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日米安全保障条約の上に胡坐をかくな

ギャロップ社の意識調査によれば、89%のパキスタン人、75%のインド人、73%のトルコ人、71%の中国人、59%のロシア人、44%のアメリカ人、27%のイギリス人、18%のドイツ人が自国を守るために戦うと答えています。

 

同じ質問に「自国を守るために戦う」と答えた日本人は11%となっています。

 

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https://twitter.com/intlspectator/status/706113544366854146

 

 

私が疑問に感じるのは残りの89%の意識です。

 

「誰も攻めてくることはない」と考えているのでしょうか? それとも「アメリカが守ってくれる」と考えているのでしょうか?

 

「誰も攻めてくることはない」と考える悠長な意見は左派に多く、彼らは「お花畑」と呼ばれているようですが、「アメリカが守ってくれる」と期待するのは、どの層でしょう。

 

日本人の中には、アメリカがいかにも戦争が好きで、戦争の度毎に軍事産業に利潤が出るために、侵略戦争をどこでも起こすという偏見があるようですが、一つの産業だけの利潤で、国全体の経済が潤う事はありませんし、大統領がそのように国民を納得させたことは一度もありません。

 

どの国でも、産業は自国が戦争を行っていない期間にこそ発達するものです。

 

 民主主義国家では、当然のことながら、一産業の利潤があったとしても、その為に自国の兵士の命を犠牲にする事は、国民と議会が支持しません。国民やと議会の支持のなければ、大統領でさえ独断で戦争を起こせません。

 

「ブッシュ大統領は嘘をついてイラク戦争を起こした」という陰謀説は、アメリカでも未だに主張されていますが、実際にどれくらいのやり取りを、CIAや議会、国連と繰り返していたかを調べれば、慎重に慎重を重ねてた上での「イラクの保有している大量破壊兵器が、アメリカの安全保障を脅かしている」という理解の上での決定だったことがわかります。

 

日本人が「アメリカは戦争が好き」と主張する際には、アメリカがなぜ外国の戦争や紛争に介入したかを無視したまま、守ってもらっていることに対して、負い目を感じなくて済むという思いがあるのかもしれません。ついでにナショナリスト的な考えでは、「だから第二次世界大戦もアメリカが始めたんだ」という恨みつらみも言いたいのでしょう。

   

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ところが、この意識調査では、自国を守る為でさえも44%のアメリカ人しか「戦う」と答えていません。自国を守る為でさえ、44%のアメリカ人しか戦うと答えないのに、そのアメリカ人が、果たして極東の日本のために戦ってくれるでしょうか?

 

アメリカの安全保障の傘を何の躊躇もなく信じる為には、現実と論理を無視するしかありません。ましてその期待の上に胡坐をかき、「アメリカは戦争が好きな国」と主張する事は、お花畑より悪い『卑怯』の類です。

 

実際に、アメリカの世論は外国の戦争に介入することに消極的で、極東の安全保障も日韓に任せるべきだという考えが一般に広まっています。そうは言っても、日米の安全保障条約が一昼夜にして廃れることはないでしょうが、内容に変化を求められる時は必ず来るでしょう。

 

いつまでも無償の安全保障などがある筈はなく、「誰も攻めてこない」という楽観視も、「アメリカは戦争が好きな国だから」というこじつけも、現実を直視していないと言わざるを得ません。