真珠湾から75年、戦後自由主義社会と世界秩序の擁護者となる安倍・日本
以前、マイケル・オースリン氏の書かれた安倍首相に関する記事をご紹介した事がある。
オースリン氏は、元イェール大学助教授であり、現在は保守派シンクタンクである「アメリカン・エンタープライズ・インスティテュート」の常勤研究員、ウォール・ストリート・ジャーナル紙、フォーブス誌、ナショナル・レビュー誌にも記事を掲載される歴史学者、政策アナリスト、アジア専門家である。
彼による日本の安倍首相への評価は、近年の日本の政治家に対する海外からの評価と比較して、突出した高さだ。
私は日本の政治家にとっての最優先課題は、日本と地域の安全保障をどう守るかだと考える。この最優先課題に対する安倍首相の取り組み姿勢は、戦後の自由主義社会の秩序を遵守しようとする安倍首相のソフトな語り口とは違い、一貫した決意が伺える。まさに故セオドア・ルーズベルト大統領の名言とされる「大きな棍棒を持ち、穏やかに語れ」をそのまま地で行かれているようだ。
実際、敵対国に囲まれる中で、自国の安全保障を守る為には、棍棒(軍事力)と共に、穏やかな言葉が必要である。そうでなければ、大胆な政策は実現し得ないだろう。
以下にオースリン氏の書かれた、「75 Years After Pearl Harbor, Japan is a Key Defenderof Global Stability (真珠湾から75年後、日本は世界安定へのカギとなる擁護者だ)」をご紹介する。
75 Years after Pearl Harbor, Japan Is a Key Defender of Global Stability | The National Interest
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75年前の今日、日本はアジアの西側列強に対し奇襲攻撃を行ない、日本帝国軍による恐ろしい戦争犯罪が目撃され、4年後の広島と長崎へ投下された原子爆弾によってクライマックスを迎える太平洋に於ける全面戦争へと発展していった。
アメリカにとっては12月7日早朝の『真珠湾攻撃』と知られているが、日本軍の戦略の主な狙いは、東南アジアに駐屯するヨーロッパとアメリカの守備隊を圧し、日本の国力を締め付ける恐れのある、原油やその他の原材料に対する禁輸政策を撤廃させることにあった。同日、香港、マレー、フィリピン、シンガポールやタイは全て海と空から包囲され、その他の東南アジア地域は一月までに攻撃され、アジアにおける力のバランスを崩壊させ、日本による地域秩序を作る大胆な賭けに巻き込まれた。
今週、「汚名の日」のページを閉じる為に、日本の安倍首相がオバマ大統領と共に12月末に真珠湾を訪問すると発表された。また11月の末には、日本の稲田朋美防衛大臣が、日本とアセアン各国の防衛大臣らとの2回目の非公式会談に於いて、ASEANの防衛イニシアティブである「ヴィエンチャン・ヴィジョン」を発足させた。海からの安全保障への軍事的協力を狙い、アジアにおける国際法による支配を促進させるために、日本の安倍首相は、日本を第二次世界大戦後の国際システムの防波堤にしようとしているのだ。1941年の日本国の役割とは全く逆である。
1945年の、全てが灰塵とされた敗北と世界的な屈辱から、日本の戦後の歴史は、アメリカと戦勝国によって建てられた自由主義国際秩序に貢献し、そこから利益を得てきた国の円弧に従っている。徹底した戦争中の役人追放や寡頭政治で活躍した企業の解体は、1950年の朝鮮戦争の勃発と共に停止したが、1945年から1952年まで、日本は占領された国家として、占領国に似せて部分的に作り変えられた。実際、国際的なのけ者となった従属国から、瞬く間に日本は、地球を取り巻くアメリカの政治・軍事プレゼンスにとって代え難い要因となったのだ。
日本の特異性は、アメリカによる占領から後の10年の間、1946年にアメリカによって書かれた憲法9条に象徴されるような、戦争放棄を謳う、軍事力のほぼ完全に近い放棄から始まった。軍事力放棄の代わり、当時の吉田茂主張と彼の後継者らは、日本の防衛をワシントンに頼る事に同意し、産業の回復と日本市場の保護に集中した。
広島から20年と経っていない1964年には、トーキョーは夏のオリンピックを開催し、戦後の成功物語、また世界で最も早い経済成長を以て、喝采をうけた。実際、日本は何十年もの間、世界第二位の経済力を誇り、消費者に受け入れられるデザインの改革や、個人的な家電などの人々がちょうど欲しがっていた商品の開発など、全てを再定義したのだ。日本の一般的生活環境は世界で最も高い割合にあり、日本の美は、車に始まってインテリア・デザインに至るまで全てに影響を与えた。
