「金正恩はかなり賢い人だと思う」トランプ発言に見る独裁政治への思慕

4月30日日曜朝、大統領就任100日目を記念する『Face the Nation』のインタビューに応える形で、トランプ氏は北朝鮮の金正恩について「かなり賢いやつだ」と発言している。 Donald Trump: N Korea's Kim Jong-un a 'smart cookie' - BBC News [「人々は、『彼…

トランプ大統領の今日の敵

昨日トランプは、バスをチャーターして、民主党、共和党両党から成る全ての上院議員をホワイト・ハウスに招き、北朝鮮問題についてのブリーフィングを行なった。ところが、ブリーフィングを終えた上院議員らがワシントン・ポストに語ったところによれば、こ…

核兵器保有国としての北朝鮮は、我慢ができないものか

ジョシュア・ポラックと言えば、「この人をおいて、北朝鮮について語ってはいけない」北東アジア地域の軍事情勢やミサイル拡散問題の専門家である。彼は米国が北朝鮮に対して先制攻撃を行なうか、否かの是非を、それぞれの利点と失点をあげて考えている点か…

シリアの化学兵器はどこから来たのか

シリアのアサド政権が自国民に対して化学兵器を用いて虐殺を行なったことは、世界が認めている。これらの化学兵器は恐らく、イラク戦争が起こる前に、フセイン政権によりシリアに運ばれたものだ。 Inside the Ring: Syria, Iraq and weapons of mass destruc…

『愛国者』らは、北朝鮮軍事危機を直視せよ

何人かの方々から北朝鮮の齎す脅威についてのご質問を受けた。諜報活動の専門家に言わせれば、残念なことにアメリカには北朝鮮に対する諜報網は無く、核戦争に至らなくても、韓国と日本は共に通常兵器での戦火による被害を被る距離にある。 Why North Korea …

対北朝鮮カール・ヴィンソン母艦派遣騒動---盟国を困惑させるトランプ政権外交軍事政策

トランプ政権の外交軍事戦略は、シリア空爆後、再び危険な迷走をし始めたと言える。 シリア空爆の際には、米国務省や議会に空爆の旨を通知するよりも前に、アサド政権と同盟を組むロシア政府にそれを通告し、ロシア政府は当然の事、それをシリア政府に伝えて…

米軍、シリア攻撃

木曜日夜、ドナルド・トランプ大統領は自国民に対して化学兵器を用いた攻撃を行なったシリアのアサド政権に対し、、そこから化学兵器爆弾を積んだ爆撃機が発射されたと見られるアル・シャヤラット空軍基地を米海軍戦艦からミサイル攻撃した。ロシアに対して…

アサド政権による自国民への化学兵器使用と『アメリカ・ファースト』

4月4日火曜日、シリアのアサド政権が、反政府派の拠点の一つとなっているイドリブ地方を化学兵器を用いた爆弾攻撃により、子供や、まだオシメを履いている赤ん坊を含む市民少なくとも70人を殺害した。 Chemical Attack in Syria Puts Focus on Trump Policy …

日韓の和解を妨げる両国のナショナリストたちに反対する

世界の悲劇と言われている過去の出来事の、その壮絶さを図る測りに、被害者の数の大きさが取り沙汰される。一概に『虐殺』と言われても、被害者の数は複数(最小は二人)から何百万人にまで登り、その悲劇がやはり数の多さで測られるのも、ある意味当然だろう。…

シャリア法による裁きを容認してはならない

インドネシアにおいて、夫以外の男性と一緒にいる現場を見られた女性が、イスラム教シャリア法の定めに従って、むち打ちの刑に処せられた話題がありました。勿論こうした処罰は至る所で行なわれており、証拠やきちんとした近代的裁判なしで、女性が石打ちや…

ロシア: 民主活動家アレクセイ・ナヴァルニィー逮捕に見る、独裁者プーチンの焦り

ロシア政府内の腐敗を暴露し、『プーチンが最も恐れる男』と呼ばれ、ロシア民主化運動の指導的立場である弁護士のアレクセイ・ナヴァルニィが逮捕された。彼が主催した「反腐敗デモ」はロシア連邦内の90カ所以上の都市に広まり、各地では何千人もの人々が集…

ヘイトスピーチと「日本らしさ」の限界

最近私は、知日派のアメリカ人と議論を交わすことが多い。 勿論、アメリカ人と言っても様々な考えがあり、ナショナリストや保守派から始まって、左翼、リベラル派まであるのだが、一致しているのは、「日本の評判は、中韓の流すヘイトスピーチやプロパガンダ…

