トランプ・アメリカでは、対中国戦は勝てない。
挑発的で、『反中国』とも受け取れる発言をするトランプ氏の大統領就任をも
Trump Administration Set to Impose New Sanctions on Iran Entities as Soon as Friday - WSJ
Trump risks isolating critical neighbor with Mexico feud - POLITICO
U.S. asks Aso to join Abe-Trump meeting - The Japan News
Donald Trump avoids saying who he trusts more — Vladimir Putin or Angela Merkel | The Independent
Donald Trump Meets Nigel Farage Ahead of U.K.'s Theresa May | Time.com
中国との戦争を語る狂気のトランプ陣営
Trump’s National Security Coup Cuts Intelligence Out of Big Decisions | Observer
『アメリカ・ファースト(第一)』とは何なのか
私は、トランプ大統領の主張する「アメリカ・ファースト」というスローガンに対して、なぜ日本人が嫌悪感を持たないのかが理解できない。このスローガンに対しては、保守派の政治評論家ビル・クリストル氏も「米国大統領がアメリカ・ファーストを連呼しているのは、非常に恥かしい。このスローガンの歴史を知らないのだろうか」と述べているが、全くその通り、この主張は「アメリカさえよければよい」という意味で使われてきた。このスローガンには、外国人への配慮は欠片も無かったのだ。
「アメリカ・ファースト」は、真珠湾攻撃の数日後真であった委員会の名称で、1940年9月4日から1941年12月10日まで続いた、「世界で何が起きていても、とにかくアメリカは巻き込まれたくない」という一国主義を掲げる政治圧力団体である。
当時のアメリカは、ナチスドイツによってヨーロッパで起きているユダヤ人虐殺を無視しようとしていた。ユダヤ人が大量虐殺され、民族浄化されても、外国の戦争に巻き込まれたくないと考えていたのだ。当時のアメリカ人には、ユダヤ人の悲劇は我慢できたのようだ。であるからこのスローガンは、ドイツにもう一つの家庭を隠し持ち、ドイツとの戦争を避ける事を主張していたチャールズ・リンドバーグに代表される通り、多くの反ユダヤ主義者によって叫ばれていた。
現在のアメリカが、これを繰り返す大統領を恥ずかしく感じるのには理由があるのだ。
この政治圧力団体が解散した理由は、真珠湾攻撃と日本の宣戦布告によって、開戦が決定されたからだ。
勿論どの国でも、最優先されるべきは国民の安全である。それを否定するつもりは無い。しかしながら、アメリカ・ファーストは「アメリカを一番にして、二番目には同盟国、近隣国」という意味では使われなかった。あくまでもアメリカ・ファーストであり、またアメリカ・オンリーであり、セカンドやサードは無かったのである。
このスローガンは、戦後も「アメリカさえ無事ならば、アメリカさえ良ければ、他で何が起こっていても構わない」という意味で使われ続けた。それは、アメリカで有名なスース博士の挿絵にある通りである。
この挿絵は「アメリカ・ファースト」と書かれたセーターを着た母親が、子供たちにヒトラーを思わせるオオカミの本を読んで聞かせている。
「そしてオオカミは、子供たちを嚙みつくして彼らの骨を口から飛ばしました。でも、この子供たちは外国の子供たちなので、別にどうでも良かったのです。」
アメリカ・ファーストとは、「アメリカさえ良ければ、外国人の悲劇は気にならない」という意味でしかない。そして日本やメキシコは、例え経済が崩壊し、政権が転覆し、軍事侵略をされても「アメリカさえ良ければ気にならない」という宣言なのだ。