しかし日本は、その経済力に見合う、大国としての政治的影響力や軍事力を発達させてこなかった。憲法による規制によって、平和主義社会を喜び、経済政策に対する足枷となる重い国際社会での責務を厭いながら、日本は世界で起こっている事に対して、琥珀の中で固まってしまっているかに見えた。
日本の経済成長が1990年代初期に停止した時に、国際の場での日本の影響力の多くも無くなってしまった。全くと言っていいほど同時に、中国が日本にとって代わり大国となり、約束通り、アメリカに対する主な競争相手となった。
今日、日本の経済力と軍事力は、中国によって影が薄い中で、安倍首相は、かつて多くの人々が理想であると考えた、日本をアジアの政治指導者とするための戦いに日本を近づけていこうと、大胆にも立ち上がっている。
まず安倍は、海外における軍事活動に対する規制を廃止し、軍事予算を増加し、ワシントンとの同盟を強化している。更に大胆な事に、彼はインドとの絆を深め、南シナ海における日本のプレゼンスを増やし、ASEAN各国との防衛協力のイニシアティブを明らかにし、防衛の為の武器を東南アジアの国々に提供しようとしている。
こうした安倍の行動に、国内外の反発が無い訳ではない。特に中国は、この動きが地域における北京の覇権を脅かすものである事を理解している。しかし安倍は、彼の行動は「日本が恐らく他のどの国よりも恩恵に預かり、今日ではロシアやISIS、イラン、北朝鮮と中国からの挑戦に困難を覚える戦後の自由主義国際秩序を強化する為の行動である」と、確固たる主張をしてきた。
そうする中で、また彼より前の政治家よりも更に踏み込んだ大戦への謝罪をすることによって、安倍は日本を世界の安定の擁護者と位置付けているのだ。これは、75年前の日本が行なった破壊的な役割とは、全く異なっている。
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真珠湾攻撃から75年目の今日、大戦によって命を落とした全ての人々とそのご遺族に対する祈りと共に、アジア専門家であるオースリン氏が、世界の秩序安定に向けた安倍・日本の軍事役割強化を歓迎する記事を書かれた意義に、想いを馳せたい。
保守派は「偽情報」で騙すな、「偽情報」に騙されるな。
先月始めの11月2日、ヒラリー・クリントン元国務長官が、ワシ
Pizzagate: From rumor, to hashtag, to gunfire in D.C. - The Washington Post
11月4日にジョーンズが掲載したユーチューブ・ビデオでは、彼は「ヒラリー・クリントンが自身で殺害し、首をはね、強姦した全ての子供たちの事を考えると、彼女に反対して立ち上がることなど怖くない。その通り、よく聞いてくれ。ヒラリー・クリントンは、自分の手で、子供たちを殺害したんだ。私は、これ以上真実を抑え込むことは出来ない。」と語っている。
アレックス・ジョーンズと言えば、911はアメリカ政府による自作自演のテロだと主張するアメリカで最も有名な『陰謀説論者』であり、『インフォウォーズ』は彼の運営する陰謀説メディアだが、ドナルド・トランプ氏は彼を気に入り、ジョーンズの素晴らしい働きを称え、大統領当選後には彼に感謝をする電話をしている。因みに「Infowar」と言えば、「トランプ大統領当選に反対するデモは、ジョージ・ソロスの支援する団体がバスを借り切って運動を起こしたものだ...」という陰謀説を流している。
ナショナル・レビュー誌のジョナ・ゴールドバーグ
「私は偽ニュースについての議論は意図的に避けようとしてきた。あまりにも色々な事が言えるからだ。しかし今朝、NPR(ナショナル・パブリック・ラジオ)が、「FDR(ルーズベルト)は、真珠湾攻撃を事前に知りつつ、何の対処も取らなかった」という、決して消滅しない陰謀説を報道したのを聞いた。ホストはこれを75年前の「偽ニュース的なもの」とした。彼の解説はおおよそ正しいのだが、チャールズ・ビアードの名前を出し、彼がこれに対して果たした役割について述べたら、もっと良かっただろう。これは、ピザゲートという狂人を『偽ニュース』と呼ぶメディアの容赦ない報道のかかとに引っかかっていた。私の理解では、『ピザゲート』は明らかな『偽ニュース』である。海外ウエブサイトが、意図的に、情報を作り上げていると知りつつ、ソーシャルメディアに掲載され、添付先のリンクをクリックさせる事で利益を得るニュースである。正確に言えば、『陰謀説』は『偽ニュース』とは異なる。『陰謀説』は、『陰謀があったとする説』であるのだ。多くの主要メディア(その殆どはリベラル・メディアである)は意図的に、或いは知らずしてか、この違いをごちゃ混ぜにしてきた。偽を批判するならば、定義を曖昧にする行為は皮肉でしかない。保守派の側も同様に、この定義をごちゃ混ぜにしてきた事は事実である。しかし、主要メディアが流す『不正確なニュース』は、意図的に偽情報を作り上げ、クリックさせる為の『偽ニュースサイト』とは全く異なる。ダン・ラザー*に対して厳しい批判があったが、彼の『犯罪』は、野心や私心、集団的思考によって、適切な洞察力やジャーナリストとして必要な懐疑心を放棄してしまった点にある。ガザの橋を想像した*VOXニュースのあの記者も、意図的にあのような失態を演じた筈はない。(*ダン・ラザーは、ジョージ・W・ブッシュ元大統領のヴェトナム参戦時代について、虚偽文書を用いて『60ミニッツ』で批判した。)Killian documents controversy - Wikipedia
