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マイケル・オースリン記者の評価する、『総理大臣・安倍晋三』

マイケル・オースリン記者と言えば、ウォール・ストリート・ジャーナル紙などで、日本に関する記事を書かれる方ですが、今回は、『アメリカン・エンタープライズ・インスチチュート』に、安倍首相に関する記事を書かれていました。
 
オースリン記者の、安倍首相に対する高い評価が感じられます。
 
以下がその全文(拙訳)です。
 
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安倍晋三は、日本の、(ウォー ター・ゲート以前の)リチャード・ニクソンである。1960年の大統領選挙でジョン・F・ケネディーに敗北したニクソンのように、彼はかつて失敗を経験し た。またニクソンのように、彼は政治的無関心から国民の関心を揺り起こし、彼の世代の中の、最も戦略的な思考の持ち主であると証明をしている。彼は 1980年代以降、初めての鮮明な経済政策、外交政策を掲げ、何十年かに一人表われるかもしれない、優れた指導者となりつつある。
 
 
 
安倍は、第二次世界大戦のあと戦犯とされた1950年代の首相の孫息子である。彼はその殆どのキャリアにおいて、日本が戦争中何も悪いことをした事が無いと信じ、70年間日本を平和国家としてきた憲法を覆そうとする、危険なナショナリストであると批判を受けてきた。安倍の語った主張のいくつかは、このような批判に信頼性を与えるものだし、戦犯が祀られているため、議論の的となる靖国神社参拝のような行動は、戦時中の日本によるアジアの犠牲者にとって直接的な挑発であると見られてきた。
 

 

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2012 年に安倍が政権に返り咲いた時、日本は皮肉なことに、2007年の安倍辞任以来、首相が一年ごとに変わる困難の中にあった。日本はさまよい、政治的な不機 能に陥り、チェルノブイリの事故以来、最悪の原発事故を生み出した、2011年の震災と津波から立ち直ろうとしていた。日本の有権者の冷笑主義は、日本の 二大政党を行ったり来たりさせることになった。
 
 
安倍は2012年に、主に経済政策に腰を据えようとした姿が評価されて、選挙に当選した。1990年に日本経済のバブルが弾けて以来、日本は失われた希望となり、日本は、それでも世界第三位の経済力を誇りつつ、ほぼ25年に近い経済の低迷や不況に耐えていた。
 
 
安倍は記憶に残る限り初めての、わかり易い経済改革を大々的に打ち出した。それはすぐにアベノミクスと呼ばれるようになる。『機動的な財政政策』『大胆な金融政策』『民間投資を喚起する成長戦略』など、俗に言う『三本の矢』で構成される計画である。間欠的な動作の後、この計画は実践され、もっと大胆で広い範囲に及ぶ構造改革を求める声があるものの、安倍は今後10年に渡って経済の再形成をする幾つかの取り組みを押し通した。特に最近日銀が取り入れたマイナス金利など、改革の究極的な影響を疑問視する声があるものの、国内外の財界人には将来的な経済について明るい見通しがなされている。

 


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長年にわたる経済的スランプの 為、日本は世界、また地域に於ける影響力を失なってきた事は否めない。1980年代には、多くの人々が世界のリーダー、少なくともアジアのリーダーになる であろうと予測していた国が、アメリカの再興と中国の台頭の両方によって、影を投げ掛けられている。安倍は、世界の諸問題に於ける日本の長年の影響力の無 さを逆転させた。彼は常に日本が世界のステージで、その経済力に相応する、より大きな役割を担うべきだと主張してきた。
 
 
安倍の外交方針の中心は、アジア地域でのパートナーシップの相互関係を築くことにある。それは、法の支配、航行の自由、自由貿易を含む、地域の自由主義の秩 序を維持する為である。彼は、東南アジアの国々との間の防衛協力を深めつつ、インドやオーストラリアとの間に近しい絆を作り出した。同じくらい重要な事と して、戦時中の『慰安婦』問題ついて韓国に公式に謝罪をし、それによってアジアの歴史の暗い一章に幕を閉じるという、大胆な行動を取った。
 
 

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日本を海外でも信頼のおけるパートナーとする為に、国内の反発を承知で、集団的自衛権の見直しや、武器の輸出などを含める変革を行なった。また日本の国防費 を、ほぼ10年に渡る削減から、増加させた。非同調者としての道を辿るどころか、安倍はワシントンと、日米同盟の在り方に於ける、(日本の)役割の拡大に 合意を結んだ。加えて彼は、米国議会の前で日本の戦時中の行動を謝罪し、平和と安定を支える日本の決意を表明したスピーチを含む、いくつもの記録に残るべき演説を行なった。
 
最も重要な成果は、安倍が、国内政治の安定と、日本の政策に対する目的意識との両方に、回復感をもたらした事にあるだろう。未だに危険なナショナリストというレベルを貼られる事があるが、安倍は国民からの支持によって選ばれた、民主主義者である。また彼は、過去と現在のパートナーとも協力する姿勢を見せる、洞察力のある現実主義者だ。彼は今だ、突出した支持率を誇る、最も人気の高い政治家であり、彼の率いる自民党は、彼の復帰以降、二つの重要な選挙に勝利している。何年間にも渡る漂流の後、国内のいたる所で遭う日本人は、将来に対する楽観をやっと持ち始められた事を、旅行者に対して打ち明けるのだ。
 

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経済政策と外交政策に見られる彼の野心的な計画が、たとえ計算通りの結果を生み出さないとしても、安倍晋三は、日本の近年の記憶の中で最も重大なリーダーとして、その批判者達を狼狽させる事だろう。

 

 

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