは選挙戦の中心課題を、どのようにアメリカを守り、世界の中でどのような外交を目指していくのかという質問に変えた。

 

トランプ氏の考えは、断定的で、理解し易く説明されている。それでも、それら考えは、招きかねない結果について、殆ど思考がなされていない事を反映しているのだ。政治的ライバルやジャーナリストに対するのと同じように、彼が外国に対してどのように付き合っていくかという姿勢は、彼も認める通り、ある意味、個人的に彼にどのように接するかにかかっている。それには国益や同盟は関係ないらしい。

 

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一部の抜粋ですが、少しでも経済や貿易、また同盟というものがどのように働くかを考えた事のある大人ならば、彼が「傷ついても構わない」と言っているのに等しい「同盟国の傷」は、そのままアメリカにも降りかかってくることが分かります。

 

アラブの同盟国から原油を買わない…という案ですが、アメリカという顧客を失うことになるこれらの国々は、その後、どの国に原油を販売し始めるでしょう。

 

加えて、ここで彼がいかに日本と韓国の安全保障を危機に陥れているかという点ですが、『トランプ大統領』が、「日本と韓国はアメリカの核の傘によって守られるよりも、自分たちで核開発をすれば良い」と宣言したからと言って、「ハイ。そうですか」と核兵器の開発に取り掛かれるとしたら、大きな間違いです。

 

この場合、北朝鮮や中国は、自国の安全保障が日韓の核兵器開発によって脅かされているとして、先制攻撃を加えると考えられます。

 

また、中国がアメリカの国債を大量に買い占めていることを考えれば、アメリカの方こそ、弱みを握られているというのが本当です。

 

わがままが通されてきた8歳のいじめっ子のようなトランプ氏には、優れた外交・経済政策へのアドバイザーが皆無のようです。彼のようにうぬぼれが強く、その意見に対して疑念を抱いたり、反論するジャーナリストをツイッター上で嫌がらせし続けたり、「名誉棄損」で法的に訴えるような『暴君』に対して、真の経済学者、軍の専門家、外交専門家らは、既に反トランプを掲げています。

 

アメリカの政治の歴史史上、これ以上に無いほどの腐敗した政治家と呼ばれるヒラリー・クリントンが大統領になった場合、トランプ氏のように、大規模な戦争を世界各地で勃発する原因を作ることは考えられません。

 

一部の保守派が、トランプ氏が共和党からの候補者となった場合、人生で初めて、民主党に投票することになると答えています。

 

8歳のいじめっ子のようなトランプ氏こそ、尊敬を受けるに相応しい、偉大な指導者となる…とこの期に及んでも信じるような支持者たちは、そのスローガンの中身をじっくりと考えたことはあるのでしょうか?