(*VOXの記者によって、イスラエル政府はガザとヨルダン西岸を結ぶ橋の通行を妨害していると報道されたが、橋そのものが存在していない。)http://thefederalist.com/2014/07/17/voxs-motto-should-be-explaining-the-news-incorrectly-repeatedly/
もし嘘と知りつつ、それを事実として報道すれば、法的処置を課せられることはそれ程狂った考えではない。もし『ナショナル・レビュー』が、児童愛好者らの集まりであると偽ニュースのサイトによって報道されれば、彼らを法的に訴えたいところだ。しかしながら、もし中傷する目的で偽ニュースをねつ造する組織が法的に守られるとしても、フェイスブックのような一企業が、利用者を意図的に騙そうとする詐欺師たちの能力を限定する事には何の問題も無い筈だ。いずれにせよ保守派は、相反する意見を抹殺する為に偽ニュースを利用しようとする如何なる試みに対しても、反対をするべきだ。保守派が、偽ニュースを流して利益を受けるプロの詐欺師たちを弁護するべき理由はない。」
リベラル極論とナショナリズム極論の狭間で
Trevor Noah didn't "destroy" Tomi Lahren on The Daily Show. What he did was much better. - Vox
トランプ次期大統領の掲げる『関税35%』政策の危険
多くのトランプ支持者は、「トランプ氏は思ったことを、そのまま
With Trump's Implosion, U.S. Employees Of Japanese Automakers Can Breathe Easier
Trump Threatens 35% Import Tax Which Would Be A Total Disaster | RedState
「これは保守対リベラルではない。共和党対民主党でもない。
Henry George on how trade sanctions hurt domestic consumers (1886) - Online Library of Liberty
911テロ首謀者による「新たなテロの波を防いだジョージ・W・ブッシュ」
ローン・ウルフ型のテロが急増する中、911テロ後にアルカイダのトップ首謀者、カハリド・シーク・モハメッドを尋問していたジェームズ・E ・ミッチェル氏の回顧録が出版された。その中で、911テロ後に、更に新たなテロ攻撃を多発させようとしていたアルカイダを止めたのが、ジョージ・W・ブッシュ大統領の政策であったとするカハリド・シーク・モハメッドの言葉が記されている。
ブッシュ前大統領はメディアや反対者によっても非難されるばかりである。ブッシュ前大統領の失政の為に中東問題が混迷し、テロが発生していると言わんばかりの非難が、オバマ大統領ばかりかトランプ次期大統領からも出ている。
多くの人々は、イラクから大量破壊兵器は発見されなかった*と信じているし、「ブッシュ・ライド、ピープル・ダイド(ブッシュが嘘をつき、人々が死んだ)」と繰り返されるが、果たしてその批判に理はあるのだろうか。
(*実際にはニューヨーク・タイムズ紙でさえ、2014年『大量破壊兵器による隠された犠牲者』というスクープ記事を発表し、大量破壊兵器が発見されていた事を認めている。遺棄された大量破壊兵器のために処分に当たってた米兵に被害が発生していた事は多くの関係者が証言している。またISIS が使用している化学兵器がイラクの遺棄したものであることは容易に理解できる。)
http://hkennedy.hatenablog.com/entry/2016/02/18/053536
以下に『フェデラリスト』の記事をご紹介する。
Top Terrorist: George W. Bush Stopped Us From Attacking Again After 9/11
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3,000人近くのアメリカ人を殺害した911テロの背後の立案者は、ジョージ・W・ブッシュ大統領(当時)の粘り強さが、当時アルカイダによる新たな攻撃の波を防いだことを語っている。