日本政府によるグレンデール慰安婦像撤去裁判への意見書提出の問題

カリフォルニア州グレンデール市に設置された慰安婦像撤去を巡る裁判が、グレンデール近郊に住む日本人によって起こされたのは記憶に久しい。この裁判は現地の裁判所で一審、二審とも原告側の訴えが退けられているが、この判決を受け、原告側は先月、連邦最…

歴史問題と心の癒し

最近の事だが、ホロコースト否認者として有名な英国の歴史家、デイビッド・アーヴィングの起こした裁判を扱った『The Denial』という映画を鑑賞した。これはアーヴィングが、自分自身を「反ユダヤ主義であり、歴史の事実を歪曲している嘘つき」と呼んだアメ…

ボリス・ネムツォフ故ロシア副首相の死を悼むロシア国民の無言の抵抗

ロシアの副首相ボリス・ネムツォフが、深夜12時近く、モスクワのボリショイ・モスクワレツキー橋を渡っている最中、背後からの銃撃による4弾発を頭や胴体に受けその場で即死したのは2年前の2015年2月27日の事である。プーチンによる恐怖政治や同僚への迫害を…

『植民地支配』と『併合』の違いについての誤解

日本が韓国を『植民地支配』したか、或いは『併合』したのか、これだけの議論でもずいぶん誤解がある。『植民地支配』が住民にとって残酷な一方的搾取であり、『併合』が軍による侵攻と関係の無い平和的な合併であるかのような誤解は、無知を基にしているの…

韓国の『反日ナショナリズム』を理解する

以前も書いたが、ナショナリズムとは、自国を美化する神話を含んだ国家意識と共に、国民を別の集団に反対してまとめる主義を指す。ナショナリズムは、米国、日本、ロシア、韓国など、多くの国に存在し、その主張には、他国のナショナリストには共感し得ない…

釜山総領事館前慰安婦像設置を巡る、安倍政権「在韓外交官召還」の大失敗

「日本政府は慰安婦像を合意の精神への違反だと考える。しかし政府の管轄外にある市民団体の行動に対する日本によるハイレベルの応酬は、モグラ塚から山を作るようなものだ。極東地域におけるアメリカの同盟国同士の協力関係が重要である時に、日韓関係を危…

反対者への『国籍による人種差別』---塚本幼稚園問題

学校法人「森友学園」が運営し、教育勅語の唱和や「愛国心と誇りを育て」る教育を幼稚園児に施すことで知られる『塚本幼稚園』が、保護者に宛てて「邪(よこしま)な考えを持った(名前は日本人なのですが)在日韓国人である・支那人であるそれらを先導する…

『フェイク・ニュース』と叫ぶトランプ政権による《報道の自由》への攻撃

毎日どころではなく、一日何度も報道されるトランプ批判の非は、誰にあるのだろう。メディアによる報道がヒステリックであればあるほど、それが却ってトランプ大統領本人や政権の潔癖を表すかのようなおかしな主張がある。これは、狂人の狂った行動への反応…

マイケル・フリン大統領補佐官辞任で始まる、米諜報機関によるトランプへの反撃

トランプ大統領が国家安全保障会議のメンバーとして任命したマイケル・フリン大統領補佐官が、ロシア大使との間に、ロシアに課せられた制裁解除を巡る密約をしたとする報道は、トランプ陣営が再三に渡って否定してきたトランプ陣営とロシア政府との関わりを…

ガンジーから、「すべての日本人への手紙」

人間には、自分の聞きたい話だけを聞き、自分にとって都合の悪い話は全く無視するか、全く別の解釈を加える傾向があるのかもしれない。あるいは、自分の好むストーリーを語ってくれる語り部だけを集め、好みの証言集だけを聞き、満足する傾向もあるのかもし…

無策のトランプ大統領、『一つの中国』政策を伝える

大統領就任直前のトランプ氏は、ここ何十年かの外交慣例を破って、台湾の蔡英文からの大統領当選への祝辞を受け、電話会談を行なった。それに対するメディアや外交、軍事、安全保障専門家からの猛烈な批判を浴びたトランプ氏は、「何億ドル分もの武器を売っ…

イエメン作戦失敗と、ISIS制圧の機会を逃したトランプ政権

トランプ大統領はイエメンでの作戦で、海軍シールズ隊員の一名を失い、子供を含むイエメン人の民間人約30名の死者を出している。作戦の困難が伝えられても、トランプ大統領は危機管理室に現れていない。ホワイト・ハウスの説明によれば、トランプ大統領は同…

トランプ外交の非礼: オーストラリアとの『難民取り決め』の背景

トランプ氏が「マヌケな取引」と罵倒したオーストラリアとの交渉は、オバマ政権とオーストラリアが11月に取り決めた、主にイラン、マレーシア、ヴェトナムなどからの1,250人の難民の受け入れを指す。彼らは既に厳密な身元調査が行なわれており、そのうちの約…