トランプ大統領のくり返すこの宣言にシンパシーを感じ、理解を示すトランプ支持の人々は、このスローガンの持つ残酷な歴史や意味を知らないのだろう。
なぜヒラリーの民主党は敗退したか
ヒラリー・クリントンの不人気は、民主党支持層を回復できなかった。
アハムド少年の作ったとされるアタッシュ・ケース時計。素人には、アタッシュケース爆弾にしか見えない。
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平成天皇の譲位
女性大行進とトランプの奇妙な共通点
トランプ新大統領の就任式から一夜明けた21日、昨日のトランプ大統領就任式を見ようと駆け付けた群衆を遥かに上回る数の女性たちが、首都のワシントンDCやシカゴ、ロサンゼルス、ニューヨーク、タラハシーなど全米各地でトランプ大統領に反対するマーチを行なっている。このデモは、アメリカだけでなく、カナダの首都オタワやロンドン、パリなど、西側諸国で一斉に行われているようだ。
トランプ氏のように女性を性の対象としてしか見ない(と思われる)男性の大統領就任に対して、女性が嫌悪感を覚えるのは理解できる。トランプ氏は女性を容姿で判断し、本人の同意なく身体的接触を行なってきた。「有名人だから何をしても許されるんだ」と語っていた事も発覚している。
しかしトランプ氏は、POWや身体障碍者、マイノリティー、自分よりお金の無い人々等、男性であっても馬鹿にしている。おかしな弁護だが、トランプ氏が女性だけを差別しているわけでは無い。また女性であっても、トランプ氏に取り立てられた人々も多い。
トランプ氏のような低俗で、野蛮で、下劣極まりない人物の大統領就任に反対をしているのかと思いきや、デモはアメリカ内の「女性に対する賃金差別」「女性への人権蹂躙反対」など女性の権利向上への訴えに変わってきている。
アリシア・キーは、「私の体は私のもの。男性の好きにはさせない」とデモで語るが、彼女の体は誰かに蹂躙されたのだろうか。そうだとしても、それはまさかトランプ大統領の所業ではないだろう。マドンナは、自身も下品な言葉使いで怒りを表しつつ、「今回の選挙では、善は悪に打ち勝たなかった。それでも最後には善が打ち勝つ」と述べたが、ヒラリー・クリントンが「トランプよりマシ」である事は同意できても、あれだけ不正行為や腐敗の多いヒラリー・クリントンを善と呼ぶことには、彼女にとっての善が何であるか疑わせる。しかもマドンナは、「そうしたことが何かを本質的に変えることは出来ないと分かっている」としながらも、「ホワイトハウスを爆破でもしようかと思った」と発言している。このような過激な発言は、彼女の動機を正当化してくれない。
これらの有名人億万長者らが声を枯らして訴える女性の人権向上とは、何なのだろう。彼女たちはどんな人権蹂躙をアメリカで経験しているのだろう。もしかしてアメリカは、トランプ氏の表現したような「母親と子供が貧しさに閉じ込められ」ている『修羅場』のような国なのだろうか。
それにしてもこれらの女性は、ISISから逃げ出した元性奴隷の女性が涙ながらに国連で証言した時、サウジアラビアの女性がヒジャブを着用していない為に処刑を宣告された時に、どこにいたのだろう。これらのデモに参加する女性たちは、女性の人権を認めない原始的、過激イスラム教に対しても、『イスラム教は平和の宗教』『彼らの文化を侵害するべきではない』と擁護していたのではないか。
世界には、我々が声をあげるべき、人権に対する深刻な蹂躙が山ほどあるのだが、そうした人権蹂躙が本当にアメリカにあると考えているならば、彼女たちはトランプの描いた『修羅場としてのアメリカ』に同意しているのだろう。極右ナショナリストと左翼らが、右回り、左回りの違いがあるだけで、結局は一致する典型的な例である。
トランプ氏への批判は、その言動、政策によって、正確に行なわれるべきだ。しかしながら極論をもって極論を正すことは出来ないのだ。トランプ氏やこれらの有名人らが、金や大理石、マホガニーの御殿に住みつつ「我々は不当に扱われている」と叫んでも、熱心な支持者を喜ばせるだけで、大多数の中流アメリカ人の声を代弁しているとは、到底言えない。