オバマのアメリカ (2)

先日の民主党候補者のディベートで、ヒラリー・クリントン候補は共和党議員などを『敵』と呼びました。オバマ大統領も共和党議員や共和党支持者を『敵』と呼んでいます。この発言に共和党議員の一部は、「なんて、不道徳な。そうは言っても、皆同じアメリカ人で敵も味方もない筈なのに...」と嘆きましたが、デスーザ氏は、こうした見解と意見を異にします。


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『2016年・オバマのアメリカ』という映画を作った、インド系アメリカ人のデニーシュ・デスーザ氏は、民主党議員に対抗して立候補していた元クラスメイトであるウェンディ―・ロング共和党議員への政治資金への寄付がキッカケで、起訴をされました。

 

ア メリカの政治献金のシステムはとても複雑です。個人は候補者に対して1万ドル(約120万円)以上の献金は出来ません。代わりに、政治運動委員会への寄付 を行ない、そこから候補者への支援をする仕組みとなっています。ところがデスーザ氏は、2人の別の友人に、それぞれ彼に代わって、1万ドルを同候補者に寄付 し、彼自身は友人に金額を返還する手段を使いました。この行為は法律に違反しています。違反していますが、誰も実際に起訴された事はありません。

 

違反でありながら、実際には殆ど問題として取りあげられず、起訴される事も無い"犯罪"の為に、デスーザ氏は強姦犯や殺人犯と共に7年間を求刑されました。

 

彼は新しい著書、『Stealing America: What My Experience with Criminal Gangs Taught Me about Obama, Hillary, and the Democratic Party(盗まれたアメリカ・犯罪者との経験から、オバマ、ヒラリーと民主党について教えられた事)』について、いかにオバマ政権が権力を行使して、反オバマの映画を制作したデスーザ氏へ報復をしたか、詳しく述べています。

 

デスーザ氏は、自分が法律違反を犯した事を認めています。ただ、選挙法違反で言えば、オバマ大統領本人は、2008年の大統領選挙で、何億円単位の違法献金を受けていたにも拘らず、司法省の判断により軽い罰金程度で済ませていた事や、法定限度額を超えた寄付者の便宜を図ろうとしていたと思われるいくつかのケースがあった事など、金額や違法性のレベルが桁外れに違います。

 

デスーザ氏の献金した金額や、犯罪歴の無さなどを考えれば、これが連邦レベルの犯罪と取りあげられる事自体が異常です。しかしながらデスーザ氏は、2010年出版の、オバマの極左の生い立ちを明らかにした「オバマの怒りの根」をベースにした『2016年、オバマのアメリカ』を制作発表した事によって、大反響を呼び、オバマ政権からはあからさまな反感を買いました。

 

ヒラリー・クリントンの言葉を借りれば、彼はオバマ大統領の『敵』となったのです。ハーバード大学の犯罪弁護士として有名で、オバマ大統領の友人であるアラン・ダーショヴイッツ判事は、デスーザ氏の"犯罪"を「恥知らず」と呼び、デスーザ氏の弁護を担当したニューヨークの有名弁護士、ベンジャミン・ブラーフマン氏もビックリさせました。

 

デスーザ氏の弁護を担当したブラーフマン氏によれば、彼は初め、デスーザ氏が被害者妄想に陥っているのだろうと考えていましたが、彼の弁護を担当するうちに、これはアメリカ大統領支持の下、司法省が介入して、デスーザ氏を追い詰め、彼を社会的に抹殺しようとしている事を確信するに至ったそうです。

 

まずデスーザ氏は、保釈金として50万ドル(約6,000万円)を支払うか、7年間の刑務所行きかの選択を迫られます。これは2008年のオバマ大統領の選挙資金違反の保釈金が37万5千ドル(約4,000万円)であったのと比べても、大変な高額です。この高額の保釈金は、デスーザ氏が有罪である事を認めるように圧力を掛ける目的がありましたが、オバマ大統領の友人であるダーショヴイッツ判事は、デスーザ氏を7年間の服役の刑に処そうとします。

 

これに憤ったブラーフマン弁護士の反対によって、ダーショヴイッツ判事は、殺人犯や強姦犯などを対象とした社会への再適応を訓練させる『ハーフウェイ・ハウス』のプログラムに8か月服することを言い渡ししました。このプログラムは日中は社会奉仕を行ない、夜間は殺人犯や強姦犯などと一緒に施設で暮らすプログラムで、デスーザ氏のような軽犯罪者が送られる場所ではありません。

 

実際にデスーザ氏が、サン・ディエゴの『ハーフウェイ・ハウス』についた時、まず一番初めに教えられたのは、もし彼が他の囚人によって"強姦をされた場合には、無料の妊娠検査が受けられる"という事だったようです。

 

幸いデスーザ氏は、寝食を共にした囚人たちとは問題なく8か月間を過ごせたようですが、オバマ大統領という人物が、如何に権力を不当に行使をして政敵を貶めたり、司法を歪めてきたかを考え、しかもこういったオバマ大統領とその政権の不正を殆どの主要メディアが無視している事を考えると、これがアメリカなのか…と恐ろしくなります。

 

オバマ大統領の下でのアメリカは、法治国家としての基本を失いつつあります。

 

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