ナショナリズムとパトリオティズムの違いについて

ナショナリストと呼ばれる事に抵抗を感じ、「私はナショナリストではなく、愛国者です」と主張する方が多くいるが、ここでは主観や『自称』ではなく、客観的な定義の上で、違いを述べたいと思う。 ナショナリズムとパトリオティズムの違いについて、多くの人…

トランプ・アメリカでは、対中国戦は勝てない。

挑発的で、『反中国』とも受け取れる発言をするトランプ氏の大統領就任をもって、トランプのアメリカは、南シナ海における中国の軍事拡張に真っ向から対決するのではないかと期待する声が、日本のメディアや言論人にはあるようだ。 期待や夢想、幻想、或いは…

米議会はトランプ大統領という偽共和党『ファウスト』に立ち向かえ

ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ政治について、非常に悲観的でしかも的を得た分析をしている。 The Republican Fausts - NYTimes.com 因みに、ニューヨーク・タイムズ紙と言えば『リベラルメディア』としか思い浮かばず、左翼メディアとさえレッテルを…

中国との戦争を語る狂気のトランプ陣営

トランプ大統領のアドヴァイザーであるスティーブン・バノン氏は、5年以内の中国との戦争を示唆している。 Donald Trump's closest advisor Steve Bannon thinks there will be war with China in the next few years | The Independent こうしたトランプ政…

『アメリカ・ファースト(第一)』とは何なのか

私は、トランプ大統領の主張する「アメリカ・ファースト」というスローガンに対して、なぜ日本人が嫌悪感を持たないのかが理解できない。このスローガンに対しては、保守派の政治評論家ビル・クリストル氏も「米国大統領がアメリカ・ファーストを連呼してい…

トランプ大統領・イスラム主義国からの入国禁止令と移民政策による混乱と不信

金曜日夜ドナルド大統領が署名し、すぐさま発動された移民・難民によるアメリカ入国に関する大統領特別指令は、土曜から世界各地で大きな混乱と批判を呼んでいる。 Amid protests and confusion, Trump defends executive order: ‘This is not a Muslim ban’…

ケベックで起きた白人至上主義者によるイスラム教寺院への襲撃

ケベックのイスラム教寺院で起きた痛ましい虐殺事件は、外国人嫌い、反イスラム主義、反フェミニズム主義で、白人至上主義者である、アレクサンドル・ビソネットが犯人であり、イスラム教徒が犠牲者である。事件の現場となったこのイスラム教寺院の玄関には…

トランプ大統領就任一週間: トランプ支持者たちの見る「別の現実」

「わが仏尊し」という格言があるが、同じようなものに「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」もある。仏か袈裟かが問題なのではなく、それが「わが仏」なのか、あるいは「その坊主が憎い坊主なのか」が、対象が尊ばれるか、或いは憎まれるかの判断基準になるようだ。…

なぜヒラリーの民主党は敗退したか

トランプ氏が大統領選に勝利した原因は、トランプ支持者の熱意にはない。 トランプの選挙ラリーに行ってみたという日本人が「トランプ氏への熱気は、凄まじい。あの熱気を見て、トランプ氏勝利を確信した」と意見するが、『熱気』という、主観を通してしか測…

反日大統領トランプによる『TPP脱退』と、客観的な分析や証拠に反してトランプに心酔する日本人ナショナリストの奇怪

どこの国でも、ナショナリストたちは、自国を美化する神話には興味を示すが、自国へ深刻に影響を及ぼす現実の安全保障や経済にはあまり関心を持たない。彼らにとって守るべきは『名誉』や、「他者に何と言われるか」であり、国の平和や近代民主主義、自由主…

平成天皇の譲位

83歳になられた今上天皇が、高齢を理由に公務への差し障りがあるとして、譲位の願いを述べられている。憲法に定められ、また、ご自分の義務感から、歴代の天皇に勝る公務の量をこなしてこられた平成の明仁天皇に対する国としての配慮は、天皇ご本人がご自身…

女性大行進とトランプの奇妙な共通点

トランプ新大統領の就任式から一夜明けた21日、昨日のトランプ大統領就任式を見ようと駆け付けた群衆を遥かに上回る数の女性たちが、首都のワシントンDCやシカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、タラハシーなど全米各地でトランプ大統領に反対するマーチを行…

トランプ新大統領: 『最も恐ろしい』就任演説

ドナルド・トランプ新大統領の就任演説は、一言で言えば「アメリカを第一に」というメッセージにまとめられる。 Donald Trump’s full inauguration speech transcript, annotated - The Washington Post このメッセージは、他国によって侵略され、長年にわた…

