国際政治事情

イギリス保守派によるEU撤退の理

EUに対する反発は、故マーガレット・サッチャーの時代からイギリスの抱えるジレンマとしてありました。 BBC ON THIS DAY | 21 | 1984: EEC summit collapses over rebate row 実際に、故サッチャー首相が離脱を主張していたことは、サッチャー首相の伝記を記…

イギリスのEU撤退

イギリスのEUからの離脱を問う国民投票がなされ、キャメロン首相の期待に反して、離脱を願う国民が過半数を超えましたが、この問題はしばし比較される「トランプ旋風」とは異なり、単なる『EUに対する反動的ナショナリズム』では説明され尽せません。 「なぜ…

中国との距離を広げる韓国

英訳された聯合ニュースを、更に和訳しました。 http://m.yna.co.kr/mob2/en/contents_en.jsp?cid=AEN20160605001851315&input=www.twitter.com%3F2e70e980&site=0300000000&mobile 韓国が、中国、北朝鮮との溝を深め、距離を広げている事には間違いがなさそ…

アメリカから見た第二次世界大戦 (3)

アメリカが日本に警戒心を持ち、正規の戦争以外の外交、制裁などを以て牽制しようとした理由は、①、当時民主主義国家へ変わると考えられていた中国に対する同情と、②、イギリスに敵対し、ヨーロッパを手中に収めようとしていたナチス・ドイツとの友好関係が…

アメリカから見た第二次世界大戦 (2)

「アメリカが中国やアジアにおける列強の利権を守る為に、日本に対して戦争を仕掛けた」という説がありますが、実はアメリカは、ヨーロッパ列強の植民地支配や帝国主義を支援していた事はありません。 例えば、戦後オランダがインドネシアを去ったのは、アメ…

クレムリンの影が見え隠れする、トランプ氏の外交アドバヴァイザー達

ドナルド・トランプ氏の軍事戦略の知識をどこから得ているかについて、昨年トランプ氏は『ミート・ザ・プレス』での質問に答える形で、「テレビです」と答えています。 先月、『モーニング・ジョー』に出演した際の「外交政策について誰に相談をしているか」…

ディプロマット誌も認める「政治論争」としての「歴史論争」

2013年に書かれたディプロマット誌の記事を再読する機会に恵まれました。 以下はその和訳(部分)です。 thediplomat.com ------------ 『歴史の議論』は、日本が近隣諸国に対する過去の侵略戦争を一度も誤ったことが無いという前提で常になされている。(とこ…

テロを起こす、真の原因

スウェーデンの外務大臣のかかとに従って、オランダ社会党首は、11月、ISISがパリで起こしたテロの原因は、イスラエルにあるとしました。 Dutch party head blames Israel for Paris attack - Europe - News - Arutz Sheva ジャン・マリジニッセン党首によれ…

日米同盟の見直しを語るドナルド・トランプ

共和党指名選挙のトップ候補者であるドナルド・トランプ氏の「外交政策の概要」らしきものが、ニューヨーク・タイムズの電話インタビューで明らかになりました。 http://www.nytimes.com/2016/03/27/us/politics/donald-trump-transcript.html?_r=0 ------ …

『貿易戦争』を掲げるドナルド・トランプの無知  Washington Post 紙記事より

左翼の『リベラル・メディア』として知られたワシントン・ポスト紙が、トランプ氏の掲げる日本との『貿易戦争』などは、「現実を反映させていない」と、逆に日本の立場の弁護をしています。 以下、ワシントン・ポストの記事より、 ドナルド・トランプが2016…

ベルギー・ブリュッセル同時多発テロと、ISISとの戦い

ベルギーの首都・ブリュッセルの空港のアメリカン航空カウンター付近と、地下鉄での自爆テロにより、34名が死亡し、200名以上の負傷者を出しています。 ベルギー当局の捜査によれば、付近から化学物質とISISの旗が発見されています。 この同時多発テロについ…

ドナルド・トランプの『災害的アジア政策』 The Diplomatの記事より

ドナルド・トランプ氏のアジア政策を批判したディプロマット誌の記事をご紹介します。 Donald Trump’s Asia Policy Would be a Disaster | The Diplomat 勿論、細部に渡る点まで、完全に同意できる訳ではありません。例えば、米軍基地の日本からの撤退後、す…

ヒトラー暗殺計画-----ヘニング・フォン・トレスコウ

1944年7月20日、ナチスによるユダヤ人虐殺の実態を見て、ヒトラーの暗殺計画が少数のナチスの将校らによって実行に移されました。 『罰を受けずに済まされる善い行ないはない』という格言があります。 善い行いは気付かれ、感謝をされるものだという期待があ…

イスラエル人に対するヘイトクライム

パレスチナ人のフェイスブックの投稿ビデオが話題となっています。 www.youtube.com 父親:「イスラエル人は『パレスチナ人が我々に投石をしている』と言っている」女の子:「それが何?」 父親:「『(パレスチナ人の)子供まで石を投げている』」女の子:「…

本当の人権侵害が起こる街角

バンコクで見た事です。 夜11時過ぎ、赤ちゃんや小さい子供たちが路上にいます。起きている子供もいれば、眠っている子供もいます。この子供たちは人身売買の被害者です。 大人たち(殆どがミャンマーからの不法移民のホームレスです)が、特に外国人の通…

サウジアラビアという国

サウジアラビアという国を覚えていらっしゃるでしょうか?(勿論ですが…) スンニ派イスラム教徒が多数を占める、国連人権委員会の理事国ですが、1月、シーア派のイスラム教聖職者シーク・アル・二ムール師など47名を、テロリストとして処刑しました。 Ira…

