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『尖閣を守らない』とは、明言をしないだけのドナルド・トランプ  Washington Post紙記事より、

ワシントン・ポスト紙ハイヤット記者:「その場合、もし彼ら(中国人)が、日本が尖閣諸島と呼ぶ島々を占領した場合、それはアメリカにとって…」

 
ドナルド・トランプ:「ああ、まあ、繰り返しますが、私が何をするか、ハッキリと言うことは避けたいと思っています。嫌なんですよ。わかりますか?  フレッド? (フレッド記者を見て) もし、もし私が、『我々は行ってこれとこれをする』…嫌なんですよね。注意信号を設けるのは、嫌なんです。思うのですが、彼ら(中国)が行なった事は、信じられないような攻撃です。この国に対する尊敬の念が全くありません。」
 
ハイヤット記者:「この、『予測不可能でいたい』という原則ですが、これについてお聞きしますが、『北朝鮮が韓国に侵略をしたのは、ディーン・アチソン国務長官(当時)が、アメリカが韓国を防衛することを明確に示していなかったからだ』という見方も多くなされています。予測不可能である事は、時として危険を伴うと考えられませんか?」
 
ドナルド・トランプ:「いいですか? 例えを挙げてみましょう。オバマ大統領ですが、彼がイラクからの米軍を撤退させた時、撤退の日程まで知らせていました。我々はイラクから撤退する、と。ひどいアイディアだと思いましたよ。ですから敵はいったん退きました。メディアは彼らがただ死にたがっているだけのように書きますが、無駄に死ぬことを避ける為です。彼らだって、無駄死にはしたくないんです。それで、彼らはいったん退きました。そして我々が撤退した後、色々な地獄模様が発生しました。
 
他の例をあげましょう。これも酷い例ですが。何か月か前に、50人の部隊を送りました。50人のエリートたちの部隊です。何で50人を送るなんていう記者会見をしなきゃいけないんです? さあ、これらの50人はターゲットになっています。そんな事はするべきではないんです。我々は全く予測不可能であるべきなんです。『レディース・アンド・ジェントルメン、我々はイラクやシリアに50人を送ります。これらは我々のエリートたちです。彼らの仕事はこれとそれをする事です。』 彼らの部隊は、今やターゲットとなっています。もし彼らを送らなかったら、ターゲットになる事はなかったでしょう。言わなければ知られないで済んだんです。ハッキリしてはいけない時があるんです。我々はしゃべり過ぎるんです。政治的にその方が良いと思ったのかもしれないですけれど。50人の部隊を送るって...私はそれが良いとは思いませんね。」
 
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ハ イヤット記者の指摘する、「アメリカの介入が明確に示されない事が誘発する軍事行動の危険性」について、トランプ氏の回答からは、『日程まで公表した上で の撤退の愚かさ』と、『戦闘に参加する事のない軍事アドバイザー50人の派遣を公表した愚かさ』が述べられただけです。
 
もしトランプ氏の考えの中に、在日米軍撤退や、尖閣諸島の有事の際には軍事アドヴァイザーを派遣するという考えしかないならば、確かに、明確に宣言をしない方が良いでしょう。
 
トランプ氏は、「『尖閣を守る』という姿勢を明確に示していない」というよりは、在日米軍基地がアメリカにとって何の利点もなく、極東からの米軍のプレゼンスを縮小するべきだという考えのみを「明確に」示されています。因みに、(NATOから撤退するべきだと受け取れる発言もしています。)
 

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米軍の出方を予測不可能にする為には、「もしかしたらアメリカは軍事介入を行ない、尖閣を守るかもしれない」と受け取れる発言をする事も必要かと思われますが、そのような発言は、一度もされていません。
 
貿易戦争に関しては、「日本は、我々がふざけていない事を知って初めて、円でのお遊びをやめる」と発言し、『明確に意思表示をする事によって初めて、相手側が行動を慎む』という主張をしています。
 
トランプ氏の発言した内容、また発言していない内容から考えれば、「在日米軍の撤退については、明言をしたくない」というニュアンスが読み取れます。