止めるもののない現在進行形の虐殺-----ISISが何をしているか

西側による中途半端な覚悟の欠如は、ISISの勢力拡張を止める事が出来ないだけでなく、ISISのような過激思想を持つテロ組織に参加する若者を止める事もできません。物質的には恵まれた社会で育ちながら、「魂の求める"何か"」を探し求めている若者は、ISISのような「妥協する事のない厳しい 思想」に答えを見出す傾向があります。

 

シリアやイラクの子供たちの置かれている悲惨な状況に同情をするだけでなく、厳しい軍事的制裁を加えなければ、『二度と繰り返してはいけない』と言われている類の悲劇は収まりません。

 

以下、コメンタリー誌の記事をご紹介します。

www.commentarymagazine.com

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原油取引による収入の減少に伴い、ISISがその「戦士」らに約束している給与を含む社会保障も2015年初頭の基準を保てていない事が、米財務省の報告に纏められています。2015年の初頭には、毎月約50億円の収入が原油取引によってありましたが、現在はその何分の一かしかありません。尤も、ISISの 収入源は原油取引だけではなく、住民からの税収がその半分を占めますが、2015年の12月にISISリーダーのアブ・バクル・ アル・バグダディが述べた録音メッセージによれば、ISISは多方面からの攻撃によって打撃を受けている事が確かなようです。

 

確かにイラクにおいては、ISISが何か月も占領していたラマディがイラク国軍と協力関係にある武装集団によって奪還され、シリアに於いても、クルド人部隊と親米派のシリア民主軍による掃討作戦によって、ISISは占領していた地域から追い払われています。

 

ただこれらの『勝利』は、ISISがインドネシアやトルコ、フランスの首都でテロを起こすことを防ぐ事は出来ません。ヨーロッパに向けて移民を装ってジ ハーディストを忍び込ませる事を防ぐことも出来ません。イラクやシリアに於いて捕虜となった幼い子供を少年兵として訓練したり、性奴隷として少女を売ったりする事を止められないのです。

 

実際、イラクやシリアなど、中東で彼らが子供たちに犯している犯罪は、「可哀想」の同情で済ませられるべき類のものではありません。今まで数多くの虐殺について「(このような人道に対する犯罪は)決して繰り返されてはいけない」と言われてきましたが、ISISによって犯されている犯罪は、感情的反応を招くばかりで、西側諸国の、特にリベラル派の、断固とした決意を促してはいません。

 

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これらの人権侵害を止めるには、彼らが化学兵器を用いて仕掛ける戦いに、西側の兵士を投入する覚悟が要ります。子供たちが少年兵とされたり、性奴隷として売られる事を防ぐには、これら少年兵が西側の兵士を殺害する前に、少年であっても彼らを殺害する必要すらあります。現実を見据えるなら、こうした覚悟が必要とされます。

 

ところが西側は、これらの子供たちの置かれている状況に心を痛めて同情はするものの、根本的な解決をする為に、地上軍を投入し、彼らを制圧していくまで覚悟を決めてはいないようです。

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覚悟のない同情だけでは、『二度と繰り返してはいけない』悲劇は、止めるもののないまま繰り返されるだけです。