トルコとISISの関係

トルコは、もともと世俗派イスラム教徒がイスラム主義者を弾圧していた世俗イスラムの国でした。世俗イスラムとは、コーランやイスラム法(シャリア法)、ハディーシュ(口伝)を否定し、イスラム教を『宗教』ではなく、『伝統文化』として受け継いでいるイスラ…

2015年3月19日、アフガニスタン・カブールで何が起きたか

2015年3月19日、アフガニスタンのカブールで、27歳のアフガン女性、ファルクンダ・マリクザダが、イスラム僧との諍いで、「コーランを燃やした」という言いがかりをつけられ、怒り狂う群衆によって石打ち、こん棒による殴打、踏みつけられ、車で惹かれ、車で…

『ヒラリー・クリントン大統領』と『ドナルド・トランプ大統領』...どちらが日本にとってより悪い結果をもたらすか (2)

ヒラリー・クリントンは、恐らくアメリカの政治史上最も腐敗している政治家です。 ベンガジ事件やe-mailのプライベート・サーバー使用などを考えれば、有能からは程遠く、その他の限りない不正や腐敗のスキャンダルのリストを鑑みて、法を重んじる保守派のア…

ヨーロッパの難民問題

ヨーロッパに移住する『難民』の報道を不審に思われる方は多いでしょう。 実はヨーロッパが受け入れている『難民』の殆どは若い男性であって、殆どの『難民』はシリア出身でもありません。 ISISの脅威が叫ばれ、イラクやシリアの少数民族であるヤディジ人・…

『イスラム国』を『イスラム』と呼ばない左翼の愚

『ISIS』、『ISIL』、『Daesh』、 『イスラミック・ステート(イスラム国)』といった具合に、呼び方はそれぞれの政治意識によって違うようですが、同じ組織を指します。 ところが、オバマ大統領、ケリー国務長官らは、どうしても『イスラム』という名前をこ…

アフガニスタンの幼児性的虐待と米兵のジレンマ

以下、ニューヨーク・タイムズ記事抜粋 ---------- カブール、アフガニスタン...... グレゴリー・バックリーが家にかけた最後の電話で、彼は父親に彼を悩ませている件について話しを始めた。南アフガニスタンに駐屯している彼の部隊から、彼はアフガニスタン…

モガディシュの戦い

いくつかに分けて書いた、1994年のルワンダの虐殺・民族浄化ですが、たった100日間の内に約80万人から120万人とも言われるツチ 族と穏健派フツ族が虐殺された理由には、虐殺を止める勢力が存在しなかった事が挙げられます。具体的にはアメリカが軍事介入をせ…

ルワンダの虐殺・民族浄化-----アメリカの無い世界にようこそ (3)

ルワンダに残ったアメリカ人活動家、カール・ウィルキンソンは、アメリカ政府の全員よりも多くのルワンダ人を救ったでしょう。彼は、虐殺を行なっている50人程の過激派武装集団が、働いている孤児院を取り囲んでいるのに気付きました。 「彼ら武装集団は、…

『ヒラリー・クリントン大統領』と『ドナルド・トランプ大統領』...どちらが日本にとってより悪い結果をもたらすか

『ヒラリー・クリントン大統領』と『ドナルド・トランプ大統領』の比較をワルシャワ大学教授のアンジェイ•コズロウスキー博士が分析されています。 以下は、コズロウスキー博士の書かれたものの和訳です。 ....... ヒラリー・クリントン元国務長官が大統領と…

ルワンダの虐殺・民族浄化-----アメリカの無い世界にようこそ (2)

1994年に起きたルワンダの虐殺・民族浄化の被害の大きさが、国連という組織の無能ぶりを露わにしている事を既に書きました。 カ ナダに帰国後、PTSDを患い、自殺を図ったところ、公園のベンチにこん睡状態で発見された国連PKOのダレール将軍は、虐殺が行なわ…

ルワンダの虐殺・民族浄化-----アメリカの無い世界にようこそ (1)

1994年の約100日の間に、フツ族住民によって100万人を超えるツチ族が、最も残忍な方法で虐殺をされました。 犠牲者の大半は自身の住んでいた村や町で殺害され、直接手を下したのは多くの場合、隣人や同じ村の住人でした。 民兵組織の一部メンバーにはラ…

オバマ大統領、グアンタナモ収容所閉鎖についての記者会見

オバマ大統領は火曜日、テロリストが収容されているキューバの米海軍基地内のグアンタナモ収容所を閉鎖する計画を、4つのプランを説明しながら記者会見しました。この計画は2008年のオバマ大統領当選翌日から主張されていたオバマ大統領の政策です。 4つのプ…

オスマン帝国とヨーロッパ

イスラム教徒とヨーロッパのキリスト教徒との間の諍いの歴史は古く、イスラム教が誕生した6,7世紀にはじまったと言えます。イスラム教が誕生して以来、17世紀に到るまで、優勢を誇っていたのはイスラム教徒側でした。 オスマン・トルコ帝国のイスラム教徒は…

『南京大虐殺』 月刊『正論』記事への反論

月刊『正論』の記事だそうですが、抜粋した上で、特に秦郁彦先生に関する記述について、いくつか反論をさせて頂きます。 「南京」と墜ちたユネスコ・国連 登録資料・中国版「アンネの日記」自体が「大虐殺」不在の証拠だ | Web「正論」|Seiron ---------- […