『ボルトン提言』の重要性---日本メディアはトランプ政治を見抜け

『ジョン・ボルトン元米国連大使は17日付のウォールストリート・ジャーナル紙に寄稿し「米軍の台湾駐留によって東アジアの軍事力を強化できる」と述べ、在沖縄米軍の台湾への一部移転を提案した。ボルトン氏は強硬派として知られ、トランプ次期政権での国…

ロシア工作員が笛を吹き、保守派が躍る---スタニスラフ・レフチェンコの証言(2)

昨今の一部保守派に見られるプーチン・ロシアへの期待感や親近感は、ヴラジミール・プーチンという独裁者の醸し出すイメージに操作されているだけで、ロシアの実態を無視した非論理的な感情論である。 ロシアは、近代化された中国の軍に対して立ち向かえるよ…

スタニスラフ・レフチェンコの証言---KGB・日本活動の実情

1979年米国に亡命した後、1982年には米国議会で日本におけるKGBのスパイ活動を暴露したスタニスラフ・レフチェンコの書いた「On The Wrong Side」を読んでいる。 レフチェンコはアメリカに亡命した後、ロシア国内での死刑判決を受けているが、KGBが彼の米国…

ドナルド・トランプというロシアの駒

2016年の大統領選挙へのロシアの介入については、CIAとFBI、DNIやNSAなどが報告をしているが、トランプ次期大統領はこれらの報告の信ぴょう性を疑い、ロシアへの弁護を繰り返してきた。ここに来て、9日午後、「オバマ大統領とトランプ氏へのブリーフィングに…

パレスチナという国家は必要か

パレスチナという国家がなぜ必要なのかについては、殆ど議論されていない。かつての独立国であり、現在中国共産党によって民族・文化浄化の危機に瀕しているチベットや、何世紀もに渡って独立を叫んできたクルドという国家ですら存在しない今日、なぜ迫害さ…

アンジェイ・コズロウスキー教授に聞く、対イスラエル非難決議とユダヤ人入植 (2)

AK: 次に、宗教的な面から見ていきますが、宗教的なユダヤ人にとっては、この地は神からユダヤ人に与えられた土地です。聖書の時代には、現在論争になっている「東エルサレム」や「ヨルダン川西岸地区」などが、当時の殆どのユダヤ人が住んでいた土地であり…

アンジェイ・コズロウスキー教授に聞く、対イスラエル非難決議とユダヤ人入植 (1)

国連安全保障理事会による対イスラエル入植非難決議2334号に対しての考えを、オックスフォード大学出身でワルシャワ大学の教授であるポーランド人学者アンジェイ・コズロウスキー博士に伺った。コズロウスキー博士は、イスラエル問題への専門的権威者ではな…

日本だけが誤解をされているのか (稲田朋美防衛大臣による靖国神社参拝)

複数の方から、稲田朋美防衛大臣による靖国神社参拝へのアメリカ・メディアの報道について聞かれた。 稲田大臣の参拝については、アジア問題専門家であり、日本の安倍首相についても肯定的に書かれるマイケル・オースリン氏が「稲田大臣の靖国参拝は、安倍首…

国際法と国連憲章に違反する、安保理による『対イスラエル入植非難決議2334号』

先週末に可決された国連安全保障理事会におけるイスラエルに対する非難決議2334号は、1967年の6日間戦争でイスラエルが勝ち取った土地に対するイスラエル人の入植そのものが国際法違反であると主張している。更に、イスラエル側の入植が『二国間解決案』や『…

プーチン露大統領訪日と、国連安全保障理事会対イスラエル非難決議に見る安倍外交の失態

国連安全保障理事会は、先週金曜、イスラエルのヨルダン川西岸地区入植を非難する決議を行なった。 イスラエルのネタヤフ首相は、そもそもこの国連安全保障理事会決議の背後には、任期切れの迫ったオバマ大統領の意向があった事を指摘している。アメリカは拒…

ドイツ、クリスマス・マーケットを襲ったイスラム教テロ

月曜夜、クリスマスの買い物をする客でにぎわうベルリンで、中世からの恒例となっているクリスマス・マーケットの人込みの人込みを目指し、トラックが突っ込み、12人が死亡し、約50人が負傷した。ドイツ当局をこれをテロと断定し、トラックの中に残されてい…

在トルコ露大使の暗殺と、事件の政治利用

トルコに駐在していたロシアのアンドレイ・カルロフ大使が、 シリアにおけるロシアの軍事行動を非難するトルコの機動隊に所属 する警察官によって暗殺された。ロシア、トルコ両国とも、 これをテロと断定している。ウォール・ストリート・ ジャーナル紙の報…