ベンガジ事件とヒラリー・クリントン 『13 Hours』

2012年、オバマ大統領再選の為の政治判断によって、在リビアの米外交官が見殺しにされた疑いがかけられている『ベンガジ事件』ですが、事件の調 査委員会を取り仕切るトレイ・ガウディ―議員(共和党)は、先日公開された、この事件を扱う映画『13時間:ベンガジの知られざる兵士たち』について次の ように述べています。

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「映画、『13時間:ベンガジの知られざる兵士たち』が現在映画館で公開されています。これを観てはいませんが、ベンガジ調査委員会はこの映画の基 となっ た本の複数の著者にインタビューを行ないました。2012年の9月11日に何が起こったかを世界に知らせる事が出来るのは、何と言ってもテロリストの攻撃 を目撃し、それからアメリカ人らの命を守る為に戦い、血を流した英雄たちです。ですから議会がこれらの人々にインタビューを行なう以前に、調査委員会は彼 らからの証言を聞きました。

 

証言者の中には、襲撃された大使館への救助から身を引く命令があったと主張する証言と、そういった命令はなかったと主張 する証言があります。私は国に使える一人一人に対して尊敬を持っております。特に、世界で最も危険な場所といわれている土地に赴任している人々に対しては 敬意を表します。私はその場にいませんでしたから、私に出来る事はアメリカの人々に、証人となったこれらの人々の言葉を伝え、その判断は証言を聞く一人一 人に委ねる事です。

 

ベンガジ委員会が要請した書類を受け取ったのちに、また、この委員会が必要と考えるすべての人々からの証言を聞いたのちに、委員会は調査から学んだ事を報告に纏めるつもりです。何が起きたのかという事実こそ尊重されるべきです。」

 

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トレイ・ガウディ―議員は、元検察官だけあって、質問に切れがあり、綿密で論理的な議論をする事で有名です。ベンガジ事件の調査委員会に於いても、ガウディ―議員によってクリントン元国務長官の証言の矛盾は指摘されています。

 

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『救助作戦を行なってはいけない命令』があったか無かったかはともかく、攻撃された大使館へのセキュリティー強化が国務省によって拒否され、却って人員削 減がなされていた事、また事件発生後何時間か経った後も、大使館への救助作戦が行なわれなかった事は事実です。事件が明らかになった後も、国務省は現地の生存者の帰国の為に、一機の飛行機を遣わすこともしませんでした。

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事件が公表された直後、ヒラリー・クリントン国務長官(当時)は、事件の背景にイスラム教を描いた映画があるとし、遺族に対して「映画製作者を必ず逮捕し てみせます」と約束したとされています。彼女の約束は、ベンガジ事件の被害者となった4家族のうち、3家族が、クリントン国務長官(当時)から、棺を前に 個別で直接言われたと証言していますが、クリントン側は「誰かが嘘をついていますが、それは私ではありません」と主張しています。

 

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当初の説明とは違い、映画とこの事件には何の関係もなく、この事件がアルカイダによるテロであったことは、保守派メディアだけではなく、左派メディアでさ え認めていますが、事件の翌日には、ヒラリー・クリントンがエジプト首相とチェルシー・クリントンに宛てたemailで、「この事件は映画には関係がな く、アルカイダのようなグループによるテロである」と書いていた事が判明しています。

 

事件の起こった2012年は、オバマ大統領にとって第二期目の大統領二期目の選挙がありました。オバマ大統領は第一期目の政策の成果を強調して、「アルカイダは敗走している。もはや脅威ではない』と主張していました。

 

この事件はその選挙中に起こったテロですが、当時これをテロと認めるとその政策の失敗が明らかになり、オバマ大統領再選にとって大きな障害となる為に、『テロではなく、映画に対するデモだ』というプロパガンダを流したのではないかと疑われています。

 

亡くなった4人のアメリカ人、そのご遺族、別件逮捕された映画の制作者や、これらの方々の犠牲の上に再選を果たした大統領、また発言を撤回し、遺族が「悲しみのために」嘘をついていると主張しながら大統領の座に就きたい候補者の主張のあれこれを考えますと、暗澹とした気持ちになります。