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トルコとISISの関係

国際政治事情 イスラム教

トルコは、もともと世俗派イスラム教徒がイスラム主義者を弾圧していた世俗イスラムの国でした。世俗イスラムとは、コーランやイスラム法(シャリア法)、ハディーシュ(口伝)を否定し、イスラム教を『宗教』ではなく、『伝統文化』として受け継いでいるイスラム教徒であり、中にはコーランを読んだ事もない人々、預言者の存在も信じていない人々もいます。世俗派イスラム教徒と、穏健派イスラム教徒とは、別に考えられるべきです。

 

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トルコは長年、世俗派イスラムの国として、民主主義を確立してきたものの、軍によってイスラム主義者(Islamists)を弾圧、迫害してきました。イスラム主義とは、イスラム法(シャリア法)の支配を求める政治運動です。人権や権利の確立した民主主義と、イスラム主義が共存できない事を承知していたからです。

 

 

ところがEUの加入が取り沙汰されると同時に、イスラム教に対する無知なEU内の声として、トルコにおいてなされる軍によるイスラム主義者への弾圧が非難され、トルコは軍によるイスラム主義者への弾圧と迫害をやめました。イスラム主義者は勢力を取り戻し、選挙において議席を獲得し、政治に関わり始めました。

 

 

トルコのエルドアン大統領は、イスラム主義復興の功労者の一人ですが、彼の下で、言論の自由、思想、宗教の自由が有名無実となってしまった事は、イスラム主義に反発する多くのトルコ人が証言しています。

 

 

トルコとISISの関係ですが、トルコは勿論、外交上言葉ではISISを非難します。但し、トルコは時としていくつかのテロ組織を支援し、対クルド人への戦闘においては、ISIS支援をしています。 

Erdogan, ISIS, and Turkey's War Against the Kurds - The Atlantic

 

 

またエルドアン現大統領こそ、ISIS台頭当時の資金援助のパトロンであり、現在もISISがトルコとシリアの国境を行き帰する事を黙認しています。

http://www.newsweek.com/end-turkeys-double-game-isis-401606

 

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シリアのISISへの武器輸出などは、殆どトルコを通過していますが、トルコにはこれらの武器供給ラインを封じ込める気はありません。その理由は、ISISに対して最も強力な敵対勢力がクルド人勢力であり、クルド人勢力は、シリアのアサド政権にとっても、トルコのエルドアン政権にとっても、国内の独立派を活気付ける宿敵だと考えられているからです。

Turkey could cut off Islamic State’s supply lines. So why doesn’t it? | David Graeber | Opinion | The Guardian

 

 

このようなトルコの『対ISIS政策』に対して、勿論欧米諸国から批判が続きます。そうした批判から身をかわす為に、トルコが「ISISはイスラムではない」と宣言しても、トルコにとっても、ISISにとっても、痛くも痒くもないでしょう。