CIAがブッシュ大統領(当時)の下、採用していた、テロリストたちから情報を収集する尋問のテクニックを高めたジェームズ・E ・ミッチェルが、自身の回顧録の中で、911テロの首謀者カハリド・シーク・モハメッドと交わした会話を記した。
『強化された尋問:アメリカを滅ぼそうとするイスラム教テロリストの頭の中と動機』という回顧録は、尋問強化テクニック・プログラムへの第一次記録を提供している。ミッチェルは読者を、彼が個人的にEIT(尋問強化テクニック ) を適用した、アメリカ国外にある秘密軍事施設とテロリスト、テロ容疑者の細胞組織へと導いてくれる。
ワシントン・ポストのマーク・シーセンは、ミッチェルの著書に、911テロの責任者を徹底的に探しだそうとするブッシュの決断が、テロ組織を震え上がらせ、新たな大規模な攻撃を仕掛ける事を思いとどまらせた様子が書かれていると書評に述べた。
私たちを引き込むつもりはなく、カハリド・シーク・モハメッドは、アルカイダが、911後のアメリカの反応を、1983年のベイルート米海軍バラックへの爆破事件の時と同様に、尻尾を見せて逃げるだけだと考えていた事を語った。
「すると彼は私の目を見て言った。『カウボーイのジョージ・ブッシュが、我々の生死のいかんに依らず我々を捕まえると宣言するなんて、どうして予測出来ただろう。』 ミッチェルは記している。「カハリド・シーク・モハメッドの説明によれば、もしアメリカが911をただの犯罪の一つとして対応していたならば、第二の攻撃の波を開始する時間があったようだ。アルカイダがそうできなかったのは、ジョージ・W・ブッシュ大統領の頑迷な決意と素早い対応にアルカイダが尻込みした事による。
シーセンの書評によれば、カハリド・シーク・モハメッドは、ジハード同調者がアメリカに移民をし、アメリカ人が疲れ果て、降参をするまで、小さな規模の攻撃を続けるだろうと語ったそうだ。
カハリド・シーク・モハメッドに言わせれば、911のような大規模な攻撃は「良いが、必要ではない。」継続的な単純な技術の攻撃が続けば、いくつかの病気に感染をしているノミによって象が倒されるのと同じ論理で、アメリカを崩壊できるとしている。彼によれば、『ジハードの思いを共有する兄弟たち’がアメリカに移住し、アメリカの法と権利を身に纏いながら充分な力を養い、台頭し、我々を攻撃するらしい。
「彼は、兄弟たちは彼らの攻撃を休む事なく続け、アメリカ人はいずれ、疲労し、恐怖に慄き、戦いに嫌気がさし、戦いを放棄するだろう。いずれアメリカは殺戮される為に我々に首を差し出すだろう。」
ジハード同調者や自称ISIS戦士によるローン・ウルフ型のテロ攻撃の数が急上昇している事からも、カハリド・シーク・モハメッドの言葉は殆ど予言的であるとさえ言える。
カハリド・シーク・モハメッドの言葉は続く、「アメリカは彼らとは宗教戦争を行なってはいないだろうが、真のイスラム教徒はアメリカとの宗教戦争の最中なのだ。全世界の人間がシャリア法の支配下に置かれるまで、われら兄弟たちによる戦いは止むことが無い。」
トランプ次期大統領の勝因と、これからの『分析』
トランプ次期大統領の政策に関して、日本の一部の方々が「
In 2016's presidential race, the winner will be ... - LA Times
原則重視、同盟国重視を貫く共和党重鎮、ジョン・マケイン議員
John McCain cautions Donald Trump over U.S.-Russia "reset" - CBS News
「アメリカの政権移行が行なわれている最中、ヴラジミール・プーチンは最近、アメリカとの関係改善を願うと発言している。 元KGBエージェントへの信頼とこのような声明への信頼は、自らの国を専制国家に陥れ、 政敵を殺害し、隣国を侵略し、アメリカの同盟国を脅迫し、 アメリカの選挙の妨害を行なった してあるべきだ。オバマ政権のロシアとの関係の再出発は、 プーチンによるウクライナ侵略と中東への軍事介入で頂点に達して いる。新たな「関係の再出発」は、どう少なく見積もっても、 アメリカをプーチンとアサドが行なっているシリア人一般市民への 惨殺の共犯とする。それは、 アメリカという偉大な国にとって受け入れられない代価である。」
最も重要な任務に就く「新鮮味溢れる」素人たち
その中で、私は元脳外科医のベン・カーソン氏は、
Ben Carson declines role in Trump administration - Business Insider
Trump closes campaign as he began it: Running against the establishment
取扱説明書を読みながら飛行機を操縦するパイロットのトランプ氏 (全くの未経験を風刺している)